『日刊ゲンダイ』に連載しているコラム「テレビとはナンだ!」。
今週は、フジテレビ「情報エンタメLIVEジャーナる!」をめぐって書かせてもらった。
見出し:
フジ「ジャーナルる」のJAL特集は“読後感”が悪かった
コラム本文:
フジテレビ「情報エンタメLIVEジャーナる!」。
情報番組だが、報道の要素も入れ込んでの“ジャーナる”らしい。
先日の特集は「密着!ボーナスゼロ“JAL家族”の現実」。
存続の危機の中での“ボーナスなし”は「私たちもここまで我慢してますよ」というアピールだったが、世間の目は冷ややかだ。そこにこの特集である。
登場したのはグループ企業の社員(33歳)。飛行機がバックするのを助ける仕事に従事し、元CAの妻と4人の子供がいる。
月給は約30万円。夏のボーナスは43万円だったがこの冬はゼロ。妻はパートを増やし、夜勤明けの夫が子供の面倒をみる。
それでも夫は会社への不満は口にせず、妻に向って「事故を起こせない仕事だから、安全に頑張っていかなきゃ」と決意を述べたりする。
健気で明るい家族だ。よく頑張っているのも事実。
しかし、この一家が典型的な“JAL家族”とはとても思えない。年収2千5百万円ともいわれるパイロットたちはどうなっているのか。
待遇が世間並みの系列会社ではなく、JAL本体の「現実」が見たかった。
しかもスタジオでのトークや解説は、JALの話ではなく子ども手当に関することばかり。
ならば、この特集VTRは何だったんだ?
情報でもない、報道でもない、タイトル通りの奇妙な“読後感”だけが残った。
(日刊ゲンダイ 2009年12月22日付)
・・・元々は、山本モナのスキャンダルでミソをつけた「サキヨミ」の枠。
こういう場合、枠自体に、な~んとなく“汚れちゃった”感がある。もしくは“不運”な感じ。
せっかくの生放送なんだけど、それがあまり生かされているとは思えないのも残念です。
それと、「情報エンタメLIVEジャーナる!」って、やっぱりヘンなタイトルだよねえ。特に「ジャーナる」としてしまう言語感覚が、どーにも(笑)。