ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

「御用始」と「仕事始」は?

2022年01月04日 | 俳句

 今朝はそれほど寒くもなくて、今年最初のラジオ体操へと行きました。これは会場の上宇部会館が公共施設なので昨日までお休み。それでここが開かないとラジオが使えないからなんです。 

 そう、今日は4日。各官公庁などでは原則としてこの日から出勤して新年最初の仕事を始めます。それで、これが「御用始(ごようはじめ)」という季語。

  宮内庁書陵部御用始かな    山崎ひさを

 「仕事始」も同じような季語なんですが、これは必ずしも4日というわけではなく、それぞれの職種によっては1日でも2日でも、要するに年が明けて初めて何らかの仕事に取りかかることをいうのです。だから、いつだっていいということ。

  胸の上に仕事はじめの葉書束  石田波郷

 上掲句のように、どこかへ勤めに行っている人でなくても使える季語です。これは波郷が、新年になって俳誌への投句の選や句評などを初めて書こうとしているのを詠んだのでしょう。机の上でなく〈胸の上に〉と言ったところが波郷の病臥の様子を髣髴させて…胸に迫りますね。本当は新年へ向けての抱負や期待感などを込めたある意味めでたさが主情となる季語なんでしょうが…。

 これが「四日」という季語になると、もっと幅が広くなって、いろんな場面に使うことが出来ます。

  火の気なき官舎に戻る四日かな  戸恒東人

  心音を拾ふ四日の聴診器     細川洋子

 前句は「御用始」で出勤して、帰宅する時を詠んだんでしょうし、後句は病院などの「仕事始」の場面。このように季語というものは、これでなくてはダメとかいうものではなくて、それぞれの場面でいろんな使い方をして如何様にも表現できる、とても便利ないいものなんですよ。

 しかし、これからは新時代にマッチした新しい季語を創り出すのに挑戦するのもまたいいかも知れません。さあ、それでは皆さんガンバッテ!

 これは、先日泊まったホテルのロビーの正月飾りです。水引細工がこんなにたくさん…。部屋も縁起物の「鶴と亀」の掛け軸でした。これだけ縁起のよいものを揃えて貰っての今年の幕開けなんですから…これで縁起が悪いなんてこと…絶対ないですよね。

 

コメント (4)
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