先日のCEDECでのDeNA南場智子社長の発言が波紋を呼んでいます。
―【底流】ゲーム界“下克上” 交流型が勃興、王者・任天堂ピンチ!? (1/3ページ)(フジサンケイビジネスアイ)
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「任天堂やソニーは、人間でいうと還暦を過ぎている。日本で過去30年間に生まれた企業が、世界のリーダーに上り詰めたケースはまだないが、その歴史を変えていく」
(上記記事より一部引用)
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CEDECの基調講演で南場社長が発したこの発言がネットのテレビゲームを扱う界隈で物議や反発を呼んでいた。そりゃ、ゲームが、昔ながらのテレビゲームが好きな人間からすると、「そんな糞みたいなものをゲームって何抜かしてんの?」と反発を覚えるし、違和感を覚える。
○日本のテレビゲーム
でも稼いだモンがちだし、ある方向から見れば、ぼくたちの好きなテレビゲームは1本7000円とかするし、ボタンがいっぱいで操作方法は難しいし、3Dって難しそうだし、テレビの前に座ってやるのはありえないと思っているのかもしれない。そもそも日本のテレビゲーム市場は横ばい。
<参照>
―市場動向-個人投資家の皆様へ(カプコンIR情報)
期待されていたプレイステーション3は立ち上げに失敗してしまい復調しているとはいえ国内では600万台ほどしか普及を見せていない。プレイステーション2を追い抜こうとしているWiiは国内で1000万台普及したけど、売れるのは任天堂のソフトだけ。ドル箱のはずのニンテンドーDSは粗製ソフトの乱発(知育系、ミニゲーム集)とマジコンによって壊滅状態。任天堂タイトルばかりしか売れない。PSPは『モンスターハンター』を除くと、それなりでPS2みたいな勢いは無い。
○日本のソーシャルゲーム
一方、南場智子社長のDeNA(モバゲー)は「ディー・エヌ・エー(DeNA)が7月30日に発表した2010年4~6月期連結決算は、売上高が前年同期比2.7倍の241億円、営業利益が同3.8倍の119億円と急成長をとげた。」(ITmedia News)とあり、時価総額についても「モバゲー「任天堂とソニーは終わった会社。老害化してるしそろそろ消えろ、これからは私たちの時代」」(はちま起稿)に画像形式で転載されていたので孫転載してみる。
時価総額はその時期での”勢い”なので、絶対的な企業価値を示しているとは言えないけれど、それにしても2010年8月の段階でソーシャルゲームを扱う南場社長のDeNAは日本有数のテレビゲーム会社であるスクウェア・エニックスやバンダイ・ナムコゲームス(ちなみにどちらも消極的な理由で合併した…)の時価総額をはるかに超えた1.5倍以上の3625億円。
またソーシャルゲームをプレイするためのコンソール、日本の携帯電話の普及台数はこの初出不明の図に従えば、9500万台。日本で今一番普及しているニンテンドーDSシリーズで3000万台しかない(それでも携帯の3分の1って凄い!)。PSPシリーズは1500万台。前述の通り、Wiiは1000万台、PS3は600万台。併せても6100万台しかない。しかも携帯は回線が生きておりアクティブ。一方ゲーム機は押入れに入っているものや廃棄されたものも含まれている。なので実際は数字以上の差がある。
○ソーシャルゲームとは何か
でもソーシャルゲームっていったい何なのか。最近ではカプコンの稲船さんもエキサイトと研究を進めているというソーシャルゲーム。一度、以下のサイト参考に定義付けしてみる。
―第479回:ソーシャルゲーム とは(ケータイWatch)
ソーシャルゲームとは
――――――――――――――――――――――――――――――――
・ソーシャルネットワークを基本とし
・ソーシャルネットワークの友達と一緒に遊べる
・基本料無料のゲームで
・アイテムなど一部有料課金で利益をだすゲーム
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であると簡単に定義できる。でも現在日本で中心となっているソーシャルゲームとして詳細に定義すると、
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・ソーシャルネットワークを基本とし
・ソーシャルネットワークの友達と一緒に遊べる
・基本料無料のゲームで
・アイテムなど一部有料課金で利益をだす
・携帯電話用のゲーム
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と定義できると思う。だって、日本におけるソーシャルゲームの走りであるはずのmixiが今やDeNAやGREEの後塵を喫しているのは、携帯特化ではないからなんじゃないかと思うから。
ソーシャルゲームの多くは「基本料無料で、アイテム課金などで利益を出す」ということで利益を出しているということ。どこかで見たことのある収益構造だと思ったら、これはMMOなどネットゲームで基本となっている無料収益モデルなんだなぁと。ネットゲームをソーシャルネットワークに持ち込んで、お金をつぎ込みやすい、つぎ込まなければいけなくしたのが日本の携帯ソーシャルゲームであると言える。
○ゲーマーがソーシャルゲームを嫌うわけ
ここまで見ると、今の世代のテレビゲームをプレイしているユーザーには「ソーシャルネットワークを基本とし」、「ソーシャルネットワークの友達と一緒に遊べる」という点は理解できるんじゃないだろうかと思える。だってXbox Live Arcadeもプレイステーションネットワークにしても、個別ページはないものの、仲間内で一緒に同じゲームをプレイしたり出来る。テレビゲームもソーシャルな要素が重要になっているということは携帯ベースのソーシャルゲームと同じ。
ゲーム内だけで課金が完結せず、ダウンロードコンテンツやレベルやお金を売るなど、テレビゲームもソーシャルゲームと変わらないビジネスモデルを取り入れてるし、基本料金無料でアイテム課金で利益をあげようというゲームもまだわずかだけど現れ始めている。なので、「基本料無料のゲームで」、「アイテムなど一部有料課金で利益をだす」という要素も必ずしも理由にならない、でもまだ一部なのでこの2点にはゲーマーが嫌う理由が無いことも無さそう。
ただゲーマーが今のソーシャルゲームを嫌う一番の理由はそのプログラムにあると思っちゃいます。
またさっきの場所から画像引用。そう、これまでの携帯のゲームやiphoneアプリなどがjavaやC言語の拡張版などであるのに対して、ソーシャルゲームのほぼすべてがhtmlとflashで作られている点です。要するにブラウザーゲームと同じようなもの。それが何を意味するかといえばチープなゲームしか出来ないということです。ぶっちゃけゲーム好きは無料でもこんなゲームをしたくないんじゃないだろうか。※ここら辺は全部推測というか妄想ですが、携帯ソーシャルゲームはウンコレベルなのは間違い無いです!
<参考動画>
―「怪盗ロワイヤル」(Youtube)
…………
ただDeNAをはじめとして、ソーシャルゲームが高度なプログラムではなくhtmlとflash(それもFlash lite 1,1…)を使うのは、幅広いユーザーを手に入れるための戦略でしかなく、こういうウンコみたいなゲームで稼いだお金でDeNAはiphoneアプリメーカーを買収しています。(関連)ある種正当な「枯れた技術の水平思考」というファミコンの祖、横井軍平さんの思想を引き継いでいると言えなくも無い。あんまり言いたくないですが。
なので、ゲーマーに受けるソーシャルゲームが出るのは携帯環境の平均が向上すれば良いので、もしかすると時間の問題かもしれません。時間の問題かもしれませんが、やはり引っかかるものがあるのはぼくみたいな腐れゲーマーが保守的なのかもしれません。一般人は喜んでソーシャルゲームを楽しんでいるわけですから。
○結論
ソーシャルゲームが現在のゲーム業界のトレンドですが、その兆候は今に始まったことではないはずです。その証拠にWiiにはMii、Xbox360にはフレンドやアバター、PS3にもフレンドやPSHomeなどソーシャルがあります。特にPSHomeは携帯ソーシャルなどと近く、ゲーム内ゲームやアイテム課金なども実装されています。Xbox360にも自分のアバターをキャラとして遊ぶアバターゲームやアイテム課金が既にあります。あとfacebookやtwitterと連携したり。
携帯ゲーム機でソーシャルが全面化するのも時間の問題のようです。ニンテンドー3DSやPSP2、PSPフォンなど次世代の携帯ゲーム機には3Gなど通信端末内臓の噂が耐えませんでした。課金がよりスムーズに、強固に出来るようになれば、ソーシャルゲームが家庭用ゲームでも増えるかもしれません。Wiiや360、PS3のソーシャルはユーザーに受け入れられているようなので、携帯ソーシャルゲームの問題点はやっぱり、ゲーム自体の出来にあるのかなぁって思います。
―【底流】ゲーム界“下克上” 交流型が勃興、王者・任天堂ピンチ!? (1/3ページ)(フジサンケイビジネスアイ)
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「任天堂やソニーは、人間でいうと還暦を過ぎている。日本で過去30年間に生まれた企業が、世界のリーダーに上り詰めたケースはまだないが、その歴史を変えていく」
(上記記事より一部引用)
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CEDECの基調講演で南場社長が発したこの発言がネットのテレビゲームを扱う界隈で物議や反発を呼んでいた。そりゃ、ゲームが、昔ながらのテレビゲームが好きな人間からすると、「そんな糞みたいなものをゲームって何抜かしてんの?」と反発を覚えるし、違和感を覚える。
○日本のテレビゲーム
でも稼いだモンがちだし、ある方向から見れば、ぼくたちの好きなテレビゲームは1本7000円とかするし、ボタンがいっぱいで操作方法は難しいし、3Dって難しそうだし、テレビの前に座ってやるのはありえないと思っているのかもしれない。そもそも日本のテレビゲーム市場は横ばい。
<参照>
―市場動向-個人投資家の皆様へ(カプコンIR情報)
期待されていたプレイステーション3は立ち上げに失敗してしまい復調しているとはいえ国内では600万台ほどしか普及を見せていない。プレイステーション2を追い抜こうとしているWiiは国内で1000万台普及したけど、売れるのは任天堂のソフトだけ。ドル箱のはずのニンテンドーDSは粗製ソフトの乱発(知育系、ミニゲーム集)とマジコンによって壊滅状態。任天堂タイトルばかりしか売れない。PSPは『モンスターハンター』を除くと、それなりでPS2みたいな勢いは無い。
○日本のソーシャルゲーム
一方、南場智子社長のDeNA(モバゲー)は「ディー・エヌ・エー(DeNA)が7月30日に発表した2010年4~6月期連結決算は、売上高が前年同期比2.7倍の241億円、営業利益が同3.8倍の119億円と急成長をとげた。」(ITmedia News)とあり、時価総額についても「モバゲー「任天堂とソニーは終わった会社。老害化してるしそろそろ消えろ、これからは私たちの時代」」(はちま起稿)に画像形式で転載されていたので孫転載してみる。
時価総額はその時期での”勢い”なので、絶対的な企業価値を示しているとは言えないけれど、それにしても2010年8月の段階でソーシャルゲームを扱う南場社長のDeNAは日本有数のテレビゲーム会社であるスクウェア・エニックスやバンダイ・ナムコゲームス(ちなみにどちらも消極的な理由で合併した…)の時価総額をはるかに超えた1.5倍以上の3625億円。
またソーシャルゲームをプレイするためのコンソール、日本の携帯電話の普及台数はこの初出不明の図に従えば、9500万台。日本で今一番普及しているニンテンドーDSシリーズで3000万台しかない(それでも携帯の3分の1って凄い!)。PSPシリーズは1500万台。前述の通り、Wiiは1000万台、PS3は600万台。併せても6100万台しかない。しかも携帯は回線が生きておりアクティブ。一方ゲーム機は押入れに入っているものや廃棄されたものも含まれている。なので実際は数字以上の差がある。
○ソーシャルゲームとは何か
でもソーシャルゲームっていったい何なのか。最近ではカプコンの稲船さんもエキサイトと研究を進めているというソーシャルゲーム。一度、以下のサイト参考に定義付けしてみる。
―第479回:ソーシャルゲーム とは(ケータイWatch)
ソーシャルゲームとは
――――――――――――――――――――――――――――――――
・ソーシャルネットワークを基本とし
・ソーシャルネットワークの友達と一緒に遊べる
・基本料無料のゲームで
・アイテムなど一部有料課金で利益をだすゲーム
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であると簡単に定義できる。でも現在日本で中心となっているソーシャルゲームとして詳細に定義すると、
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・ソーシャルネットワークを基本とし
・ソーシャルネットワークの友達と一緒に遊べる
・基本料無料のゲームで
・アイテムなど一部有料課金で利益をだす
・携帯電話用のゲーム
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と定義できると思う。だって、日本におけるソーシャルゲームの走りであるはずのmixiが今やDeNAやGREEの後塵を喫しているのは、携帯特化ではないからなんじゃないかと思うから。
ソーシャルゲームの多くは「基本料無料で、アイテム課金などで利益を出す」ということで利益を出しているということ。どこかで見たことのある収益構造だと思ったら、これはMMOなどネットゲームで基本となっている無料収益モデルなんだなぁと。ネットゲームをソーシャルネットワークに持ち込んで、お金をつぎ込みやすい、つぎ込まなければいけなくしたのが日本の携帯ソーシャルゲームであると言える。
○ゲーマーがソーシャルゲームを嫌うわけ
ここまで見ると、今の世代のテレビゲームをプレイしているユーザーには「ソーシャルネットワークを基本とし」、「ソーシャルネットワークの友達と一緒に遊べる」という点は理解できるんじゃないだろうかと思える。だってXbox Live Arcadeもプレイステーションネットワークにしても、個別ページはないものの、仲間内で一緒に同じゲームをプレイしたり出来る。テレビゲームもソーシャルな要素が重要になっているということは携帯ベースのソーシャルゲームと同じ。
ゲーム内だけで課金が完結せず、ダウンロードコンテンツやレベルやお金を売るなど、テレビゲームもソーシャルゲームと変わらないビジネスモデルを取り入れてるし、基本料金無料でアイテム課金で利益をあげようというゲームもまだわずかだけど現れ始めている。なので、「基本料無料のゲームで」、「アイテムなど一部有料課金で利益をだす」という要素も必ずしも理由にならない、でもまだ一部なのでこの2点にはゲーマーが嫌う理由が無いことも無さそう。
ただゲーマーが今のソーシャルゲームを嫌う一番の理由はそのプログラムにあると思っちゃいます。
またさっきの場所から画像引用。そう、これまでの携帯のゲームやiphoneアプリなどがjavaやC言語の拡張版などであるのに対して、ソーシャルゲームのほぼすべてがhtmlとflashで作られている点です。要するにブラウザーゲームと同じようなもの。それが何を意味するかといえばチープなゲームしか出来ないということです。ぶっちゃけゲーム好きは無料でもこんなゲームをしたくないんじゃないだろうか。※ここら辺は全部推測というか妄想ですが、携帯ソーシャルゲームはウンコレベルなのは間違い無いです!
<参考動画>
―「怪盗ロワイヤル」(Youtube)
…………
ただDeNAをはじめとして、ソーシャルゲームが高度なプログラムではなくhtmlとflash(それもFlash lite 1,1…)を使うのは、幅広いユーザーを手に入れるための戦略でしかなく、こういうウンコみたいなゲームで稼いだお金でDeNAはiphoneアプリメーカーを買収しています。(関連)ある種正当な「枯れた技術の水平思考」というファミコンの祖、横井軍平さんの思想を引き継いでいると言えなくも無い。あんまり言いたくないですが。
なので、ゲーマーに受けるソーシャルゲームが出るのは携帯環境の平均が向上すれば良いので、もしかすると時間の問題かもしれません。時間の問題かもしれませんが、やはり引っかかるものがあるのはぼくみたいな腐れゲーマーが保守的なのかもしれません。一般人は喜んでソーシャルゲームを楽しんでいるわけですから。
○結論
ソーシャルゲームが現在のゲーム業界のトレンドですが、その兆候は今に始まったことではないはずです。その証拠にWiiにはMii、Xbox360にはフレンドやアバター、PS3にもフレンドやPSHomeなどソーシャルがあります。特にPSHomeは携帯ソーシャルなどと近く、ゲーム内ゲームやアイテム課金なども実装されています。Xbox360にも自分のアバターをキャラとして遊ぶアバターゲームやアイテム課金が既にあります。あとfacebookやtwitterと連携したり。
携帯ゲーム機でソーシャルが全面化するのも時間の問題のようです。ニンテンドー3DSやPSP2、PSPフォンなど次世代の携帯ゲーム機には3Gなど通信端末内臓の噂が耐えませんでした。課金がよりスムーズに、強固に出来るようになれば、ソーシャルゲームが家庭用ゲームでも増えるかもしれません。Wiiや360、PS3のソーシャルはユーザーに受け入れられているようなので、携帯ソーシャルゲームの問題点はやっぱり、ゲーム自体の出来にあるのかなぁって思います。