昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」によると、検察は、西松建設から二階俊博経済産業相へのパーティ券問題については、当面の間、棚上げにして、民主党小沢代表の違法献金問題に専念するそうである。
自民党側への献金についても、捜査を進めて行くとした、当初の報道からすると、検察は大幅にトーンダウンしたことになる。
漆間官房副長官は、記者とのオフレコ会見で、「自民へは波及しない」と言ったそうだが、本人が自分の発言を忘れている一方で、この「漆間ルール」は、確実に現実のものになりつつある。
昨日3月17日、朝日新聞朝刊1面で、小沢氏側から「天の声」があった疑惑が報じられている。
東北の談合組織の中心に鹿島建設がいて、小沢氏側から、受注させたい企業の名前が「天の声」として、伝えられていた疑いがあるそうだ。
不思議な話である。
通常、「天の声」は、発注者側の人間が発するものだ。例えば、胆沢ダムについて言えば、国土交通省地方整備局ということになる。
というのは、談合を成功させるためには、予定価格の漏洩も含めて、発注者側の協力が不可欠である。
ましてや、記事に書いてあるように、長期にわたって、繰り返し談合が行われていたのであれば、間違いなく、談合組織と発注者側は癒着しているはずである。
ところが、胆沢ダムを始めとする国の大型ダム工事に、野党民主党の小沢氏は、職務権限のない状態で、どう関与して、「天の声」を発していたのだろう?
検察は、まず、国土交通省東北地方整備局を捜査して、発注者と小沢氏側との関係を明らかにする必要がある。
しかし、検察が、地方整備局や国土交通省の役人から事情聴取を行ったとは、聞こえてこない。
さらに、二十年以上小沢氏の秘書を務めた高橋嘉信氏は、今回逮捕された公設秘書大久保隆規氏の前任者であり、西松建設からの献金を始め、受注調整にも密接に絡んだと囁かれている。
その「鍵を握る人物」から、検察は、事情聴取を行った形跡がなく、本人も、自分は全くの無実だと主張している。
高橋氏は、次の総選挙で、岩手4区、つまり小沢氏と同じ選挙区から、自民党の公認候補として立つことが内定している。
すなわち、小沢氏の刺客である。
「自民には波及しない」、もちろん「官僚にも波及しない」、ただ「小沢氏と民主党だけをターゲットにする」。
そういうことなのだろうか?
今のところ、検察は、見事に、「漆間ルール」に従って動いている。
だが、一方で、小沢氏には職務権限がないので、「漆間ルール」に従う限り、胆沢ダムをめぐる談合疑惑の全容解明は、不可能である。
与党の政治家や政府の官僚にメスを入れず、野党と建設会社だけをターゲットにする。さすがに、それは無理というものである。
「漆間ルール」を守る限り、小沢氏の捜査が進まない。
まさに、「漆間パラドックス」である。
自民党側への献金についても、捜査を進めて行くとした、当初の報道からすると、検察は大幅にトーンダウンしたことになる。
漆間官房副長官は、記者とのオフレコ会見で、「自民へは波及しない」と言ったそうだが、本人が自分の発言を忘れている一方で、この「漆間ルール」は、確実に現実のものになりつつある。
昨日3月17日、朝日新聞朝刊1面で、小沢氏側から「天の声」があった疑惑が報じられている。
東北の談合組織の中心に鹿島建設がいて、小沢氏側から、受注させたい企業の名前が「天の声」として、伝えられていた疑いがあるそうだ。
不思議な話である。
通常、「天の声」は、発注者側の人間が発するものだ。例えば、胆沢ダムについて言えば、国土交通省地方整備局ということになる。
というのは、談合を成功させるためには、予定価格の漏洩も含めて、発注者側の協力が不可欠である。
ましてや、記事に書いてあるように、長期にわたって、繰り返し談合が行われていたのであれば、間違いなく、談合組織と発注者側は癒着しているはずである。
ところが、胆沢ダムを始めとする国の大型ダム工事に、野党民主党の小沢氏は、職務権限のない状態で、どう関与して、「天の声」を発していたのだろう?
検察は、まず、国土交通省東北地方整備局を捜査して、発注者と小沢氏側との関係を明らかにする必要がある。
しかし、検察が、地方整備局や国土交通省の役人から事情聴取を行ったとは、聞こえてこない。
さらに、二十年以上小沢氏の秘書を務めた高橋嘉信氏は、今回逮捕された公設秘書大久保隆規氏の前任者であり、西松建設からの献金を始め、受注調整にも密接に絡んだと囁かれている。
その「鍵を握る人物」から、検察は、事情聴取を行った形跡がなく、本人も、自分は全くの無実だと主張している。
高橋氏は、次の総選挙で、岩手4区、つまり小沢氏と同じ選挙区から、自民党の公認候補として立つことが内定している。
すなわち、小沢氏の刺客である。
「自民には波及しない」、もちろん「官僚にも波及しない」、ただ「小沢氏と民主党だけをターゲットにする」。
そういうことなのだろうか?
今のところ、検察は、見事に、「漆間ルール」に従って動いている。
だが、一方で、小沢氏には職務権限がないので、「漆間ルール」に従う限り、胆沢ダムをめぐる談合疑惑の全容解明は、不可能である。
与党の政治家や政府の官僚にメスを入れず、野党と建設会社だけをターゲットにする。さすがに、それは無理というものである。
「漆間ルール」を守る限り、小沢氏の捜査が進まない。
まさに、「漆間パラドックス」である。