「簡単に検察を動かせるなら私どもの元首相が逮捕されるなんてことはなかった。(検察批判は)常識を欠いたむちゃくちゃな発言だ」(MSN産経ニュース2009.3.6 00:07)
町村元官房長官の言葉であるが、町村氏は、小沢代表の秘書逮捕について、何が問題なのかを理解していないようだ。
人気のある野党党首に対して、選挙直前に、捜査のメスを入れることは、現職首相を逮捕するより、はるかに深刻で重大な問題をはらんでいる。
現職首相を逮捕・起訴する行為は、それ自体が検察の独立性を強くアピールしている。
ましてや、今太閤と言われたほど権力基盤の強かった田中角栄氏である。検察の独立性を疑う声は、少なかっただろう。
しかし、次期首相の可能性が高い、野党党首を捜査する場合、検察の独立性が厳しく問われるのは、当然のことである。
実際、独裁政権や長期政権の国で、有力な在野の対立候補に、警察・検察がさまざまな疑惑をかけ、捜査あるいは逮捕するのはよくあることだ。
従って、今回の逮捕において、「小沢氏の違法行為」と同時に、「検察の独立性」が問題にされるのは、むしろ健全な流れである。
新聞報道によると、東京地検は、違法献金が「悪質」かつ「巨額」であったので、小沢氏が捜査対象になったと主張している。
しかし、自民党には、地元への利益誘導と、その見返りとしての企業献金をセットにして、地盤を固め、選挙に勝ち抜いて大物になった議員が何人もいる。
その一人が小沢氏であるが、野に下った小沢氏が突出して「悪質」「巨額」で、与党自民党に残った議員は、みんなクリーンであるなど、誰が信じるだろう?
事実、西松建設からの献金ですら、自民党の大物代議士の名前が、次々に挙がってくる。権力中枢に極めて近い、これらの政治家が、「良質」「少額」を理由に立件されないのであれば、「検察の独立性」を疑われても、やむを得ないだろう。
さらに、時事通信(2009/03/06-00:25)によると、ある政府高官が、今回の違法献金事件の捜査は、自民党の議員にまでは拡大しない、と述べたそうである。
この発言が真実ならば、東京地検特捜部の捜査情報は、政府に流れていることになる。それほど政府と密着した組織が、政府から独立しているわけがない。
野党の議員を追及するなら、与党の議員についても、「良質」だろうが、「少額」だろうが、違法献金疑惑・違法会計処理疑惑があれば、きっちりと捜査して欲しい。
今回の件に限らず、そう考えている国民は、少なくないだろう。
例えば、元農水相の事務所費問題では、どう考えても不自然な会計処理にも関わらず、警察・検察は、ほとんど何のアクションも起こさなかった。
検察は、与党の大物議員や閣僚には甘い。
「検察の独立性」が疑問視される背景には、この国民の不信感がある。
ロッキード事件当時の検察は、現職首相を捜査することで、その不信感を吹き飛ばした。
今の検察は、次期首相の可能性が高い野党党首を捜査することで、不信感をさらに深めている。
当時の検察も今の検察も、同じ正義を目指している?
出来れば、そう信じたいものである(笑)。
町村元官房長官の言葉であるが、町村氏は、小沢代表の秘書逮捕について、何が問題なのかを理解していないようだ。
人気のある野党党首に対して、選挙直前に、捜査のメスを入れることは、現職首相を逮捕するより、はるかに深刻で重大な問題をはらんでいる。
現職首相を逮捕・起訴する行為は、それ自体が検察の独立性を強くアピールしている。
ましてや、今太閤と言われたほど権力基盤の強かった田中角栄氏である。検察の独立性を疑う声は、少なかっただろう。
しかし、次期首相の可能性が高い、野党党首を捜査する場合、検察の独立性が厳しく問われるのは、当然のことである。
実際、独裁政権や長期政権の国で、有力な在野の対立候補に、警察・検察がさまざまな疑惑をかけ、捜査あるいは逮捕するのはよくあることだ。
従って、今回の逮捕において、「小沢氏の違法行為」と同時に、「検察の独立性」が問題にされるのは、むしろ健全な流れである。
新聞報道によると、東京地検は、違法献金が「悪質」かつ「巨額」であったので、小沢氏が捜査対象になったと主張している。
しかし、自民党には、地元への利益誘導と、その見返りとしての企業献金をセットにして、地盤を固め、選挙に勝ち抜いて大物になった議員が何人もいる。
その一人が小沢氏であるが、野に下った小沢氏が突出して「悪質」「巨額」で、与党自民党に残った議員は、みんなクリーンであるなど、誰が信じるだろう?
事実、西松建設からの献金ですら、自民党の大物代議士の名前が、次々に挙がってくる。権力中枢に極めて近い、これらの政治家が、「良質」「少額」を理由に立件されないのであれば、「検察の独立性」を疑われても、やむを得ないだろう。
さらに、時事通信(2009/03/06-00:25)によると、ある政府高官が、今回の違法献金事件の捜査は、自民党の議員にまでは拡大しない、と述べたそうである。
この発言が真実ならば、東京地検特捜部の捜査情報は、政府に流れていることになる。それほど政府と密着した組織が、政府から独立しているわけがない。
野党の議員を追及するなら、与党の議員についても、「良質」だろうが、「少額」だろうが、違法献金疑惑・違法会計処理疑惑があれば、きっちりと捜査して欲しい。
今回の件に限らず、そう考えている国民は、少なくないだろう。
例えば、元農水相の事務所費問題では、どう考えても不自然な会計処理にも関わらず、警察・検察は、ほとんど何のアクションも起こさなかった。
検察は、与党の大物議員や閣僚には甘い。
「検察の独立性」が疑問視される背景には、この国民の不信感がある。
ロッキード事件当時の検察は、現職首相を捜査することで、その不信感を吹き飛ばした。
今の検察は、次期首相の可能性が高い野党党首を捜査することで、不信感をさらに深めている。
当時の検察も今の検察も、同じ正義を目指している?
出来れば、そう信じたいものである(笑)。