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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

カタストロフ・マニア

2017-12-03 17:18:39 | 読んだ本
島田雅彦 2017年5月 新潮社
SF書いたんだ、おもしろそう、って新刊買ったの、たしか夏ごろだったと思うんだが、しばらく放っておいて読んだの最近。
カタストロフ・マニアっていうのは、主人公が遊ぶゲームの名前だってことになってるが、国家や文明を繁栄させるのが目的だが、すぐ破綻しちゃうと。
主人公はシマダミロクという26歳の男性、特に仕事とかしていないっぽい、自身ではゲーマーと称している。
あるとき知りあいから三週間の治験モニターのバイトをもちかけられて、五十万の謝礼も魅力だし引き受けて病院に缶詰めになる。
鼻にチューブ突っ込んで投薬され、二時間に一回、一日にして120ccの血を採られる、けっこうきつい。
降りようかと思ったがとどまるように説得され、最後は脳を冷やすことによる冬眠実験までさせられる。
で、二十四時間の冬眠と言われてたんだが、目が覚めると二週間が経過してて、誰もいなかった。
院内だけぢゃなくて、街にも人が誰もいない、電気とか全部切れてるようで、動いてるものがない。
テレビもネットもつながらないけど、どうやら情報を集めると、「太陽のしゃっくり」が発端だという。
東京でオーロラが見えた日に、コロナ質量放出っていうの、磁気嵐が強大になり、電気は全部こわれてしまった。
それで原子力発電所がヤバくなってしまった、「二十五年前のフクシマ」ってあるから、ときに2036年か、この話の舞台は。
おまけに新種の伝染病が蔓延して、人々は東京から逃げ出すか、地下かどこかに閉じこもるしかなくなる。
原始的な生活様式にもどってのサバイバルを余儀なくされるんだが、問題は、伝染病をばらまいたのは誰かの陰謀らしいということ。
>地球の適正人口は五億人以下である。
>善良なる者を中心に多様性を確保し、(略)(p.163)
で始まる碑文がアメリカにあるとされ、要するに人為的な淘汰をおこなうためにウイルスが使われたのだという。

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