『東京新聞』に連載しているコラム「言いたい放談」。
今回の掲載分では、今月19日(土)に開催する、<ギャラクシー賞「報道活動」を見て、制作者と語る会>について書いています。
「報道活動」共に考えたい
ギャラクシー賞(放送批評懇談会主催)は放送界の賞のひとつだ。
選考はテレビ、ラジオ、CMなどジャンル別に行われるが、「報道活動」部門があることはあまり知られていない。
報道活動とは、あるテーマを継続的に伝えたり、番組枠を越えたキャンペーンを行ったりする取り組みを指す。
現在選奨委員長をさせていただいているが、今年の受賞作は札幌テレビの『「がん患者、お金との闘い」2007年~2011年 一連の報道』、琉球朝日放送『ステーションQ 年間企画「オキナワ1945 島は戦場だった」』など六本。
たとえば札幌テレビの長期報道は、がんの在宅治療が患者にとってどれほど大きな負担なのかを明らかにし、結果的に行政や保険会社を動かすことにつながった。
ただ、こうした優れた報道活動も地元以外の地域では視聴する機会がほとんどない。
そこで四年前から「ギャラクシー賞報道活動を見て、制作者と語る会」を開催している。
報道活動に携わった担当者を招き、その活動を評価した選奨委員、報道に関心を寄せる視聴者・研究者などが一堂に会する場だ。
報道現場の現状や課題を明らかにし、これからの報道について一緒に考えたい。
今年は十一月十九日(土)午後一時から、東京・四谷の上智大学を会場に開かれる。どなたでも参加自由。
詳細は「放送批評懇談会」で検索を。
(東京新聞 2011.11.02)