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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

問題は原監督の村田観だ

2009-03-12 03:55:10 | Weblog
WBC第1ラウンド最終戦では、日本が韓国に1-0で敗れ、二位通過となった。

敗因として、八回裏の攻撃における、原監督の采配を指摘するひとが少なくない。

イチローが久しぶりのヒットで塁に出た後、当たっている中島に、一死一塁なのに犠牲バントをさせた場面である。その後の青木が凡退したために、結局、無得点に終わった。

走者がイチロー、打者が中島。盗塁、ヒットエンドラン、なんでも仕掛けられた筈だ、という批判である。

確かに、何があっても犠牲バントと決めつけたサインの出し方は、消極的過ぎる采配だったと思う。

しかし、このような采配ミスは、十分に修正が可能である。第1ラウンドの韓国戦、原監督も緊張して、大事に走りすぎたのかも知れない。

むしろ、本当に、これはマズイと感じたのは、4回裏、一死三塁の場面での、村田のバッティングである。

1点を追いかける展開の中、村田がやるべきことは、どんな手を使っても、三塁にいる中島をホームに帰すことだ。

犠牲フライでなくとも、叩き付けてもいい、内野の間を転がしてもいい、セーフティバントを狙ってもいい。極論すれば、スクイズでもいい。

ところが、村田は、ひたすら外野フライを打とうとして、ボールの見極めもせずに、バットを振り回し、相手バッテリーの術中に嵌って、一塁へのファールフライに終わってしまった。

まったく、賢さのないバッティングである。

その原因は、村田という選手に対する、原監督の固定観念にある。

村田は、豪快にホームランを打てばいい。彼の仕事は、フルスイングで、長打を打つことだ。ミートバッティングや流し打ちなどは不必要。バントなどは論外。

そういう選手観だ。

実は、村田は、オーストラリアとの強化試合で、場面に応じた巧いバッティングを見せていた。これは、北京五輪での苦い経験を、彼なりに生かしたのだと思う。

しかし、その後、村田のバッティングは、何が何でもフルスイングというスタイルに戻ってしまった。どうやら、その試合の後、原監督から、もっと思い切って行け、と注意を受けたらしい。

首を傾げたくなる指導である。

これから対戦する相手は、世界最高レベルの投手たちだ。

セリーグのホームラン王といえども、ホームランはもちろん、外野フライも、そんなに簡単には打てない。

従って、村田が、得点機に、ひたすら長打を狙って、何でもかんでも、ぶんぶん振り回していたのでは、チャンスを潰し続けてしまう。

まさに、北京五輪の再現である。

村田には、もっとクレバーなバッティングを心がけて欲しいのだが、原は、それを許さないかもしれない。

ことは、選手観という心のかなり深い部分に関わることなので、WBCという短期決戦の中で、監督がその考え方を修正する可能性は、非常に低い。

韓国戦の敗北が、単なる一敗以上に、重く心にのしかかるのは、村田のファールフライの背後に、原監督の頑迷な選手観が見えるからである。

村田のホームランバッティングが、吉と出るような試合が続くよう、神様に祈るしかない。

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