12月に入った、こんな温かな日もある。
陽ざしは優しく、子供達の声が聞こえる。
木枯らしが嫌いなのはその風の冷たさだけではない。
外で駆け回る子供たちの声が聞けなくなるからだ。
子供は未来、生きる力をもらえる。
「家族の幸せ」経済学 データー分析で分かった結婚出産子育ての真実
山口慎太郎 光文社新書 を読んで。(サントリー学芸賞受賞)
まず驚かされたのが、1950年、戦後間もないこの年の50歳未満の未婚率が、
1,5%という数字です。現在では、男性の5人に1人、女性は10人に1人が
未婚と言われている。非婚化、晩婚化が進んでいる背景も分析している。
「経済学」とタイトルにあるので、結婚の経済的メリットにも触れている。海外のデーターも沢山示され、結婚のメリット、デメリットも詳しく示されます。
一番興味深かったのが、育休を含めた、赤ちゃんの経済学の項でした。
育児給付金ゼロのアメリカにはびっくりですが、大手のIT企業では、優れた従業員をつなぎとめるため、独自の育休制度を取り入れているという。
日本は、育休制度の充実度は、世界の中のちょうど真ん中あたりと、本書の中では示されています。それが何を意味するのか?
そう、日本ですから、日本人ですからデーターの分母「日本」で知りたいですよね。でも、日本人は、国勢調査を代表とする個々のデーター、示すのを嫌がる国民性だそうで、これには私も反省しました。
そんなこんなで読むうちに「育休パパの勇気は伝染する」とか(データーによると、所得はわずかに下がると)お父さんが育休を取った場合、子供が16歳になった時の偏差値が1上がったとか…、生後1年の親子の触れ合いが、その後の親子関係に大きな影響をもたらす事例が、数々示される。
お父さんは大変だ!もちろんお母さんも。お互いの家族の歩み寄りの連続が
「家族の幸せ」につながる、当たり前の読後感想になったしまいました。