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p59西洋医学には病気の初期を診断する物差しがない!

2012-04-22 09:00:00 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

薬学博士渡辺武著『漢方が救う人体危機』

 

現代医療の誤りを正す

 

第1章 漢方薬はなぜ効くか

 

現代医学の盲点を救う

 

p59西洋医学には病気の初期を診断する物差しがない!

 

 〝病は気から〟といわれるとおり、漢方でいう病は、健康に異常が起こったときからはじまります。

現代医学では、頭痛やめまいの類は病気としてとりあげてくれません。訴えようものならたいてい、医師から「お齢(とし)ですねぇ」とか「気のせいですよ」という診断が返ってきて、恥をかかされるのが落ちです。

西洋医学では、病気の初期を診断する物差しがないからです。

 こんなことがあります。――高松塚古墳の壁画「四人の婦人像」の保存に協力した東京芸大教授の絹谷幸二氏といえば、芸大の学生時代から独立美術の最高賞〝独立賞〟を連続二回も受賞し、そして今年は、長野冬季オリンピックの七種類の競技別ポスターを発表した逸材です。

 この絹谷氏が、芸大四回生だった夏休み、卒業制作を前にして、深刻な自信喪失に陥ったのです。

方々の大学病院などで診断を受けたのですが、結果はどこも異常はないという回答。

困り悩んだすえ故郷の奈良に帰郷して、家の中に閉じ籠もってしまいました。

 そんなある日、私は旧知の兄上から電話で「自信を失った弟をなんとかしてくれ」という相談を受けたのです。

さっそく、奈良に出かけて絹谷氏に面接してみたところ、彼は「卒業制作にとりかかろうとして、教授の小磯良平、林武両先生や、大先輩の有島生馬(いくま)や東郷青児らの絵を見て、すっかり自信がなくなった」というのです。

極度の神経緊張からくる、漢方でいう〝気病〟だとわかったのです。

 そこで夏休み中に体質改善をする治療方法をとることにしました。

漢方薬は腸炎や疲れやすい体質を変える薬湯「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」に「八味丸(はちみがん)」を併用して、虚証の精力減退を徐々にとり戻すことにしました。

この治療は絹谷氏を一ヵ月で完全にもとの体に戻すことができました。

夏休みの前の失意落胆のときと比べたら、たいへんなエネルギーの発散ができる完全な体に立ちなおったわけです。

 人間は通常、鼻や口や眼や皮膚の粘膜で水分を出して呼吸しています。

気の病というのはここに負担がかかって、つまり、ふさいでくることからはじまるのです。

もっと病理学的に説明すると、何かの原因で皮膚と呼吸器官の粘膜に過剰な負担をかけていて、その結果、そこに損傷が起こっているということなのです。

 現代医学では、目に見える傷だったり、潰瘍があるとか、血液臓器に変化があるとか、尿に異常がなければ、病気として認めてくれません。

病気は形があるものであり、形のない、説明のつかない気の病は、本人の体質からくるものとして、齢のせい、アレルギー、ノイローゼ、自律神経失調症など、いろいろな別名をつけているのです。

 この病名でない別名の表現は、一般に〝愁訴(しゅうそ)〟だとしているのです。憂(うれ)いを訴えるというわけです。

さらに憂いが高じて何をいい出すかわからない状態になると、〝不定愁訴〟として、あくまでも病気から除外しています。

 漢方では、気は気体を発し、いまようにいえば、人間を管理するコンピューターの中心なのです。

気の病は気のコンピューターが壊れることであり、体の歪(ひず)みの表われとして、古来の原典にちゃんと病として体系化されています。

 漢方が救う人体危機西洋医学一辺倒からの脱出

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