7時に無事に入場し最前列を確保し、やっとまわりを見回す余裕ができました。
振り返ると、どんどん人が入ってきている・・・。
ここはイギリス、ロンドン、ハマ―スミス、イヴェンティムアポロ、私はそこの1番前…と改めて脳内GPSで自分を特定し…震えんばかりの気持ち。
そんな中、隣のJohnの職場が私の元カレの実家の近くと判明し、その辺りの地理の話をしたり、何をしているんだか…モリッシー観る直前に、元カレの実家のそばのシネコンの話とかすることになるとは思いませんでした(治安が悪くなり過ぎて、元カレはとっくに移住済w)。
おなじみのプレショー・ミュージックは以下の通り。わからないのもあったので、Morrissey-solo wiki掲載 のものを参考にさせていただき、貼っておきます。
2023 Pre-show audio
No No No - Generation X
Bodies - Sex Pistols
Sign 'O' the Times - Prince
So Little Time - Diana Dors
I Am What I Am - Greyhound
Karma Man - David Bowie
Cigarettes - X-ray Spex
Love Und Romance - The Slits
Truck On (Tyke) - T. Rex
Stoned Love - The Supremes
プリンスがかかった時は、以前プリンスファンの二重作さんとモリッシーとプリンスに関して対談したことを思い出したり、スリッツがかかった時は、その前日に会ったMichiyoさんはスリッツのヴィヴ・アルバーティン自伝『服、服、服、音楽、音楽、音楽、ボーイズ、ボーイズ、ボーイズ』のことを思い出しました。Michiyoさんもモリッシー公演を観に来るとおっしゃっていたので…後から聞くと、ちょうどこれがかかった時、入場していたそうです。いろいろのいろいろが走馬灯のように頭の中をめぐり…死ぬの?死ぬの??…
そして8時より30分間、お馴染みのプレショー・ビデオが始まり、ほっ。あと少しです。始まるまでは死ねない。ラインナップは以下の通り。中でもThe PigletsのJohnny Reggaeがかわいくってちょっとリラックスできました。
2023 Pre-show videos
Because - Divinyls
Give Him a Great Big Kiss - The Shangri-Las
The Ballad of Bonnie And Clyde - Georgie Fame
Twenty Flight Rock - Vince Taylor
If I Were A Carpenter - Four Tops
Billy You're My Friend - Gene Pitney
Pietà Per Chi Ti Ama - Massimo Ranieri
Somethin' Else - Eddie Cochran
Murder She Said (1961 - train scene clip) - Margaret Rutherford ←クリスティの『パディントン発4時50分』の列車シーン
Double Barrel - Dave & Ansel Collins
Search And Destroy - Iggy & The Stooges
Wanting To Die (poem) - Anne Sexton
Ol' Man River - Judy Garland
Johnny Reggae - The Piglets
Looking For A Kiss - New York Dolls
God Save The Queen - Sex Pistols
Lypsinka Has A Glamour Fit - Lypsinka
そしておなじみのLypsinkaがアーーーーーーウト!!!と叫ぶと、ボールドウィンが出てきて…
で、
で、
で、
でてきたーーーーーー!!!!
(もう、全部撮影クオリティ悪いです。いつもは写真得意なのに、ほんっとにほぼダメ)
噂のベルボ…じゃなかったブーツカットボトムはいてる(涙)。。。ほんとにいる。。。
モリッシーがいる!!
モリッシーは、右と左に一度ずつ一礼をし、空を仰ぎ、“Happy Mozzer's Day” と叫び(イギリスはこの日がMother'sDay)、“Our Frank”から始めました。
Our Frankは去年の7月から、いきなり1991年以来31年ぶりにライブでやり出したので、私が前回聴いたのは1991年9月2日の日本武道館です。よく覚えてないけど、それより絶対良すぎでした。“Give us a drink”では、一緒に叫びながら、すでにもう泣いちゃった。Won't somebody stop me/From thinking all the time/About everything/So deeply/So bleaklyのくだりは野太くて、声張ってて、もちろんレコードで聴くより大迫力で、1曲目からもう衝撃的でした。Youtubeで見つけたので貼らせてもらいます。
ちょっと書いてて、「思い出し動悸」が激しくなり、続行不可能になる前に先にセットリスト。
Our Frank
Alma Matters
Stop Me If You Think You've Heard This One Before
Irish Blood, English Heart
I Wish You Lonely
Jim Jim Falls
I'm Throwing My Arms Around Paris
Sure Enough, the Telephone Rings
Istanbul
Girlfriend in a Coma
Everyday Is Like Sunday
Knockabout World
The Loop
The Night Pop Dropped
Without Music the World Dies
Half a Person
Trouble Loves Me
Suedehead
Jack the Ripper
アンコール Sweet and Tender Hooligan
スミス曲は、最近6曲とかやるライブもありましたが、今回は4曲。個人的にはこの3月からのツアーで初披露の新曲Without Music the World Dies とThe Night Pop Droppedの2曲を聴けたことと、2016年に日本公演で聴いてしびれたIstanbul がセットリストに今年2017年以来復活して聴けたことが感激でした。ていうか、基本的に全部感激なんだけど。今まで聴いたどのモリッシーより、観たどのモリッシーより、ものすごい迫力で、パフォーマンスはマスカラさばき含めてキレッキレで、生命力と気力にあふれていました。
2曲目のAlma Mattersを始める前にモリッシーは
Here!
Now!
That'sall!
と言いました。これだ!!モリッシーのこれを聞きたかったし、モリッシーのこれを見たくてここに自分はいるんだと思いました。
ここ!
今!
それだけ!
ほんとにそう。なんでこんなにずっと好きなんだろう。なんでここまで来たんだろう。そんなこと関係ない。生きているといろんな因果関係やこれまでのこと、これからのこと、いろんな不安にさいなまれるんだけど、モリッシーを、ここで、今、見ていることで100%。なんかもうよくわかんないけど、自分が人生に「カチャっ」とハマった気がした瞬間でした。この「カチャっ」は、普通に生きていてなかなか得られない、本当に幸せな感覚でした。
この時のモリッシーも、Youtubeで見つけました。貼っておきます。
Alma Mattersの歌詞は大好きなんですけど、この時ほど五臓六腑まで沁みたことはありませんでした。
So, the choice I have made
May seem strange to you
But who asked you, anyway?
It's my life to wreck
My own way
私が選択してきたものは、あなたは不思議に思うかもしれない。でもこれは自分の人生だから、台無しにするにしても自分なりのやり方でそうするからほっといて、、、って自分も言いたいことをモリッシーが代弁してくれている。人から見て「台無し」くらいすごい自分なりの生き方の全うを標ぼうしている人が、目の前で凄い声でこれを歌うんだから、私も負けてはいられないと思いました。勝てる気がまったくしないけどwww
で!!!なんと!!!
You see to someone, somewhere, oh yeah
と言いながら、こっちを指さしたんですよ(泣)。
©John K
それでこっちに来たんです。お腹があざだらけになるくらい柵の上に半身を預けて伸びあがったけど遠くて手は届かず、隣のJohnは爪と爪で触れることができました。その後も2,3度爪と爪タッチチャンスは来たのですが届かず(泣)、でも一度モリッシーがこっちに向かって「オーケー」と言ったので、もうすべて「オーケー」な気がして満たされました。
偶然、やっぱり後ろからDickieが撮ってくれていた、手を伸ばす私。自分じゃなきゃ絶対わかんないけどwww同じ1枚にモリッシーと写っている貴重な画像なので、宝にします。
©Dickie Felton
あと、モリッシーの歌に1曲1曲、何か言い出したらキリがないんで、思いついたらまた書くつもりです。
忘れられないモリッシーからのメッセージとしては
If you are lucky enough to have a mother, please look after her because she will go just like that.
If you are lucky enough to have animals, please look after them because all they want to do is love you.
Democracy, free speech is coming back to this country, and if anybody tells you to sit down, you tell them to shut up.
(もし幸運にもお母さんがいたら、大切にしてあげてください。彼女は突然いなくなってしまうから。
もし幸運にも動物を飼っているなら、世話をしてあげてください。動物たちはあなたを愛することだけを望んでいるから。
民主主義、言論の自由がこの国に戻ってきている。もし誰かが座れと言ったら、黙れと言うといい)
MCも精力的に、でも多すぎず、私たちに伝えたい的確な言葉を言っていました。メディアに捻じ曲げられない、ストレートで本当の自分の言葉を大切にしているのだと思いました。モリッシーは、前からそうは思っていたけど、さらにまっとうでかっこよくて、とにかくモリッシーでした。モリシみが鬼増しでした。自分であること、自分にしがみついて生き抜くことの大切さをまたひとつ学ばせてもらったと思います。
そうそう、新曲のThe Night Pop Droppedにはこんなくだりがあります。
He said the best thing you can do is be yourself
The best thing you can do is just be yourself
The best thing you can do is be yourself
The best thing you can do is just be yourself
またYoutubeにあがっていたものを貼らさせてもらいます。曲調はとてもファンキーでキャッチ―です。
Morrissey The night pop dropped Live at Hammersmith Apollo London 19 march 2023 @morrisseyofficial
”just be myself”って、本当に難しいです。自分自身が何なのか見失いがちだし、偽る方が楽なこともあるからです。でも、どんな時も自分自身でいるモリッシーの今の姿を見て、勇気はわいたし、6000マイルのかなたまで3日間、来てよかったと思いました。
モリッシーは本当、ファンの愛も本当、ここには「本当」のことしかないから、その過程は激しくて強烈だったけど、こんなに清々しい「本当」の一部になれて、心から幸せでした。これからも一生自分の「本当」を追っていきたいと思えたライブでした。2023年のモリッシーを観れて、良かったです。
最後に、Twitterにあがっていた、アンコールのSweet and Tender Hooliganで、このライブの「本当」が1枚に凝縮して表された美しい写真をお借りして、貼っておきます。
©Lee M