橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI #310 ≪報道あれこれ≫

2015年10月07日 | EHAGAKI

お世話になります

TPP大筋合意! というニュースがありました
「大筋合意」という言い方は日本のマスコミの独自表現の様です
首脳が署名し、議会の承認を得て「妥結」ですから、今回は「内定」というところでしょうか

今回のお題は、珍しく報道ネタであります

■ ■ ■ ■ ■

前回#309の最後にこんなコトを書きました

先般、日本と中国によるインドネシアの高速鉄道の受注合戦が話題になりました
結果は白紙!
「そんなに早い鉄道は必要無いのでは?」
という方向のようですが

ニュースを眺めていて、「速けりゃいいってモンやないよな」と素直に思っていたのですが、ここえきて中国が受注

「え、どうなってる?」 
「日本が長年かかって調査して、準備してきたのに中国にさらわれてしまった」
「中国はどんな手を使ったんだ」

と、様々なメディアからの情報を見てそう思ったのは私だけではないと思います

で、ちょっと調べてみたら

9月3日付 インドネシア内閣官房発表
「大統領決定:ジャカルタ-バンドン高速鉄道建設は、BUMN(国営企業)管轄とする」
ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)大統領は「高速鉄道に国家予算は使わない。B to Bビジネスとして、国営企業に任せることにした。よって再度検討せよと伝えた」と述べ、ジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道建設に対して国家予算を投入せず、本件をBUMN(国営企業)に委ねることを決定しました。

つまり
国家予算は使わない
B to Bで本プロジェクトは継続する
白紙ではなく、国営企業へ移管して継続する、と発表したのです

それを「白紙撤回」と大々的に伝えたのは日本のメディアだけだそうです
鵜呑みにした私は、ちょっと調べ「スピード一辺倒ではない」的なブログ記事などを読み、前回のコメントになった訳でありました

■インドネシア新幹線、「白紙撤回」の裏事情
東洋経済オンライン 9月22日(火)6時0分配信

7年がかりの日本側の努力は、水泡に帰すこととなった――。9月3日に白紙撤回された、インドネシアの高速鉄道計画である。2009年から日本政府による事業化調査が進められ、一時は日本の受注が確実視されていたが、紆余曲折の末、計画そのものが消滅した。

■インドネシア政府の決断から考える
こんな結果になった理由としては、
・中国と日本のどちらを選んでも、選ばれなかった国との関係が悪化する。インドネシア政府はそれを避けたかった。
・ジョコ大統領は最初から「政府の資金を投入せず、民間資金で建設、運営できる高速鉄道を作りたい」と言っていたが、どちらの案もその条件を満たしてなかった。
・150キロ先のバンドゥンまでなら、普通の特急(日本の特急レベル?)で十分と判断された。700キロ以上離れたスラバヤ(第二の都市)まで延長できるのは、まだ相当先だし。 などと報じられています。

まあだいたいそんなところだとは思うのですが、今回のインドネシア政府の(というかジョコ大統領の)判断には、それ以上に示唆深いものを感じます。というのも、日本を含めこれまでアジアで高度経済成長を経験した国のインフラ開発といえば、「巨額の税金(政府予算)をつぎ込み、「無駄すぎない?」と思えるほどの大規模な投資をする」、というのが基本だったからです。

今回のインドネシアの決断は、たんに日本と中国のどちらも怒らせたくなかった、という政治的な配慮だけからでてきたものではなく(もちろんそれもあったでしょうが)、20世紀の開発経済学と21世紀の開発経済学の転換点となる、最初の一歩になのかもと思った次第です。
ビバ! ジョコ大統領!

「インドネシア・新幹線・白紙」で検索すると9月はじめのマスコミの論調がわかります

なんとなく納得してしまった私でありましたが、発表と報道の違いに愕然とします

そして

高速鉄道、中国の受注濃厚=「白紙化」撤回―インドネシア
となった訳であります


以下引用

■日本の少しおかしな「インドネシア新幹線建設計画『白紙化』撤回報道」
インドネシア新聞Posted on 24/09/2015

インドネシアと中国は以前からコンソーシアムを組んで本件の開発を行う交渉を続けていますが、万が一、このまま中国がB to Bで本件の受注を獲得したとしても、それは「『白紙化』の撤回」ではなく、公表通りの単なる継続案件であることは明白です。インドネシアと中国を「国家予算を使わないといっても国営企業自体に国からカネが流れるなら一緒じゃないか」と批判するのならわかるのですが「『白紙化』の撤回」及びそれに伴って、検証無しで「賄賂と後進技術国のインドネシアと中国の共謀にやられた」的な批判を行うのは誤りだと自分は思っています(責任もって検証すればOKですが)。

それをまあ、日本案が採用されなかった時点で、日中への配慮から白紙化にしたとか、たまたま日本語ができる本件担当外のラフマッドゴーベル元商業相が罷免されたとか、国民のためにジャワ島外開発を重視だとか(ジャカルタ-スラバヤ間新幹線は政府案としてまだ残っています)、そして中国側に案件が傾いている可能性が強くなれば「白紙化撤回」だとか、記事の内容などすぐに消え去る or 忘れ去られることを知っているからでしょうか、責任を取る立場にないのを承知で、好きな事を書くのは少し頂けないかと。。。アクセスがほしいのはわかりますが、時に読者を欺き、煽るようなスタイルは、彼らの客であるユーザ及び日本の新幹線導入に尽力されている各方面の方々に対しても失礼な気がします。今後、この新幹線ネタに関しても、彼らがどんな後付ジャンケンを書くかよく見ておいてください。また、月並みですが、本件の詳細情報を知りたい方は日本ソースのみに頼らず英語や現地ソースを直接あたって常識を加味したうえで内容を比較してください。 しかし、それ以前に、この新幹線導入の話題、現地では日本のように盛り上がっているネタでもなく。。。。。。
全文↓
http://indonesiashimbun.com/society/media-jepang-kereta-cepat-jakarta-bandun.html

引用以上

その「後だしジャンケン」も引用します
以下抜粋引用

■インドネシア高速鉄道報道:日本メディアのおかしな報道と後出しジャンケン(完結編)
インドネシア新聞Posted on 24/09/2015

■皆さんはいつの時点でインドネシアの日本発新幹線導入が危ういと感じられましたか?
この話、前提条件としておかしいところがあり、自分の知る限り、一切のメディアはそこを突いていません。それは、インドネシア国営企業省の立ち位置です。国営企業省とは、その名の通り、インドネシア政府配下の省です。この省が、現地メディアに露出し始めたのは、2015年3月25日~ジョコウィ一団が訪中し、「ジャカルタ-バンドン高速鉄道プロジェクトに関する覚書」が中イ間に交わされた頃からです。

この時点で、バンドン市長リドワンカミルは、高速鉄道導入について「大統領は中国案前提で進めている」と述べています(※ 2015年3月25日tempo紙)。高速鉄道のホスト都市となるバンドンの市長はこれ以外にも複数回、中国が有力という発言をしていますが、日本メディアはこれも全て無視しています。こういうスタンスはかの時代から変わらないみたいです。最終的に何の得になるのかよくわかりません。因みに、ジョコウィが訪日し新幹線に試乗した際、日本の新幹線の乗心地について「富士山を見た後は寝てしまってよくわからん」、そして新幹線導入について「後で皆にもわかる、今年中にわかる」と答え、翌日に中国と「高速鉄道プロジェクトの覚書」を交わしたことなど日本メディアは記事にしません。

■ジョコ大統領が今年3月に来日した際に、安倍晋三首相は日本の新幹線方式の導入を前提に、1400億円の円借款を表明している。-「日経ビジネス」

態度を変えるのはメディア(政府や企業ではない)
この1400億円ですが、これは2015年ジョコウィが大統領として初来日した際に、日本とインドネシアの間で共同声明が出された2013年から続いている案件「ジャカルタ都市高速鉄道(MRT)南北線及び東西線並びにジャワ・スマトラ送電線プロジェクト」に対する円借款のことです。決まっていない案件に対して金を貸すほど日本政府は愚かではありません。「金も貸すといってやったのに裏切ったインドネシア」みたいなしみったれた虚偽の後付はダメです、よくない、日本の威厳も落ちる。因みにこの1400億円に関しては、同列の「日経新聞」(インドネシア関連の記事では私が個人的に一番推奨するメディア)も2015年3月23日に「1400億円の円借款は首都ジャカルタの都市高速鉄道やジャワ島とスマトラ島間の送電線の整備に充てる」と明示しています。

■インドネシア高速鉄道:中国案、用地取得など波乱含み -「毎日新聞」
毎日新聞は10月1日の朝刊一面トップ、10月2日朝刊国際面トップにインドネシア高速鉄道ニュースを掲載し、本件を大きく取り上げました。ただ、残念ながらこの記事も結構乱れています。まず、タイトルが「インドネシア高速鉄道:中国案、用地取得など波乱含み」とあります。インドネシアでは土地収用に関する問題が多いのは事実です。しかし、それは日本案、中国案とは何も関係がありません。現地の土地問題です。

■インドネシアで~~略~~インフラ整備の課題が山積しているにもかかわらず、その解決に向けた実行が遅々として進まない。これまでもジャカルタの交通システムなどを日本勢が受注して来たが、その実現には多大な苦労が伴うか、そもそも実現できずに終わったプロジェクトすらあった。 それがインドネシアだ。-「日経ビジネス」

案件が取れなかったとわかると客の批判を始めました。くるだろうなと思っていました。皮肉なことに、この原稿のタイトルは「インドネシア高速鉄道、ODA最大受け取り国の「変心」」でした。簡単に「変心」するのは国でも企業でもなくメディアです。 今回、幸い日経ビジネスさんは言及しませんでしたが、この他に「インドネシアは賄賂大国で、中国はいくら積んだ」系の話題がネットやSNSで上がっています。それ自体私は否定しません。が、もし日本が今回受注していたら、「インドネシアは賄賂大国で、日本はいくら積んだ」と彼らは書いたでしょうか??

また、これまでインドネシアのインフラ建設に一番尽力してきた外国は日本です。「インドネシアのインフラ運用はダメ」「賄賂」という物言いは別に構いませんが、他人面で言い放って無責任に言葉に浸るのは頂けないと私は思っています。
全文↓
http://indonesiashimbun.com/society/media-jepang-kereta-cepat-jakarta-bandun.html

引用以上

■ ■ ■ ■ ■


ということでした
 
インドネシア新聞というサイトがすべて正しいとは思いませんが、事実関係を確認することは出来ました
「知る権利」だけではなく「自分で調べる義務」が不可欠の様ですね、今の日本は

ではまた


ウィキペディア)
■報道・ジャーナリズムは社会的に非常に大きな力をもっており、「立法」「行政」「司法」の3つの権力にこの「報道機関」を加え、「第四権力」とも呼ばれる。

■報道と正確性
誤報ややらせ、虚偽報道の問題がある。また、表現の自主規制や報道におけるタブーも問題である。記者やニュースキャスターの他、評論家やコメンテーターなどのタレント文化人に関する問題もある。報道番組の「ワイドショー化」である。
一方で、発表報道に対する批判もある。調査報道が推奨されるが、バッシング報道になりがちである。

 

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Cheap trip

2015年10月03日 | 旅行

「東京」から一駅の「八丁堀」までの旅をしてきました

「東京」~「八丁堀」間、最短で1.2km,140円でありますが、今回のルートは!

10:39 上野東京ラインで「東京」発、「赤羽」で乗換え宇都宮線で「小山」へ12:07着

久々にじっくり読者、以前読んだ本を読み返しています

水戸線で「友部」へ

↑ 鬼怒川

常磐線に乗り換え「土浦」へ、

競技花火大会で大混雑の売店で土産を買い「新松戸」へ

武蔵野線で「八丁堀」へ。遅延もあり17:00に「八丁堀」到着
 
しめて 253.4kmを一筆がきで、運賃140円であります
東京駅で切符を買い、八丁堀で自動改札に入れるとエラー! 駅員さんに「時間エラーがでたんですが」と、持っていくと「あ、回ってこられたんですね」と
流行ってるんですね

東京近郊区間内では、特例で「実際に乗る経路」にかかわらず「重複しない経路(一筆がき)」であれば「最も安くなる経路運賃」でで乗れる。
ということでJR大回り旅、途中下車は出来ませんが、茨城県を堪能できました
蕎麦畑が多いんですね

ではまた