橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI#413≪居酒屋ほろ酔い考現学≫

2021年07月18日 | EHAGAKI

お世話になっております

「学」とつくとぐっとグレードがあがる気がします
そこで単なる飲み会も「学会」と名付けると、何か高尚に思えます

何年か前「大井町迷宮学会」と名付けて
毎月大井町界隈を歩いてたり、と

さて、今回のお題は「居酒屋」
タイムリーな話題かも知れません

参考図書)

居酒屋ほろ酔い考現学
橋本健二:著 祥伝社黄金文庫)

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

◆居酒屋緊急事態宣言
  〜コロナ禍の影響とは関係なく

経済的な格差の拡大と貧困層の増加の中で
日本の居酒屋文化は崩壊の淵に立たされている

格差拡大を抑え
貧困層が生まれないようにする対策とともに
居酒屋文化を守るための制度改革が必要

多くの居酒屋経営者は、高齢化して
後継者がいない状態にある

事態は急を要する


◆出会い

居酒屋で出会った人は、数知れない

バブル経済で大もうけした経営者
隣り合わせた一週間後に逮捕された風俗業者
出入り業者に飲食費を払わせている医学部教授
酔うとセクハラを始める高名な建築家
居酒屋以外では、絶対に出会うはずのない人々


◆人々を平等にする

居酒屋では、金も権力も意味をもたない
ふだんは医局員相手にふんぞり返っている医学部教授だって
ここではただのオジサンである

それがいやだという人は、居酒屋には来ない
ここでは、人と人が水平につながっていく
水平のつながりだから
つながりがつながりを作りだして
さらに広がっていくこともある


◆様々な社会的機能

居酒屋が衰退すれば
社会の安定は大いに損なわれる

安らぎを得る場所であり
人とのつながりを作りだす場所でもある

ここから
さまざまな食文化も生まれてくる
これが失われることによる損失は大きい

経済的格差の拡大が社会問題となり
最近ではさらに進み、貧困の広がりが注目される


◆都市の第三空間

第一空間 家の空間
第二空間 仕事の空間
そして
第三空間が居酒屋である

自由に時間が使える様々なタイプがあり
好みの場所を選べる

交流することができる
また
交流しないことも出来る

そして交流しようがしまいが
そこに居れば人々の間に相互理解を作りだす

一緒に飲んで一緒に酔えば
お互い同じ人間だということがわかる

そうすれば
差別は生まれなくなる
格差が無制限に大きくなってはいけない
ということもわかる

だから
居酒屋こそ
私たちが目指すべき社会のモデルなのである


◆人権問題

豊かな文化を守り育て
安定した社会を維持するために

「誰でも酒が飲める社会」を
「誰でも居酒屋へ行ける社会」を

その為に必要な政策を
国と企業に要求していく必要がある

そのためには!


◆酒税体系の抜本的な改革

ビールに対する過酷な重税は
ただちに改められるべきである

ビールの大瓶1本には、約127円の税金がかけられている
これをワイン並みにすれば、税額は約65円となる

減税分の一部が、居酒屋の経営安定化と
店員の賃金引き上げのために使わたとしても
店で飲むピールの値段は何十円か下げることができる

大衆酒場なら
大瓶1本が300円台になるかもしれない


◆重量税→従価税へ

酒の容量に対して課税する従量税ではなく
価格に対して課税する従価税にすれば
高価な酒にはそれだけ多くの税がかけられる

酒に含まれるアルコールあたりに換算すれば累進課税となる

ビール大瓶にかけられている酒税は126.6円
100万円のロマネコンティは64.8円

こんな不合理が許されていいだろうか?

※橋長注
この本は2008年のモノ、解る範囲で修正しましたが
詳しくは財務省でご確認下さい
https://www.mof.go.jp/tax_information/qanda010.html

※橋長注
酒類販売業免許( 酒販免許) についても
多く書かれていますが、今回は割愛します

せめて庶民が飲む普通のビールや酎ハイに使う甲類焼酎くらい
飲食店が安く仕入れることができるようにならないものか

飲食店用の制限付きの酒販免許制度が
新設されれば居酒屋の酒はもっと安くなるはず


◆酒飲みも協力しよう

酒税の引き下げと酒販免許制度の改善で
仕入れ価格が下がったら

その半分くらいは経営の安定化と店員の待遇改善に使ってもらい
値下げにあてるのは半分で我慢しよう

居酒屋好きなら、文句は言わない


◆ 目標

違う仕事をし
地位や収入が多少は違っていても
極端な格差にはならず
同じカウンターを囲む者どうし

そんな関係を結ぶことのできる社会でありたい


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ということでした

居酒屋に行けず、
「ほろ酔い」でメールを触るとろくなことはない
先程、誤送信してしまいました

くれぐれももご用心下さい

「お前が言うな」
はい、失礼いたしました

厳しい時は続きます
皆様におかれましても
心の栄養補給は怠らない様、ご自愛下さい


ではまた