「暑さ寒さも彼岸まで」と、さあこれで寒さからは解放されるものと思いきや…
このところ寒い日が続いています。関東地方では昨日雪が降ったとか。こちらでは昨夜から〝春雷〟です。
今朝も春雷が鳴っていましたが、テレビ では登山講習会に参加していた栃木県の高校生が雪崩に巻き込まれ、6人の心肺停止と4人の行方不明を報じていました。他にも多くの負傷者がいると…(夜はもっと増えたみたい
)
折角の楽しい春休みの行事だったでしょうに、事故に遭われた方々が可哀想で仕方がない。
でも今日も午後から句会で忙しいので、ゆっくりテレビなど眺めている暇はないのです。ゴメンナサイ!
今日の兼題は「花冷え」でした。
この題を決めたのは1ヶ月前、今年は櫻が早そうだからまあいいのでは…と決めたのですが、このところ思わぬ寒さがぶり返して、こちらではまだ一輪も開いていません。このままいくと…いつ?
とにかく俳句は先取りが好まれるので、櫻が咲いているつもりで、さあ詠みましょう。
招客にたぎる茶の湯や花の冷
今日の最高点句です。角川俳句大歳時記には「花冷え」の傍題として「花の冷え」がありますので、これが季語。
以前わが馬醉木では、「花の冷え」と言うべきではなく、どうしても下五に使いたいときは「櫻冷え」というべきだと教わったことがありますが、…さてどうでしょう?
私見的には、例句もたくさんあるし使ってもいいのではとも思うのですが…
季語のことは別にして、この句なかなかのものですね。まず口に出して読んでみると分りますが、リズムがいい。
ここまで詠めるようになったKさんの成長がとても嬉しいです。
でも、これで満足していたら先へは進めませんよ。常に向上心……あるのみです。
そこで私が、「招客は正客がいいのでは…」というと、「これは友達を招いて、3時のお茶 をしたのを詠んだんです」と言う。
「エエッ!じゃあ、茶室か何かで抹茶を点てているところではないの?」と…
ここはやはり気楽なおしゃべりの場より正式な「茶の湯」の場面が、この季語には相応しいでしょうね。
それに「たぎる茶の湯」も少しおかしい。「茶の湯」といえば、茶会や茶道のことで、たぎるのは湯でしょうし、また湯とは沸いたものを言うのだから…そのへんをすっきりと整理してみましょうか。
そこで最終的には次のようになりました。
正客にたぎる茶釜や櫻冷え
こうすると、茶室の静けさや緊張感も感じられて、すっと伸びた背筋に「花冷え」がとてもよく似合いますね。
ああ!そうだ、今日はもっといいことがあったんですよ。それを書かなくちゃ~
最近はどこにでもあるのですが、学童保育といって、低学年の小学生を預かって面倒をみてくれるという制度。
普通は授業が終った後だけですが、もう春休みなので、一日中このふれあいセンターで、先生と一緒に勉強したり遊んだりして過ごしています。それで、先生より、今日は子供らが作法を習ってお茶を点てますので、是非飲んでやってくださいと。
勿論ありがた~く頂きました。 そりゃあ美味しかったですよ。
そこで即吟で、お礼に次のように書いてさしあげました。
子ら点つる抹茶に句座も春うらら ちわき