goo blog サービス終了のお知らせ 

ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

さすがに「騒ぎすぎ」だと思う(笑) ~ 北朝鮮の脅威

2009-04-15 12:06:46 | 政治
ロケット発射を非難する安保理議長声明に対して、北朝鮮は、「6者協議からの脱退」「核抑止力の強化」そして「宇宙利用の権利行使」を表明した。

全面的な対決姿勢である。

このニュースが伝わると、日本は、アメリカに頼らず、自国を守れるように、本格的に防衛力の強化に乗り出すべきだとの意見が、噴出し始めている。

そして、「ミサイル防衛」どころか、「北朝鮮の基地を攻撃可能なミサイルの保有」「先制攻撃」「憲法改正」、果ては、「核武装」「もう宣戦布告してしまえ」という声まで、聞こえてくる。

まるで、今日明日にでも、北朝鮮のミサイルが飛んできそうな勢いである。

しかし、朝鮮半島の情勢を見れば、これらは過剰反応と言わざるを得ない。

北朝鮮が軍事的関心を寄せているのは、一に韓国、二に韓国、三四がなくて、五に韓国である(笑)。

つまり、軍事行動を取るとすれば、朝鮮半島統一のため、戦争する相手はあくまで韓国であって、日本のことなど、そもそも眼中にない。

実際、韓国を射程圏内に収めるスカッドミサイルが、600基近く実戦配備されているとの推測もある。

いやいや、日本に向けても、ノドンミサイルが、200基も配備されているではないか。日本にだって、いつミサイルが飛んでくるか分からないぞ。

そう思うのは、確かにもっともである。

しかし、ノドンミサイルのほとんどは、北朝鮮が韓国と全面戦争に入ったとき、後方支援を断つために、日本国内の米軍基地や米軍艦の寄港地を攻撃する為のものと思われる。

そして、全面戦争の可能性は、今のところ、非常に低い。

北朝鮮の通常兵器は、米韓軍に比べると、数はあるものの、性能では圧倒的に劣っている。おまけに、経済的にもそれだけの戦争を遂行する力はない。

2002年に起きた、黄海での砲撃戦のように、小規模な戦闘はあるものの、38度線を越えて、ソウルに進軍してくる心配は、現在では、ほとんどない。

一方、韓国側が、北朝鮮に侵攻する可能性もない。韓国にとって、何の得にもならないからだ。

朝鮮半島有事の危険性が低い今、日本にミサイルが飛んでくる可能性は限りなくゼロに等しい。

いやいや、それでも、将軍様が暴発して、戦争を吹っ掛けることもあるんじゃないか、そう思うひともいるだろう。

大丈夫、その心配も少ない(笑)。

アメリカの巡航ミサイル・トマホークは、数千発がすぐにでも発射可能で、北朝鮮国内の軍事拠点を攻撃出来ると言われている。

もし、北朝鮮が軍事行動を起こせば、ほぼ同時に、何千発ものトマホークで攻撃され、ステルスなどの最新鋭戦闘機も、空爆を開始するだろう。

その攻撃拠点の中には、金正日総書記やその側近たちの滞在場所も、多数含まれているはずである。

彼らにとっては、今日明日どころか、一時間後に命を失う危険すらある。

そんな中、今の贅沢な暮らしを捨ててまで、全面戦争に踏み切ったり、ミサイル発射の指令を出したり、ましてや、核のボタンを押すだろうか?

韓国や日本に大きな損害を与えても、自分たちが死んでしまったのでは、元も子もない。おまけに、最後には、所詮、負けてしまう戦争である。

始めるだけ、無駄というものだ。

従って、アメリカや韓国、さらには日本が、北朝鮮を大規模に攻撃しない限り、向こうからミサイルを撃ってくることは、まず考えられない。


今回、北朝鮮の発射したロケットが、日本の上空を通過したのは、間違いなく、けしからんことだ。

もし、ロケットの一部あるいは全部が、日本領内に落下して、被害が発生したらどうしてくれるんだ!と怒るのは当然である。

しかし、だからといって、北朝鮮が、今日明日にでも、日本の都市に、ミサイルを撃ち込むのではないかと心配して、先制攻撃や核武装を言い出すのは、過剰反応というものである。

金正日政権にとって一番大事なのは、何と言っても、現体制の維持、すなわち、自分も含めた北朝鮮高官たちの命と生活である。

そういう連中が発する、空威張りの恫喝に、いちいち反応する必要はない。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする