ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

なぜ〝七夕〟には雨が多いの?

2020年07月08日 | 俳句

 九州は7日夜から8日朝にかけて、梅雨前線の影響で猛烈な雨が降り、とうとう我が故郷大分県でも大分川支流の氾濫が相次ぎ、由布市で5人が行方不明となりました。福岡県久留米市では城島町一帯が冠水。総務省消防庁によると8日午前5時半ごろ、福岡、長崎、熊本、大分、鹿児島県の56万2647世帯122万1324人に避難指示が出ていたようですが、みなさんきっと避難されて無事だったんでしょうね。

 気象庁によると、大分県竹田市と豊後大野市、熊本県高森町で8日未明には1時間の雨量が100ミリを超えたとみられ、「記録的短時間大雨情報」が出されたようす。

 宇部でも昨夜からの大雨注意報はそのままで、今日の夕方までは土砂災害に注意するように呼びかけています。それなのに、朝方には雨が止んでいましたし、お昼頃には太陽の日差しまでが…。主人が久しぶりに日光を拝んだなんて言って喜んでいましたけど、〝これ、どうなってんの!〟と、却って気持ちが悪いです。するとまた薄暗くなってきましたので、やっぱり…油断は禁物ですよね。

 去年からなんと川の氾濫の多いこと!今度はこの梅雨前線が中部地方に移り、今朝は岐阜県や長野県でこれまでに経験したことのないような大雨で大雨特別警報が発表されて、そのうち岐阜県を流れる飛騨川が氾濫したんだとか。

 日本気象協会によると、これから週末にかけても梅雨前線の活動が活発な状態が続き、10日(金)をピークに、またも九州から関東甲信で雨が降り、特に九州や中国、四国、紀伊半島、岐阜県で雨量が多くなると予想しています。12日(日)までが一旦大雨の峠となるそうですが、 15日(水)頃も活発な雨雲が広がって、雨量が多くなる可能性があり、梅雨の最盛期となるので、今後も大雨による災害に警戒が必要な状況は続きそうだとも言っています。

 そりゃあこれだけ大雨が降り続けば、殆どの地盤は緩んでいるでしょうから、雨が止まない限りどこまで持ちこたえられるかという問題でしょう…山や川の傍に住んでおられる方々の早めの避難を願わずにはおられません。7日現在の死者は熊本を中心の53人、行方不明者を併せると72人とか。どうかこれ以上の犠牲者が出ませんようにと、テレビのニュースを見ては心を痛めるばかりです。

 ところで、昨日は「七夕」でしたね。gooblogでもたくさんの方々が七夕のことを書いておられましたが、それを拝見する度いつも思うことがあるんです。

 「七夕」は、俳句では秋の季語なんですよ~と。みなさん、知ってましたか?

 去年のこの日のblogにも書きましたが、これには長い長い歴史があるからなんです。日本の「たなばた」というのは、元来、中国での行事であった七夕が奈良時代に伝わり、元からあった日本の棚機津女(たなばたつめ)の伝説と合わさって生まれたもの。ですから当然その頃の暦は旧暦でしょう。(詳しいことはウィキペディアでどうぞ) そうすると、旧暦の7月7日は、令和2年の今年では8月25日(火)になります。8月7日は「立秋」ですので、旧暦の七夕の日はすっかり秋になっているというわけです。

 昔から日本の七夕は、旧暦の7月7日(行事によっては7月6日の夜)に行われ、お盆(旧暦7月15日)に入る前の前盆行事として行う意味合いが強かったのです。明治6年(1873年)の改暦後は、従来通り旧暦7月7日に行う地域、新暦の7月7日に行う地域、月遅れの8月7日に行う地域に分かれ、特に新暦開催ではお盆との関連が薄れてしまいました。

 しかし、多くの地域が新暦の7月7日に七夕行事を行うようになると、これはいつも梅雨の最中になりますので、雨の日が多く、それが一つの弊害となりました。同じ日であっても1ヶ月以上の差があるのですから季節感が全く違います。たまたま新暦の七夕の日が晴れていたとしても、それは梅雨の晴間ですから水蒸気が多くて、星や天の川が見られるような状況の空ではないということなのです。

 ほら、あの子どもたちがよく知っている〝たなばたさま〟の歌…

 ささの葉さらさら のきばにゆれる お星さまきらきら きんぎん砂子(すなご)

 五しきのたんざく わたしがかいた お星さまきらきら 空からみてる

という歌詞の〝お星さまきらきら〟のようにならないことが殆ど。だから、子どもたちは〝なぜ七夕には雨が多いの?〝と聞くでしょう。あの歌の作詞は、童謡詩人の権藤はなよ(ごんどう はなよ、1988年(明治32年) -1961年(昭和36年))さんですが、彼女はきっと旧暦の夜空を見ながらこの歌詞を考えたんだと思うんですよ。だからもし子どもたちに聞かれたらこの話をしてあげてくださいね。

 確か私が子供の頃のカレンダーには、必ず旧暦も書いてあったような…。だからお正月でも旧正月といって、餅搗きを2回していたような気がします。

 特に東北地方では、今も旧暦や月遅れで七夕をしているところがたくさんあるようですね。その代表格が仙台の七夕祭り。昨年東北四大祭を見に行きましたからよく分りますが、殆どの祭が月遅れでの盆や七夕の行事としてでしたので、日がみんな重なっていましたもの。見物する側としては効率よく順番に観れましたので、とても有り難かったですが。

 ちなみに統計では、旧暦7月7日が晴れる確率は約53%(東京)で、晴れる確率が特別に高いというわけではありませんが、旧暦では毎年必ず上弦の月となることから、月が地平線に沈む時間が早く、月明かりの影響を受けにくいのです。一方新暦7月7日は、晴れる確率は約26%(東京)と低く、そのうえ月齢が一定しないために、晴れていても月明かりの影響によって天の川が見えない年もあるようです。したがって、天の川が見える確率は、旧暦の七夕の方がかなり高いといえますね。

 また、もし雨が降ったとしても、七夕に降る雨は「催涙雨(さいるいう)」とか「洒涙雨(さいるいう)」といって、織姫と彦星が流す涙だと伝えられていますので、そう思って見るのもロマンがあるでしょう。もし6日の夜に降るとすれば、それは今年は会えないという涙雨、7日の夜降るのは会えた後の別れの涙雨といわれています。だから是非今度の旧暦の七夕の日(8月25日)を覚えていて、その夜空を眺めてみて下さいね。

 写真は、〝コボウズオトギリ〟で、ヒペリカムともいいます。〝オトギリソウ〟は、秋の季語ですけが、これは季語ではありません。半常緑低木で、 花は6月頃気がつかぬうちに咲いているのですが、小坊主の頭に似た赤い果実が生ってから気づくことが殆どです。

 

コメント (3)
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