橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI #395≪ホモ・ゼウス≫

2020年04月29日 | EHAGAKI

皆様もステイホーム週間でしょうか
「いろいろと考える週間」になることは間違いない様です

さて
すでに人間が神様の様に振舞っている
次の神様はデータです

え?
そんなことないでしょ
でも、こんな会話、経験あるでしょう↓

「あれ、あの~大井町のあの店、え~」
若手の人が、話し終る前に
「はい、居酒屋○○○ですね」とスマホ片手に即、調べてくれる

神に祈って店選びしますか?
いや、食べログなどでしょう

グーグルも食べログもカーナビも
以前は参考にする程度でしたが、今は、結構それを信頼している

ということで今回のお題は
前回の「サピエンス全史」の続編「ホモ・デウス」について
途中、1999年当時の考察「逆襲するテクノロジー」をはさみつ<wbr />つ

逆襲するテクノロジーサピエンス全史上下巻、ホモ・デウス上下<wbr />巻
この6冊、どれも厚さ3cm程
あくまで拾い読み、私の勝手な解釈であります


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

人類発展のきっかけは四つの革命

7万年前◆認知革命
フィクション(虚構)の言語が出現

1万2000年前◆農業革命
植物の栽培化と動物の家畜化~永続的な定住

500年前◆科学革命
人類は自らの無知を認め、空前の力を獲得し始める
地球全体が単一の歴史的領域=資本主義が台頭

200年前◆産業革命
家族とコミュニティが国家と市場にとって代わる
動植物の大規模な絶滅

すべては虚構「嘘を信じる力」で成り立っている

ここまでが「サピエンス全史
ホモ・ゼウス」では未来について語られる
医療、AI、ロボット工学が発展
我々人類はどんな未来を迎えるのか

結論は
「人類が神になる」
とのことです


その前に

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

おそらく40歳以上の価値観
と思われる1999年の書籍「逆襲するテクノロジー」から

◇携帯電話やパソコン通信など
通信機器が発達緊急事態への対処によい意味で影響
事件や事故に巻き込まれたとき、以前なら公衆電話を探す
携帯電話があればすぐに警察や消防署に連絡を取ることができる

1998年1月から11月までにかけて警察にかかってきた110<wbr />番は
前年同期に比べて5.9%増加
その3分の1を携帯電話やPHSなど移動電話から

携帯電話は現場から通報できる一方
通報者が移動中で自分のいる場所が答えられなかったり
通話が途中で切れてしまうデメリットもある

あまりに簡単に通報できるため
急を要しない内容の通報も増え
本来の緊急の通報がつながり難くなるという懸念もある

◇コンピュータ
訳者は本書を訳出中にマッキントッシュを購入
使い始めて間もないころまだ定期的にデータを保存する癖がついて<wbr />おらす
6時間続けて作業を行なった後、コンピュータがフリーズ
すべてのデータが台無しに!
(気を取り直し作業再開、わずか2時間で同じだけの作業をこなす<wbr />ことができた)

◇電子メール
郵便ほど手間や時間がなく相手の仕事の邪魔をすることなく
メッセージを届けることができる
仕事上の情報交換だけでなく
日ごろの仕事では接触のない友人との交流にも役立つ

あまりの手軽さのために
メールを書くのにあまりに多くの時間をとられてしまっている
と、訳者は最近実感している

便利だからといって、度を超して使うようになれば
報復作用が利用者を襲う使うには慎重すぎるほどの警戒が必要だ

◇価値観が多様化
情報が氾濫する現代(1999年)においては
根本的な問題に真正面から取り組むことこそが、新しい価値感を導<wbr />く

◇科学技術への過度の依存
それによって生じる報復作用が単一の分野だけに止まらず
娯楽から仕事にいたるまでさまざまな人間生活の
思いがけない場面で現れる

◇著者の最終的な結論◆1999年
現代の文明社会に生きる人々が「巧みさ(finesse)」を持<wbr />つことで
報復作用を回避することができるだろう

人間が本来持っているはずの
ごく当たり前の能力や生理的な感覚を活かすことにある



◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ということで
ノスタルジックな感慨も覚える理屈であります
「勝ち負け」の問題ではない、と思うのですが

さて「ホモ・デウス

この本のタイトル「ホモ・デウス」が
ホモ:ヒト/ゼウス:神

もうすでに人類は神に近づきつつある
神とは



◆オペラ
万物が原則として対等で森羅万象がそれぞれ役割を果たしていた
~狩猟採集民は、たんなる動物の種の一つにすぎなかった

◆対話劇
このアニミズムの「オペラ」は
農業革命によって神と人間以外が脇へ押しやられ
有神論の人間と神の「対話劇」に変わる
~農耕民は自らを森羅万象の頂点と考えた

◆ワンマン・ショー
さらには人間至上主義の科学革命を経て
神が沈黙させられ人間の「ワンマン・ショー」へと変化した

◆科学者は人間を神へとアップグレードする
その実現を可能にしうるのが
科学とテクノロジーの進歩

◆三つの道筋
すなわち自然選択の法則を打ち破り
生物学的に定められた限界を突破する
生物工学、サイボーグエ学、非有機的生命工学だ

その背景に2つの流れがある

1.生き物はアルゴリズムであり生命はデータ処理である
というあらゆる生物を網羅する考え方

2.知能を意識から分第し
AI(人工知能) の形で急速に発展させる動き

◆科学の力で神を再現
神は存在しない=人間至上主義 カーストのトップに人間が

◆究極の悩み
つまり飢餓、疫病、戦争が強大な敵であったが
あきらかに減っている


◆人類は無敵に近づきつつある
一方は、サイボーグ技術で不老不死に
もう一方は、脳に「幸せ成分」を注入して幸せになる

◆それやっていいの?
昔なら宗教や神様が判断した
ナニをしていいか
ナニをしてはいけないか解からない、難しい

◆神を求める人類
「あなたはこうしなさい」
と言ってくれる神様を求めてしまう

しかし、人類では神は勤まらない
ではなにが



◆人間至上主義からデータ至上主義の時代へ

アルコリズム・ビッグデータが
あなたはこうしなさい、という時代が来る
(すでに来ている)

いやいやデータは使うもの?
◇ここで冒頭の「食べログ」等の話を思い出して下さい

データは神
人類が神様になる
正確に言うと

◆選ばれた小数の人類が神様になる
◆残りの人類は家畜になる

◆未来のカースト
ホモ・デウスがデータ・アルコリズムを管理する

それを基に多くの人間が動かされる
人間の価値はどんどん劣化して、家畜と同列になる

今まで人類は
「働ける」という絶対的な価値を持っていた
これは家畜には真似の出来ない、圧倒的な価値であった

◆一部の人が
AI、ロボットが発達し人間が邪魔になる
データ・アルコリズムを管理する一部のホモ・デウスのみが
最先端の医療で不老不死に近づき、神の様に君臨する

◆大多数の人は
何を食べて、誰と結婚して、どういう遊びをするのか
家畜として管理される側になってしまう

これは著者の予測で、著者自身もハズレてほしいと願っている



◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ということでした

今は、人間が神の様に振舞っているが
将来はデータ、アルコリズムを管理する少数の人間が
ホモ・デウスとなり、残りの人類は家畜となる

あくまで予測とのことですが

現状の危機に全体主義的な風潮があるように感じます
寛容で多様性を認め合う世の中を願うばかりです

文章中「今までは飢餓、疫病、戦争が強大な敵であった」
とありました

「強大な敵」を変換すると「兄弟な適」と出ました
こちらの方が良いなぁ、と愚考する今日この頃です

厳しい時、心の栄養補給は怠らない様、ご自愛下さい

ではまた



「ホモ・デウス」
テクノロジーとサピエンスの未来

ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳
Kindle版
https://amzn.to/2RMZuHx


「サピエンス全史」
文明の構造と人類の幸福

ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳


EHAGAKI #394≪やっかいなやつら≫

2020年04月19日 | EHAGAKI

新型コロナウィルス(COVID-19)により
時間が止まったかの様な日々が、、、

「続いておりますが」と、挨拶の言葉を締めようと思いましたが
止まれないのが、我々人間、いや生物ではないでしょうか

ウィルス、これは生物なのか何なのか

ウイルスの構造は単純です
だから生命発生の頃から存在したのか、と言うとそうではなく
高等生物が登場したあとに現れたそうです

高等生物の遺伝子の一部が、外部に飛び出したもの
つまりウイルスはもともと私たちのもの

それが家出した
流れ流れた家出人を宿主(人間)は優しく迎え入れる

なぜそんなことをするのか
それはウイルスが進化を加速してくれるから

親から子に遺伝する情報は垂直方向
しかし
ウイルスのような存在があれば、情報は水平方向に
場合によっては種を超えて伝達

それゆえに
ウイルスという存在が進化のプロセスで温存された
おそらく
宿主(人間)に気づかれることなく行き来を繰り返す
さまようウイルスは数多く存在している

ときに宿主に病気をもたらし、死をもたらすことも
それでも
遺伝情報の水平移動は生命系全体の利他的なツール
情報の交換と包摂に役立つ

これは青山学院大学教授・生物学者の福岡伸一氏が最近書かれた
「ウイルスは撲滅できない」という文章から拾ったメモです

その他にもウィルス関連の情報から読み解こうとしたのですが
なかなか理解が進みません
まぁ、当たり前ですね

ウィルスについては、進行形の問題、理解が進めば書きたいのですが

そこで方向転換
ネタ資源の保護、使えるモノは安全を確認した上で再利用
という観点から
2017年3月に人類の歴史について限定版として発信したネタを
一部修正・再利用いたします

※長くなりますが、時節柄よろしければ

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

≪やっかいなやつら≫  2017.3.14

かまやつひろしさんがお亡くなりになりました
(2017.3.1)
ご冥福をお祈りします

「やつらの足音のバラード」

なんにもない なんにもない
まったく なんにもない
生まれた 生まれた 何が生まれた
星がひとつ 暗い宇宙に 生まれた

星には夜があり そして朝が訪れた
なんにもない 大地に ただ風が吹いてた

やがて大地に 草が生え 樹が生え
海には アンモナイトが 生まれた

雲が流れ 時が流れ 流れた
ブロントザウルスが 滅び
イグアノドンが 栄えた
なんにもない 大空に ただ雲が流れた

山が火を噴き 大地を 氷河が覆った
マンモスのからだを 長い毛が覆った

なんにもない 草原に かすかに
やつらの足音が聞こえた
地平線のかなたより マンモスの匂いとともに
やつらが やって来た
やって来た
やって来た

作詞:園山俊二・作曲:かまやつひろし

最後の方になって「やつら」が登場します
そう人間(ホモ・サピエンス)の登場
ごく僅かな時間なんですね、人間の時間は

さて、今回のお題は、サピンス全史であります

2017年、人類は今大きな問題を抱えています
資本主義が行き過ぎ「グローバル化」が問題に
対し
ナショナリズム(民族主義・国家主義)や排外主義が出てくる

バランスが取れない時代に突入したと愚考します

この問題は、ご先祖様の過去に原因があるのではないか
とも言われています

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

はるか昔(石器時代)

ライオンの群れがキリンを倒し、貪り食うのを遠巻きに見るご先祖様たち
やがてライオンたちは食べ終わる

まだご先祖様は待つ
次にハイエナやジャッカルが残り物を漁る
辛抱強く待つ

彼らが済んだ
ご先祖様たちは恐る恐る近づき残り物にありつく

あるのは骨と皮?
どうしたものか

骨!硬い!石!石器!
骨の中の骨髄!栄養豊富な骨髄を石器を使って食べるコトに成功!

これこそが、私たちの歴史と心理を理解する上での一つの鍵!

ホモ属は食物連鎖の中ほどに収まっていた

人類は数百万年にわたり小さな生き物を狩り
採集できるものは何でも採集した
一方で大きな捕食者に追われてきた

40万年前になってようやく、人類のいくつかの種が
日常的に大きな獲物を狩り始めた

ホモ・サピエンスの台頭に伴い
過去10万年間に初めて人類は食物連鎖の頂点へ
石器を使いだして苦節240万年

しかし
中位から頂点への跳躍は重大な結果をもたらした

ライオンやサメのような他の動物は、何百万年もかけて
徐々にその地位へと進化した
地位の高い動物が度を超えた捕食を行なわないように
生態系は均衡の仕組みを築いた

ライオンが狩りの技量を上げると、進化によつてガゼルは足が速くなり
ハイエナは協力がうまくなり、サイはいっそう気が荒くなった

一方
人類は短期間に頂点に上ったので生態系は順応する暇がなかった
人類自身もまた順応しそこなう

地球に君臨する捕食者の大半は 堂々たる生き物
何百万年にも及ぶ支配のおかげで、彼らは自信に満ちている

それに比べ、人類は
政情不安定な弱小国の独裁者のようなもの

つい最近までサバンナの負け組だったため
自分の位置についての恐れと不安でいっぱい

そのためなおさら
残忍で危険な存在となってしまった

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

最近、牙の無いアフリカ象が多く生れていて
それは「進化」ではないかと言われています

今、アフリカ象が牙を持たずに生まれてくるという新たな進化をみせています
そもそも動物は生きるため、生き残るために体の形を変え進化を続けるものです
ではアフリカ象が牙をなくした理由は…
なんと象牙の密猟
牙のために殺されるならば
いっそのこと最初から牙のない生き物になろうというのです

過去にも牙なしで生まれる象はいましたが、それは2から6%程度
研究者によれば、ある地域では、現在、98%ものメス象が
牙なしで生まれてくるといいます
そして、牙なしのメスから生まれる象も、そのほとんどが牙なし
チャリティ団体Elephant Voicesのトップで、象の進化を30年以上観察する
Joyce Poole氏は、タイムズ紙の取材に
密猟の激しさと牙なしで生まれるメスの象の割合には
直接的な関係があると語ります
http://news.livedoor.com/article/detail/12405115/

地球にとってやっかいな存在となった人類
500年ほど前の科学革命で本格的に困った問題をひきおこし始め
200年ほど前の産業革命で、一気に人間が地球環境
そして人間そのものの存在を脅かす立場になってしまいました

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

歴史年表 ~ 四つの革命

135億年前
物質とエネルギーが現れる ◆物理学の始まり

原子と分子が現れる ◆化学の始まり

45億年前
地球という惑星が形成される

38億年前
有機体(生物)が出現 ◆生物学の始まり

600万年前
ヒトとチンパンジーの最後の共通の祖先

250万年前
アフリカでホモ(ヒト)属が進化する 最初の石器

200万年前
人類がアフリカ大陸からユーラシア大陸へ拡がる
異なる人類種が進化する

50万年前
ヨーロッパと中東でネアンデルタール人が進化

30万年前
火が日常的に使われる

20万年前
東アフリカでホモ・サピエンスが進化

7万年前

◆認知革命

フィクション(虚構)の言語が出現

◆歴史学の始まり

4万5000年前
ホモ・サピエンスがオーストラリア大陸に住みつく
オーストラリア大陸の大型動物相が絶滅

3万年前
ネアンデルタール人が絶滅

1万6000年前
ホモ・サピエンスがアメリカ大陸に住みつく
アメリカ大陸の大型動物相が絶滅

1万3000年前
ホモ・フローレシェンシスが絶滅
ホモ・サピエンスが唯一生き残っている人類種となる

1万2000年前

◆農業革命

植物の栽培化と動物の家畜化~永続的な定住

5000年前
最初の王国、書記体系、貨幣、多神教

4250年前
最初の帝国 サルゴンのアッカド帝国

2500年前
硬貨の発明
普遍的な貨幣

ペルシア帝国~全人類のための普遍的な政治的秩序
インドの仏教~衆生を苦しみから解放する為の普遍的な真理

2000年前
中国の漢帝国、地中海のローマ帝国、キリスト教

1400年前
イスラム教

500年前

◆科学革命
人類は自らの無知を認め、空前の力を獲得し始める
ヨーロッパ人がアメリカ大陸と各海洋を征服しだす

地球全体が単一の歴史的領域=資本主義が台頭

200年前

◆産業革命
家族とコミュニティが国家と市場にとって代わる
動植物の大規模な絶滅

今日

人類が地球という惑星の境界を超越する

核兵器が人類の生存を脅かす
生物が自然選択ではなく知的設計によって形作られることが多くなる

未来

知的設計が生命の基本原理となるか?

ホモ・サピエンスが超人たちに取って代わられるか?

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ということでした

「やっかいなやつら」は、我々人間そのものである
と愚考する次第です

こんな見方もあるそうです

人類が小麦をコントロールしている
いや違う
人類が小麦に家畜化されている、と

え?

小麦という植物から見れば
人間を働かせて小麦を増やさせ
生育範囲を世界中に広げることに成功した、と

今回のお題は
サピエンス全史」でした

続編の「ホモ・ゼウス」もKindle版で1年前から手元に
なかなか読み進むことが出来ず
ウィルスまでの道のりは長いです
またいずれナニさせて戴きます

まぁ、この絶好の読書の機会に少しづつ
ですかね

厳しい時、心の栄養補給は怠らない様、ご自愛下さい


ではまた

「サピエンス全史」
文明の構造と人類の幸福

ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳

「ホモ・デウス」
テクノロジーとサピエンスの未来 

ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳
Kindle版

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書) 
福岡 伸一著

動的平衡
生命はなぜそこに宿るのか

福岡 伸一著


EHAGAKI #393≪may the comedy be with you≫

2020年04月11日 | EHAGAKI

前回の音楽につづき、今回は「笑い」です

世界中が同じ話題になる
これだけ同じ話題になるのは
戦争以外では初めてではないか?

戦争は、人を殺すことに向かい
味方をも服従させ、その命も奪う
一方
今回はいろいろありますが
一応、世界中が命を助けることを目的としている
いろいろあるでしょうが

今まで無かったのでは?

「ただでは転ばん」
新たな動きが出てこないものか、などと愚考しております

あ、いけません、笑いでした

上方落語
桂枝雀師匠の「いたりきたり」でご機嫌を伺います

※以下を読まれるより、ぜひ動画をご覧下さい
https://youtu.be/EcR-b9M6YU0


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

「いたりきたり」というせわしなく動きまわるイタチの様な動物
ナマコをちょっと小さくした様な「のらりくらり」
それらをペットとして飼っている男に友人が訪ねてくる

以下、一部抜粋メモ



なんか飼ってるの?



ん~、いや別に何ちゅうことないけど

こないだ散歩してたら
出たり入ったり、出たり入ったりしとるやつおんねん
これ「いたりきたり」や



いや、出たり入ったりしとったんやろ?



いや、出たり入ったりしとったんやけど「いたりきたり」や

それであくる日に
その穴の前のところ、行たり来たり、行たり来たり
しとるやつおんねん
これ「でたりはいったり」や



それ話おかしいで
それお前、出たり入ったりしてるやつが「でたりはいったり」で
行たり来たりしてるやつが「いたりきたり」と違うのん?



そんなん勝手に決められへん
「いたりきたり」は「いたりきたり」
「でたりはいったり」は「でたりはいったり」や

こっちが勝手に、人間のわがままで決められへん



これ、こっちから見てると
あっちから来るときが「入ったり」で
向こうに行くときが「出たり」や

あっちから見ると
あっちへ行くとき「入ったり」で
こっちに来るとき「出たり」や



それがどうした?



「それがどうした」やあれへんがな
人間はそんなもんや

こっちに来る、という事実は一緒や
こっちから見たら「入ったり」で
あっちから見たら「出たり」や

同じコト言うてんねん、人間はこんなもんと違うか? 

大抵は相対してる

反対側から見る「今入った」
こっちは「何言うとんねん、出た」

一歩も譲らんで同じこと言うてる



こっちから見たら「入った」
あっちから見たら「出た」や

ところが青筋立てて
「入ったんじゃ~」
「出たんじゃ~」
「入ったんじゃ~」
「出たんじゃ~」

とまぁこれに類したことが多いのんちゃうか、と思うてな



こないだも、友達と言い合いした

あぁ、あいつの側から見たらああ見えたんか?
こっちから見たらこう見えたけど、あんな言い争い
せなんでもよかたと思って

心落ち着くよ



「でたりはいったり」ちゅうやつ
細いとこ行たり来たり、行たり来たりしとるけど
あくる日見てもやっぱりそこにおる

行たり来たり、行たり来たりしてるようでも
どこにも行たり来たりしてへんねん
ズッとそこにおる



東京と大阪が二時間半か、のぞみ

大阪のサラリーマン「わたしゃビジネスマンだ!」
大阪朝立って、ひと仕事東京でして、またその日のうちに大阪へ帰<wbr />る

「おらぁ、ビジネスマンだ!」
みたいなこと言うてるけど
行たり来たり、行たり来たりしてるだけで
結局はどこへも行ってない

わしらかて、あち行たりこち来たりしてるけど
そう、バタバタすることないのんとちゃうかと

同じところを単に、行たり来たりしてるだけやと思うと

心落ち着くよ



その「のらりくらり」やけどな
まぁ、似たようなこと言うんやろうけど
ここまできたら止める訳にもいかんさかい

一応聞かしてもらうけど

「のらりくらり」から何を、どう気持ちをナニするねん



この「のらりくらり」ちゅうやつ
ナマコのちょっと小さい様なやつやけど

大抵生物というものは押してやったら、反発する
いわゆる反射神経というのが
押されたら押し返すのが生物、生き物というもの



ところがこの「のらりくらり」は違う
押したら押されたままや
引いたら引いたままでまた戻ってくる、面白いで

これかてな
「あいつアホやで」て陰口言われたら
「何をぬかしとんねん」てなことで、すぐ反発する



そんなことあれへんねん
押されたら押されたままでええ訳や



悪口言われたら言われたままでええねん

その悪口が本当なら、やっぱり自分がいかん
違うかったら結局その人が間違っていた

ということはいずれ分かる

押されたら押されたまま
引かれたら引かれたままにしたらええねん

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

ということでした

もしよかったら
皆さんの
「今、聴くべきお勧め落語」がありましたらコメント下さい
また、ナニさせて戴きます

厳しい時、心の栄養補給は怠らない様
ご自愛下さい


ではまた


EHAGAKI #392≪Hard Times Come Again No More≫

2020年04月07日 | EHAGAKI

前例/経験のない状況に直面している現在です

将来、世界中の人と同じ話題で話が出来る
であろう、2020年となりそうです

哀しみは最小限で願いたい
その為に出来ること

可能な限り家に居る #stayathome

人の悪口を言わない
主語を大きく語る人の言説は聞き流す
民族等の属性で語る人の言説は聞き流す

march,2020

そして、音楽と共にいる

July, 2010

今回のお題は、音楽を聞きましょう、という一点です

大切な情報も摂りすぎは、心を害する恐れがあります
May the Music be with you.

後輩のbanjo奏者が名曲を紹介してくれました
フォスター作の大好きな曲です

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

Hard Times Come Again No More??

ミンストレルショーの為に
黒人なまりで作られたフォスターの曲達は
抹消され続けています

1854年以降に彼が作った詩からは
差別的な表現はなくなりました

黒人奴隷の嘆きを歌ったこの曲は
166年の時を超えて、今、私たちに力を与えてくれます

「Hard Times Come Again No More 」
厳しい時代よ もう来るな

1.
Let us pause in life's pleasures and count its many tears,
While we all sup sorrow with the poor
There's a song that will linger forever in our ears
Oh! Hard times come again no more.

人生の楽しみの中で立ち止まり
その多くの涙を数えて見ないか
貧しい者たちと悲しみを分け合いながら
永遠に耳に残り続ける歌がある
ああ、厳しい時代よ もう来るな

Chorus:
'Tis the song, the sigh of the weary,
Hard Times, hard times, come again no more.
Many days you have lingered around my cabin door
Oh! Hard times come again no more.

<コーラス>
その歌は 疲れ切った人々のため息
厳しい時代よ もう来るな
それは幾日も小屋の戸から離れない
ああ、厳しい時代よ もう来るな

2.
While we seek mirth and beauty and music light and gay,
There are frail forms fainting at the door
Though their voices are silent, their pleading looks will say
Oh! Hard times come again no more.
Chorus

歓喜や美 明るく陽気な音楽
一方で 戸に倒れ込むはかない人影
彼らに声はない だがその姿は訴えかける
ああ、厳しい時代よ もう来るな

3.
There's a pale drooping maiden who toils her life away,
With a worn heart whose better days are o'er
Though her voice would be merry, 'tis sighing all the day,
Oh! Hard times come again no more.
Chorus

青ざめうなだれた乙女 懸命に働いている
疲れ切った心 より良き日々は終わった
陽気な彼女の声 だがそれは日々のため息
ああ、厳しい時代よ もう来るな

4.
'Tis a sigh that is wafted across the troubled wave,
'Tis a wail that is heard upon the shore
'Tis a dirge that is murmured around the lowly grave
Oh! Hard times come again no more.

それは荒れ狂う波間を漂うため息
それは浜辺に聞こえる嘆きの声
それは墓場に響く葬送歌
ああ、厳しい時代よ もう来るな

Chorus
'Tis the song, the sigh of the weary,
Hard Times, hard times, come again no more.
Many days you have lingered around my cabin door
Oh! Hard times come again no more.

<コーラス>
その歌は 疲れ切った人々のため息
厳しい時代よ もう来るな
それは幾日も小屋の戸から離れない
ああ、厳しい時代よ もう来るな

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

様々なミュージシャンがカバーをしているこの名曲
ぜひ検索してみて下さい

厳しい時、心の栄養補給は怠らない様
ご自愛下さい


ではまた

April,2010

March,2020