生命誌とは何か (講談社学術文庫) | |
中村 桂子 | |
講談社 |
「性と死」123P~126Pからだけの“情報”です
メモ)
生命誌とは何か (講談社学術文庫) | |
中村 桂子 | |
講談社 |
お世話になります
感動するのはアナウンサーではない。
感動は視聴者のみなさんにおあずけするもの。
NHKのスポーツアナの先人で名フレーズを連発した山本浩さんはこう言われたとか
ラグビーワールドカップの南アフリカ戦、NHKの豊原健二郎アナ、NHKらしからぬ熱い絶叫で
「行けえ~! 行けえ~!、行ったあ~! トラーイ! ニッポン、ニッポン! 逆転!」
と、ほとんど涙声でありました そしてその後の35秒間の沈黙、これは見事な実況でありました(もっとも「しゃべらなかった」のではなく「しゃべれなかった」という説もあるようですが)
元ネタ
仕事もまた、とかく勝負に例えられます
かつてのド根性商売人ドラマから、プロジェクトX、下町ロケットなどの物語はフィクション・ノンフィクションとも面白いものです
実際、営業の現場では売れば勝ち、売らなければ負け、熱意を持て、結果がすべて、と評価する会社が圧倒的に多いかと思います
お客様にサービスを提供する仕事としては、若干、違和感を感じる部分もあります
最後のいいところをお客様に持って行ってもらうため、作り手は熱くならない。常に同じ温度で淡々と仕事をする。作り手が熱過ぎると受け取り手は冷めてしまう。(井上ひさし)
井上ひさし氏の闘病中、戯曲の一つを書き始めたと知ったスタッフがその嬉しさに「新作決定!」という仮チラシをつくり、告知に動き出した
喜んでくれるだろうと井上氏に見せると、顔がみるみる険しくなり
「ビックリマークは作り手の押しつけである。作り手がチラシを受け取るお客様より熱くなっては、受け取ったほうの熱は一気に冷めるだろう」と
前回に続き「夜中の電話~仕事について」であります
夜中の電話 父・井上ひさし最後の言葉 | |
井上 麻矢 | |
集英社インターナショナル |
■ ■ ■ ■ ■
■仕事について
どんな仕事も一個一個片付けていけばいい。
自分がいなくなった後の三年間を無駄にしない。この三年間が井上ひさしの旬と心得よ。しかし、その後もこまつ座の作品は残る。
プロには美学というものがあって、その中で生きている人は静かに仕事をする。
朝、目が醒めた時、「眠いし疲れているけれど、今日も一日がんばろう!」と思えないのであれば、今の生活、どこかで自分に嘘をついて我慢している。
その我慢がどこにあるのかを逃げないで見つめること。
「あの人には経験がないから」と言う人がいるけれど、経験が時に邪魔になったり、足かせになったりすることもある。
交渉ごとはまず先に、相手にとことんしゃべらすこと。
切符が売れないのは、死に物狂いで売ろうとしていないから。
日常を突然奪われてしまった人たち、一人ひとりのエピソ-ドを書きたい。
今の仕事がいやだからといって、それをやらずに次へ進むことはできない。
人の批判は自分を律するいい機会。むしろ観察するつもりで聞いておいて損はない。
十年間、同じ仕事を続けたら、それでご飯が食べられるようになる。だから十年は続けること。
どんな人でも、ご飯を食べるところを見ていると、優しい気持ちになる。嫌いな人とならなおさら、ご飯を一緒に食べてみるといい。
芝居は航海と同じ、海図を見誤るな。
プロデューサーさ三年先を見てものを決める。だから勉強して、いろいろなことに精通していなければ、間違った決断をすることがある。
策略に勝つために策略を立ててもダメ。策略に勝つのは正直であること。正直は最良の政策。
自分の書いたものに対して、自分が一番の批判家になる。あらゆる角度から、自分の作品を批判して、どこにもスキがなくなってから、はじめて人に渡す。
その作業に一年~三年かかることもある。
いい芝居を観た後、「自分の人生はそんなに捨てたもんじゃない」と思い、さらに自分の人生が、何だかキラキラしたものに感じられる。そんな芝居を作り続けてほしい。
稽古場に行きなさい。稽古場は後ろには戻らない場所。トラブルが起きても、スタッフみんなで知恵と技術を出し合って解決してしまう。前にしか向かわない場所だから。
昼夜公演の間、劇場の椅子にかけて目を閉じてごらん。昼公演の興奮と余韻、夜公演への準備の音、その中にいるととても心地よいから。
仕事に出かける前に「今日はこのために行く」と確認して出かける。なんとなく仕事をしない。なんとなく行ってしまうと、自分の立ち位置がわからない。立ち位置がわからないと、必要以上に笑ったり、ごまかそうとしてしまう。
最後のいいところをお客様に持って行ってもらうため、作り手は熱くならない。常に同じ温度で淡々と仕事をする。作り手が熱過ぎると受け取り手は冷めてしまう。
仕事において、内輪受けの雰囲気を醸し出していないか、送り手と受け手の立場が逆転していないか、常に自問すべきことに思います
いくつになっても働くことが、社会のためになっていると思えれば、その年齢特有の知恵を発揮して気持ちよく暮らせる。
新作は世に出た途端に古典になる。すでにある作品は、再演するたび新作以上のの輝きをもつ。そこが井上戯曲の面白いところ。こまつ座演劇の楽しいところ。だから新作にこだわることはない。
井上戯曲に登場する人物に中に、自分とよく似た人物が必ずいるはず。それは観る年代によって変わるから面白い。
責任を持つということは楽しいこと。
演劇関係者は楽観的な人が多い。
海外の舞台をそのまま持ってきて上演するのではなく、そこに日本人らしい感性をプラスしていくのが、こまつ座音楽劇の役目。
あらゆることが便利になっていくが、人間関係を便利にする方法はない。
「あいつに行ってもらえれば安心だ」と言われるような人間になれ。
相手のスキを見つけては文句をつける「クレーム社会」は考えものだ。
世界中が開拓されて、それでも常に高度成長をしていなければならない制度など、問題があるに決まっている。
何事も基本形を作ることが大事。
新しいものを古く、古いものを新しく。
仕事は先手。後手に回ったらかき回される。
過去(整理)現在(対応)未来(希望計画)というタイムスケジュールを整理する。
どの仕事でも、いい仕事は人と人とをつなげる。
大きなことを小さく処理する。
経営者の務め。それは、心身ともに健やかであること。
裏のもめごとは、すべて観客はお見通しだ、慢心せず改めよ。
忙しい時こそ、映画をみて本を読め。
本文より)
その時、父と映画を観て帰り道にカレー屋に入った。黙ってカレーを食べていた父が、いきなり映画を真似て「キープスマイル」と言った。
そのセリフは泣いている娘に父親が泣いてはいけないよ、と言う古きよきアメリカ映画のワンシーン。
そしていつも映画館を後にする時「キープスマイル」と自分に言うことにしている。
■ ■ ■ ■ ■
ということでした
「あらゆることが便利になっていくが、人間関係を便利にする方法はない。」
メールで書くのもなんですが、こうも言っておられます
「メールでの確認はいいけれど、その前に会いに行くという基本を忘れてはいけない」
「言葉だけではけっして人は人を信じたりしないのだ。行動によってのみ人は人を信じる」
「筋を通す、人を飛び越して仕事をしない、人をきちんと立てる」
おろそかにしていないか、常に自分に問い続けないといけない、と愚考する次第です
ではまた
夜中の電話 父・井上ひさし最後の言葉 | |
井上 麻矢 著 | |
集英社インターナショナル |