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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

神の発明

2017-12-09 17:52:49 | 中沢新一
中沢新一 2003年 講談社選書メチエ
妙に刺激されるものあって、ぜんぶ読もうとしている“カイエ・ソバージュ”のIV。
なかでも、これはタイトルにインパクトある、すごく興味ひかれる。
先に古本市で「V」を手に入れて、これが探してて見つからないので、とうとう新刊を買うことにした。
売れてる本というのは、ありがたいことに、その気になれば容易に買い求めることができる、2016年の14刷。
現在も地上の人間の多くは、神ってものを心のなかに持っていそうなもんだけど、そもそもどうやって人の精神のなかに神ってものができたか。
日本語の神っていうのには、主に西洋からその概念がもたらされたと思われる超越的な存在としてのゴッドと、八百万の神のようにたくさんいて、自然とか動物とかに結びついてたりする精霊・スピリットの、ふたつの意味を含んでる。
スピリットからゴッドが発生してったメカニズムを明かそうっていうんだから、ふつうの宗教論とはちょっとちがう。
いちばんおもしろいと思ったのは、最初のほうのスピリットの話で、原始的な社会では薬物的な植物までつかって幻覚を見るような祭が行われていたなんてとこ。
幻覚体験のなかで、目の前のガンガンと光のイメージが飛び出して見えてくる、それは世界共通だっていう。
>人間が自分の脳の内部から出現してくる光のイメージを、幾何学的なパターンとして表現したもの(p.43)
は、世界中でいろんなものに描かれてる図形、模様として発見されてる、人間の内側から発生しているものだというのは、なぜ、どうして、なんなのって、すごい刺激されるものだ、そういうの大好き。
なんだかんだするうちに、超越的な存在としての神が生まれてくるんだけど、そこまではいいとして。
現代がかかえてる問題は、唯一神をつくりだしちゃった人たちが、資本主義もつくりだして、それが世界中に影響力をもちすぎているというとこにあるらしいんだが。
序章 スピリットが明かす神(ゴッド)の秘密
第一章 脳の森の朝
第二章 はじめての「超越」
第三章 神(ゴッド)にならなかったグレートスピリット
第四章 自然史としての神(ゴッド)の出現
第五章 神々の基本構造(1)―メビウス縫合型
第六章 神々の基本構造(2)―トーラス型
第七章 高神から唯一神へ
第八章 心の巨大爬虫類
終章 未来のスピリット

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