4月13日付の「TIME」誌によると、金正日総書記の健康状態は、思った以上に良くないが、万一、彼が明日死んでも、北朝鮮の体制にさほどの変化はない、というのが多くの専門家の見方だそうだ。
残念なお知らせである(笑)。
金正日後、後継者としては、三男の金正雲(26)が有力視されているが、後継が誰であれ、先日、国防委員に選出された、義弟の張成沢(63)が、事実上の最高指導者(the de facto leader)になる可能性が高いという。
張成沢という人物は、金正日の妹の夫で、秘密警察のトップを務めるなど、経歴からみて、ガチガチの強硬派らしい。
また、カリスマ性があり、北朝鮮のエリート層に人気が高く、あまりの人気者ぶりに、金正日が嫉妬して、一時期、干されていたほどだそうだ。
一方、金正雲は、激情タイプの人間で、息子の中でも、その性格が、一番、金正日に似ていると言われている。
従って、金正日後も、北朝鮮の姿勢が変化する可能性は低く、また、政権が崩壊して政治体制が大きく変わることも、期待薄らしい。
北朝鮮の「Durability」すなわち「しぶとさ」を、過小評価してはいけない、というのが専門家からのアドバスである。
返す返すも、残念なお知らせだ(笑)。
しかし、金正日流を頑固に変えないと、むしろそれが原因となって、やがて北朝鮮が崩壊する可能性は十分にあると思う。
軍の高官や党の幹部が、金正日に忠誠を示してきたのは、何と言っても、建国の父である金日成の息子という点が大きいはずである。
さすがに孫の代まできては、余程の「うまみ」がなければ、忠誠を維持するのは難しいだろう。
忠誠心を留めておくためには、今以上にお金が必要だが、金正日政権下で国際的孤立が進み、国際社会の警戒感を高めてしまったために、外国からの援助物資の横流し、あるいは、麻薬・偽札などの違法ビジネスで、上層部の懐を潤すことが、出来なくなりつつある。
打開策の一つは、レアメタルなどの資源を、もっと輸出することである。そのためには、鉱山開発に投資して、発電所の建設、道路の整備、鉄道や港湾の強化を図る必要がある。
また、農地の開発や農業の機械化を進めて、農業生産力を上げるのも、効果的である。なにより税収がアップするし、飢えの心配が無くなって生活が安定すれば、内需拡大につながる。
そして、こうやって得た金を、上層部にばらまけばいい。
もし、次の指導者が、そのことに気づいて、核やミサイルの開発に使っている予算を、一部でも、これらの民生部門に回す決断を下せば、金正日後も、政権の求心力は維持できるだろう。
しかし、見通しは、悲観的だ。
反革命分子やスパイの摘発に血眼になってきた強硬派と、金正日のそっくりさんである。
「先軍政治」を緩和したり、「瀬戸際外交」を放棄して、国内経済の復興に取り組む要素は、微塵も見当たらない。
つまり、金正日後、金正日流を堅持すればするほど、政権は不安定になり、北朝鮮は混乱するが、それでも政策は変えられない。
やめられない、とまらない。
こうなると、Durability 「しぶとさ」というより、Addiction「先軍・瀬戸際中毒」である。
その先に待っているのは、国家の崩壊しかない。
どこの国でもそうだが、同じことをずっと続けていくためには、どこかで、何か違うことを始めなければならない。
いまの中国が、その一例である。
そして、総選挙を控えた日本にも、それが求められている。
残念なお知らせである(笑)。
金正日後、後継者としては、三男の金正雲(26)が有力視されているが、後継が誰であれ、先日、国防委員に選出された、義弟の張成沢(63)が、事実上の最高指導者(the de facto leader)になる可能性が高いという。
張成沢という人物は、金正日の妹の夫で、秘密警察のトップを務めるなど、経歴からみて、ガチガチの強硬派らしい。
また、カリスマ性があり、北朝鮮のエリート層に人気が高く、あまりの人気者ぶりに、金正日が嫉妬して、一時期、干されていたほどだそうだ。
一方、金正雲は、激情タイプの人間で、息子の中でも、その性格が、一番、金正日に似ていると言われている。
従って、金正日後も、北朝鮮の姿勢が変化する可能性は低く、また、政権が崩壊して政治体制が大きく変わることも、期待薄らしい。
北朝鮮の「Durability」すなわち「しぶとさ」を、過小評価してはいけない、というのが専門家からのアドバスである。
返す返すも、残念なお知らせだ(笑)。
しかし、金正日流を頑固に変えないと、むしろそれが原因となって、やがて北朝鮮が崩壊する可能性は十分にあると思う。
軍の高官や党の幹部が、金正日に忠誠を示してきたのは、何と言っても、建国の父である金日成の息子という点が大きいはずである。
さすがに孫の代まできては、余程の「うまみ」がなければ、忠誠を維持するのは難しいだろう。
忠誠心を留めておくためには、今以上にお金が必要だが、金正日政権下で国際的孤立が進み、国際社会の警戒感を高めてしまったために、外国からの援助物資の横流し、あるいは、麻薬・偽札などの違法ビジネスで、上層部の懐を潤すことが、出来なくなりつつある。
打開策の一つは、レアメタルなどの資源を、もっと輸出することである。そのためには、鉱山開発に投資して、発電所の建設、道路の整備、鉄道や港湾の強化を図る必要がある。
また、農地の開発や農業の機械化を進めて、農業生産力を上げるのも、効果的である。なにより税収がアップするし、飢えの心配が無くなって生活が安定すれば、内需拡大につながる。
そして、こうやって得た金を、上層部にばらまけばいい。
もし、次の指導者が、そのことに気づいて、核やミサイルの開発に使っている予算を、一部でも、これらの民生部門に回す決断を下せば、金正日後も、政権の求心力は維持できるだろう。
しかし、見通しは、悲観的だ。
反革命分子やスパイの摘発に血眼になってきた強硬派と、金正日のそっくりさんである。
「先軍政治」を緩和したり、「瀬戸際外交」を放棄して、国内経済の復興に取り組む要素は、微塵も見当たらない。
つまり、金正日後、金正日流を堅持すればするほど、政権は不安定になり、北朝鮮は混乱するが、それでも政策は変えられない。
やめられない、とまらない。
こうなると、Durability 「しぶとさ」というより、Addiction「先軍・瀬戸際中毒」である。
その先に待っているのは、国家の崩壊しかない。
どこの国でもそうだが、同じことをずっと続けていくためには、どこかで、何か違うことを始めなければならない。
いまの中国が、その一例である。
そして、総選挙を控えた日本にも、それが求められている。