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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

堀田力氏への反論 ~ 検察は説明せよ

2009-03-21 04:56:35 | 政治
3月20日付、朝日新聞朝刊17面の「私の視点」欄に、元東京地検特捜部検事の堀田力氏が、論文を寄稿されている。

民主党小沢代表の違法献金事件に関して、検察には説明責任がないという主張である。

堀田氏はこう述べている。

政治資金規正法は、

「政治が国民一般のために行われるようにしたいという、国民の長い間の悲願に応える法律」

であり、それを

「迂回献金やダミー団体によってくぐり抜ける行為は悪質というほかない」、

したがって、

「容疑が発生した時は、真実解明のために、万全の捜査を遂げ、法廷の中で容疑の全容を明らかにすることが検察の任務である」。

つまり、選挙の前であれ、形式犯での逮捕であれ、それが必要であれば、検察は躊躇するべきではなく、全容解明を目指せばよい、という意見である。

私も、この主張に賛成である。

そして、むしろ賛成だからこそ、今の検察には説明を求めたい。

なぜ、西松建設からの違法献金事件について、検察は全容解明を目指さないのか。

西松建設からの違法献金を疑われているのは、小沢氏だけではない。自民党の有力政治家の名前が、何人も挙がっている。おまけに、その中には、二階氏のような、現職閣僚も含まれている。

つまり、西松建設は、野党の小沢氏だけでなく、与党自民党の政治家にも、法の目をかいくぐって、お金をばらまいてきた疑惑があるということだ。

政治資金規正法は「国民の長い間の悲願に応える法律」なのだから、政府与党側の人間が、それを平然と踏みにじっている可能性があるとすれば、これは、検察にとって、悪質極まりない疑惑であるはずだ。

しかし、自民党政治家の秘書に対する事情聴取や捜査は、一切、聞こえてこない。

それどころか、小沢氏への献金を最初に仕切ったとされる、元秘書、岩手4区の自民党公認候補である高橋氏への聴取すら、行われた形跡がない。

なぜ、検察は、「真実解明のために、万全の捜査を遂げ」ないのだろう。

さらに、逮捕された西松建設の幹部は、自民党政治家への献金については、どのように語っているのだろうか?

これらの政治家は、西松からの献金という認識を持っていなかったのだろうか?

検察は、小沢氏の場合と異なり、自民党の政治家については、なぜか、その点を、追及して行く気がないらしい。

今回の捜査が、多くの批判を集めているのは、検察が、自民党へ捜査のメスを入れることを、躊躇しているように見えるからである。

「真実解明のために、万全の捜査を遂げ」ているとは、思えないからである。

ある容疑だけを法廷に持ち込んで、それと同等、あるいは、さらに悪質な可能性のある容疑を、権力に抵触するからという理由で、不問に付しているのだとすれば、それは大問題だ。

多額の税金を使って不公平な捜査が行われている。そういう疑惑を持たれている以上、検察は、そうでないことを国民、すなわち、納税者に納得させなければならない。

何より、疑惑を払拭するような捜査を、断固として展開するべきである。

しかし、現在までのところ、そのような捜査が行われているとは、残念ながら、到底思えない。

検察の正義は、国民の支持が背後になければ、独りよがりな権力の濫用に陥ってしまう危険がある。

だからこそ、検察は、国民の声に耳を傾け、国民が不信を抱いているならば、自らの考えを説明するべきである。

それを怠っていると、検察を信頼する人がさらに減っていき、結局は、検察の弱体化を招くことになるだろう。

検察を批判する声が、今回、なぜこれほど多いのか。堀田氏の論文には、その理由を真摯に考えようという視点が欠けていると感じた。

そして、その視点こそ、もっとも民主主義に必要なものではないだろうか。


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「漆間ルール」が活きている

2009-03-18 03:42:27 | 政治
昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」によると、検察は、西松建設から二階俊博経済産業相へのパーティ券問題については、当面の間、棚上げにして、民主党小沢代表の違法献金問題に専念するそうである。

自民党側への献金についても、捜査を進めて行くとした、当初の報道からすると、検察は大幅にトーンダウンしたことになる。

漆間官房副長官は、記者とのオフレコ会見で、「自民へは波及しない」と言ったそうだが、本人が自分の発言を忘れている一方で、この「漆間ルール」は、確実に現実のものになりつつある。

昨日3月17日、朝日新聞朝刊1面で、小沢氏側から「天の声」があった疑惑が報じられている。

東北の談合組織の中心に鹿島建設がいて、小沢氏側から、受注させたい企業の名前が「天の声」として、伝えられていた疑いがあるそうだ。

不思議な話である。

通常、「天の声」は、発注者側の人間が発するものだ。例えば、胆沢ダムについて言えば、国土交通省地方整備局ということになる。

というのは、談合を成功させるためには、予定価格の漏洩も含めて、発注者側の協力が不可欠である。

ましてや、記事に書いてあるように、長期にわたって、繰り返し談合が行われていたのであれば、間違いなく、談合組織と発注者側は癒着しているはずである。

ところが、胆沢ダムを始めとする国の大型ダム工事に、野党民主党の小沢氏は、職務権限のない状態で、どう関与して、「天の声」を発していたのだろう?

検察は、まず、国土交通省東北地方整備局を捜査して、発注者と小沢氏側との関係を明らかにする必要がある。

しかし、検察が、地方整備局や国土交通省の役人から事情聴取を行ったとは、聞こえてこない。

さらに、二十年以上小沢氏の秘書を務めた高橋嘉信氏は、今回逮捕された公設秘書大久保隆規氏の前任者であり、西松建設からの献金を始め、受注調整にも密接に絡んだと囁かれている。

その「鍵を握る人物」から、検察は、事情聴取を行った形跡がなく、本人も、自分は全くの無実だと主張している。

高橋氏は、次の総選挙で、岩手4区、つまり小沢氏と同じ選挙区から、自民党の公認候補として立つことが内定している。

すなわち、小沢氏の刺客である。

「自民には波及しない」、もちろん「官僚にも波及しない」、ただ「小沢氏と民主党だけをターゲットにする」。

そういうことなのだろうか?

今のところ、検察は、見事に、「漆間ルール」に従って動いている。

だが、一方で、小沢氏には職務権限がないので、「漆間ルール」に従う限り、胆沢ダムをめぐる談合疑惑の全容解明は、不可能である。

与党の政治家や政府の官僚にメスを入れず、野党と建設会社だけをターゲットにする。さすがに、それは無理というものである。

「漆間ルール」を守る限り、小沢氏の捜査が進まない。

まさに、「漆間パラドックス」である。

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原監督、「無茶ぶり」は止めて下さい!

2009-03-17 16:22:38 | Weblog
WBC第2ラウンドのキューバ戦は、日本が 6 - 0 で快勝した。この試合では、序盤に、先にペースを掴むことの大事さを、見せつけられた。

象徴的だったのが二回の攻防である。

二回表、小笠原が四球を選んで、無死一塁。打者内川の場面。チャップマンのけん制に、逆を突かれて、小笠原がアウト。

さらに、内川も四球で、一死一塁。打者福留。ここでも、内川が飛び出して、挟まれてアウト。

二連続四球のふらふらチャップマンが、俄然元気になって、福留見逃し三振。

嫌なムードが流れた。

しかし、二回裏、松坂が見事に三者凡退に抑えたので、キューバへの流れを断ち切って、三回表の3点につなげることが出来た。

松坂大輔、さまさまであるが、一歩間違えば、チャップマンを本格的に立ち直らせて、キューバに主導権を取られるところだった。

そもそも、昨シーズンの盗塁数は、内川がたったの2個。小笠原に至ってはゼロである。

あの場面で、二人が自発的に走った筈はなく、盗塁にせよ、ランエンドヒットにせよ、間違いなくベンチの指示である。

確かに、小笠原も内川も、足が遅いわけではない。

しかし、盗塁は、リードの仕方、けん制の癖を見極める技術など、多くのことが要求される高度なプレーだ。決して簡単じゃない。

シーズン中での経験がほとんどない選手に、国際大会の超ビッグゲームで、走れのサインを出すのは、どう考えても「無茶ぶり」というものである。

事実、一回表、四球で出た青木は、見事に盗塁を決めている。青木の盗塁数は、31個である。

青木が成功して、小笠原と内川が失敗したのは、偶然ではない。

二回裏、無死一塁、走者小笠原、打者内川。あの場面は、解説の清原氏が言ったように、内川の右打ちに期待して、無死一二塁、あわよくば、無死一三塁を狙うのが、常識である。

何と言っても、内川の打率は3割7分8厘である。

願ってもないバッターだ。よしんば、内川が打てなくても、最悪ダブルプレーを喰らっても、それはやむを得ない。

ベンチは、選手の適性をよく生かした、高確率の戦法を取ったと言うべきだ。

二連続けん制アウトよりは、はるかに納得の出来るアウトである。

勝ってしまうと、手痛いミスがあっても、周りからはあまり問題にされないが、放置しておくと、次の試合の敗因になることがある。

第1ラウンド、コールド勝ちした韓国に、次の試合で、完封負けしたことが、野球の怖さを物語っている。

とくに、イチローの不振など、選手の好不調は時機を待つしかないが、ベンチの采配は、すぐに修正出来るはずである。

両先発投手が一歩も譲らない、もっとシビアな展開の中、「無茶ぶり」で主導権を手放すのだけは、勘弁して欲しい。

第2ラウンド突破まで、あと1勝。

頑張れ、ニッポン!


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山本モナは自由をめざす

2009-03-15 12:31:23 | 芸能
山本モナは、ホモサピエンス・山本モナ亜種に属しているようだ(笑)。

TBS「サンデー・ジャポン」で、山本モナが西川史子センセイと恋愛・結婚について、フリートークをするコーナーがあったが、「モナ節」が炸裂しまくりだ。

「謹慎」していたけど、後悔はない。起こってしまったことは、しょうがないから。次のことを考えていただけ。

結婚するよ。ダメなら、別れちゃえばいいのよ。

(高橋ジョージさん)浮気したことあります?旦那の浮気が心配なんです。

すごい。すご過ぎる。

これは本物ですよ、奥さん(笑)。

自分の感情に忠実に生きようとして、それ以外はありえない。

その本能に根ざした強烈な生きるエネルギーが、見る人を圧倒するのかも。

そのせいか、民主党の議員も、元巨人の二岡も、男の方が、何だか、してやられた感が漂うな。

その生命エネルギーを、ちびっと分けてくれ。

以前、「飼ってるネズミが、何でもかんでもかじっちゃうんです。このかじり癖は、どうすれば治りますか」という質問を見たことがある。



それは無理だよ。連中は、我々が地上に登場するずっと前から、何千万年にも渡って、地球のあらゆるものを、かじり倒して生きてきたんだから。ここで、一二年頑張っても、まったくの時間の無駄っすよ。

と、そのとき思ったが、山本モナが自由奔放に生きるのを止めるのは、ネズミにかじることを止めさせる以上に、難しそうだ。

周りに出来ることは、せめて、かじっても害の少ないものを、かじるように、してあげることくらいである(笑)。

ちなみに、このコーナーは、高橋ジョージが、美味しいラーメン屋を紹介するという企画で、実際に、店でラーメンを食べながらのトークだったが、話が爆発し過ぎて、ラーメンどころではなかった。

一番迷惑だったのは、ラーメン屋の主人だったかも(笑)。

頑張れモナ!

あんたのことが、ちょっと好きになったぞ。

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マイベストは「賢者の遺産」

2009-03-14 19:13:11 | 芸能
NHK「Q.E.D. 証明終了」、とうとう終わっちゃいましたね。

もともと、高橋愛が、

モーニング娘。のタレント生命をかけてドラマに挑戦!っか?

じゃあ応援せねば、ということで見始めたけど、終わってみると、中村蒼君の、プチファンになりました(笑)。

演技上手いし、地の性格も素直そうで。

バラエティに出てたりすると、つい見ちゃいますね。

あっ、燈馬君だ

って感じで。

あと、クイーンの垣内彩未と中村静香もいいですね。

本質的に、タヌキ顔に弱いみたいで(^_^;)。

で、面白かった話のベスト3は、

第3位 「罪と罰 (第8回)」

犯人の独白でドラマを進めていく手法が斬新。どんどん追いつめられて、緊張感が高まって行く感じ、見応えがあった。

殺人を犯したのが、実は、本人だったというどんでん返しも、視聴者を裏切るやり方で、インパクトがあった。

「負の記憶の抑制」という部分を、十分に表現出来ていたのか、証拠の見せ方が足りなかったのではないか、賛否両論あるけれど、議論を呼ぶのは、ドラマの出来が基本的に良いからだと思う。

当ブログでも、2月28日付

NHK「Q.E.D. 証明終了~ 第8回 罪と罰」は証拠不十分

という題名で、問題点を、大人げなく、指摘しまくっているので、良かったら読んでみてね(笑)。

第2位 「サスペンス刑事 (第5回)」

青田典子の崖っぷち感が迫力があって良かった。厚塗りのテカテカ化粧とか(笑)。

カサス刑事も、画面を触ると、手に汗が付くんじゃないかと思うくらい、ねっとり暑苦しくて、グッド。

その一方で、カサス刑事が、サスペンスドラマにはまったのが、つまらない理由で人を殺す現実の犯罪者にうんざりしていた、という点が、心に響くものがあった。

徹底したコメディと、ちょっとしょっぱい女優と刑事の本音。

ドラマとして、バランスが取れていた。

これは、プロの仕事だ。

第1位 「賢者の遺産 (第6回)」

昭和初期に可奈がタイムスリップするという、破天荒な話であるが、その時代の雰囲気、懐かしくも物悲しい雰囲気が、よく出ていた。

これは、お金をかけてセットを作り、衣装や小物にも気を配って、ドラマを作り上げた努力の成果である。

自由のない時代に、自由の国からやってきた可奈と出会い、その可愛さと芯の強さに、強烈なショックを受けた中村蒼扮する塔場総一郎。

彼のその想いは、タイムマシーンを発明した天真爛丸の屋敷を買い取って、決して人手に渡さず、何十年間も、そのまま保存しておくという、驚異の行動を取らせた。

70年後、可奈が屋敷に入って、タイムマシーンに乗り、過去の自分と出会って、そして、無事に戻ってくる。

ただ、そのためだけに、彼は、ひたすら屋敷を守り続けた。

もちろん、屋敷の調査という名目で水原可奈を雇ったのも、塔場総一郎である。

最後のシーン、屋敷から出てきて、嬉しそうに燈馬君と写真を取り合う可奈。それを、可奈が落とした携帯を握りしめながら、静かに見守る老いた塔場総一郎。

この70年間、自分のやってきたことが成就した瞬間だった。

このドラマシリーズの中で、一番胸を締め付けられた場面である。

彼は、自分の可奈への気持ちが、70年の歳月を経て、ようやく一区切りついたことを、しみじみ味わっていたのかもしれない。

トリックや推理という点では、物足りない部分もあるが、ひとを感動させるのがドラマの基本であるならば、間違いなく、ベストの作品だった。

では、続編を期待しつつ、俳優、スタッフのみなさん、お疲れ様でした。



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「立証責任」は、Not Q.E.D. がナイス

2009-03-14 18:58:42 | 芸能
NHKドラマ、「Q.E.D. 証明終了 ~ 最終回 立証責任」。

路上で女性を襲って、現金15万円を奪った疑いで起訴された被告人のケースを、燈馬君や可奈ちゃんが裁判員となって、模擬裁判で裁くお話。

ドラマの設定では、実際の裁判では有罪となった事件だけど、もし、あれだけの証拠しかないのであれば、有罪に賛成するのは、厳しいんじゃないかな。

燈馬君が指摘したように、検察は、被害者の女性と被告人が、他人同士なのか、それとも、知り合いなのか、その部分は、はっきりとさせる必要があった。

もし、面識があって、被告人がその女性の生活パターンを、ある程度知っていたのなら、銀行の中まで入らずとも、彼女が多額の現金を下ろしたことを、予測出来たかもしれない。

目撃者が、女性の悲鳴を聞かなかったことも、合点がいく。

しかし、何と言っても、一番の問題は、物証が皆無という点である。

例えば、被害者のバッグには、被告人の指紋はなかったのだろうか?

あるいは、現金を入れた封筒には、被害者と被告人以外の、第三者の指紋はなかったのだろうか?

調べるのは、それほど難しいことではないだろう。

しかも、そういった物証があれば、事件の真相は、もっとはっきりしたはずである。

従って、検察が立証責任を十分に果たしたかどうか、疑問が残るし、裁判官も、これだけの証拠で有罪判決を出すというのは、大丈夫なのかなという気がする。

Not Q.E.D. は Not Guilty

燈馬君の裁判長に対するこの指摘は、ナイスで面白かった。

この春に始まる本物の裁判員制度でも、素人の裁判員とプロの裁判官の間で、似たようなことが起こるかも知れない。素人の方が、よりシビアな証拠を求める可能性がある。

そういう意味でも、興味深い話である。

模擬裁判の後、燈馬君は、結局、アメリカに行くのを取り止めて、屋上にいる可奈ちゃんに、「Q.E.D.」と書かれた航空券を見せる。

自分の居場所はここなんだ

そのことがQ.E.D.された、と言いたいらしい。

若干、鼻白む演出である(笑)。

そもそも、その問題については、ロキとエヴァが登場する第4回「ブレイク・スルー」で、すでに証明済みのはずでは?

なぜ、再びアメリカ行きを決意して、直前になって、止めたのか。いまひとつ、ピンと来ないっすよ。

どうも、脚本家の藤本さんが、「屈折した天才燈馬君の心が、可奈やその愉快な仲間たちと出会って、氷解していく」って感じの方向性が大好きみたいで。

でも、予告編の段階から、燈馬君が、アメリカに帰らないのは、見え見えでしたよ。

なぜなら、燈馬君が居なくなったら、続編を作るときに面倒だから。

以上、Q.E.D.証明終了(笑)。



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キューバ戦、ポイントはカストロ?

2009-03-14 01:15:31 | Weblog
キューバのカストロ元議長が、WBC日韓第2戦について、8回裏の原采配を批判したそうだ。

あの場面で、中島に犠牲バントはないだろうと。

ごもっともだ。

それにしても、すごいな。自国チームを批判するのは分かるが、つまらない野球を見ると、外国のチームであっても口を出したくなるらしい。

おまけに、82歳という高齢で、確か、病気療養中だったはずだけど。

スカパーとかで、全試合、がっつり観てるんだろうな。

フィデル、筋金入りの野球好きだ(笑)。

こんな人物が、何十年間も権力の頂点にあったんだから、そりゃ強くなるわな、キューバは。

今度の日本対キューバ戦でも、試合中に監督に電話してきそうな勢いだ。

「君、そろそろ、ピッチャーを代えた方がいいぞ。チャップマンの球が、高めに浮き始めている。これでは、イチローに打たれてしまうじゃないか」

なんてね(笑)。

で、勝っても負けても、また感想論文を投稿してくるから、つまらない采配をすると、あの場面で、前進守備はないよな、とか書かれちゃうぞ。

そうなると、原監督もショックだろう。何たって、歴史的な大物だからね。

逆に、侍ジャパンの選手は素晴らしい、本当に野球を知ってる、とか褒め殺し作戦に出てくるかもしれない。

ちょっとした心理戦だ(笑)。

もう一度、キューバと当たる可能性もあるので、カストロの言葉に惑わされないよう、日本チームは気をつけましょう。

でも、野球ファンとしては、フィデルの的確かつ野球愛に溢れた解説は、是非読んでみたい。

キューバ政府のサイトに投稿してるらしいけど、いっそのこと、サンスポとかに送ってくれないかな。間違いなく、載せてくれると思うよ(笑)。

ところで、NHKの野球解説者大野豊氏が、キューバ戦のポイントを説明していた。

チャップマンの速球と強力打線に注意すべし。

当たり前だ(笑)。

カストロに聞いた方が、早いんじゃないかな。





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問題は原監督の村田観だ

2009-03-12 03:55:10 | Weblog
WBC第1ラウンド最終戦では、日本が韓国に1-0で敗れ、二位通過となった。

敗因として、八回裏の攻撃における、原監督の采配を指摘するひとが少なくない。

イチローが久しぶりのヒットで塁に出た後、当たっている中島に、一死一塁なのに犠牲バントをさせた場面である。その後の青木が凡退したために、結局、無得点に終わった。

走者がイチロー、打者が中島。盗塁、ヒットエンドラン、なんでも仕掛けられた筈だ、という批判である。

確かに、何があっても犠牲バントと決めつけたサインの出し方は、消極的過ぎる采配だったと思う。

しかし、このような采配ミスは、十分に修正が可能である。第1ラウンドの韓国戦、原監督も緊張して、大事に走りすぎたのかも知れない。

むしろ、本当に、これはマズイと感じたのは、4回裏、一死三塁の場面での、村田のバッティングである。

1点を追いかける展開の中、村田がやるべきことは、どんな手を使っても、三塁にいる中島をホームに帰すことだ。

犠牲フライでなくとも、叩き付けてもいい、内野の間を転がしてもいい、セーフティバントを狙ってもいい。極論すれば、スクイズでもいい。

ところが、村田は、ひたすら外野フライを打とうとして、ボールの見極めもせずに、バットを振り回し、相手バッテリーの術中に嵌って、一塁へのファールフライに終わってしまった。

まったく、賢さのないバッティングである。

その原因は、村田という選手に対する、原監督の固定観念にある。

村田は、豪快にホームランを打てばいい。彼の仕事は、フルスイングで、長打を打つことだ。ミートバッティングや流し打ちなどは不必要。バントなどは論外。

そういう選手観だ。

実は、村田は、オーストラリアとの強化試合で、場面に応じた巧いバッティングを見せていた。これは、北京五輪での苦い経験を、彼なりに生かしたのだと思う。

しかし、その後、村田のバッティングは、何が何でもフルスイングというスタイルに戻ってしまった。どうやら、その試合の後、原監督から、もっと思い切って行け、と注意を受けたらしい。

首を傾げたくなる指導である。

これから対戦する相手は、世界最高レベルの投手たちだ。

セリーグのホームラン王といえども、ホームランはもちろん、外野フライも、そんなに簡単には打てない。

従って、村田が、得点機に、ひたすら長打を狙って、何でもかんでも、ぶんぶん振り回していたのでは、チャンスを潰し続けてしまう。

まさに、北京五輪の再現である。

村田には、もっとクレバーなバッティングを心がけて欲しいのだが、原は、それを許さないかもしれない。

ことは、選手観という心のかなり深い部分に関わることなので、WBCという短期決戦の中で、監督がその考え方を修正する可能性は、非常に低い。

韓国戦の敗北が、単なる一敗以上に、重く心にのしかかるのは、村田のファールフライの背後に、原監督の頑迷な選手観が見えるからである。

村田のホームランバッティングが、吉と出るような試合が続くよう、神様に祈るしかない。

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迂回献金と小役人のお話

2009-03-11 19:58:39 | 政治
政治資金規正法では、企業は、政治家個人には献金できない。また、政党には献金できるが、額の上限がはっきり決められている上に、個人を指定しての献金はできない。

しかし、それでは困るという政治家がたくさんいる。

一方、言うこと聞いてくれるなら、何とかして、お金を出してもいいという企業もたくさん存在する。

そこで、「迂回献金」という方法が発明された。

例えば、60人くらいの名義を借りて、一人あたり5万円の献金という形にする。

あるいは、何らかの政治団体を作って、300万円を流し込み、そこを経由して献金する。

そうすると、300万円を、企業名が表に出ない形で、政治家個人に献金できる。

貰った政治家側は、60人からの個人献金、あるいは、有志による政治団体からの献金と思い込めば、問題はない。

勿論、お金を貰った側が、その真の出所を知らないはずはない。

というのも、献金する企業は、「あしながおじさん」ではない。自分に便宜を図って貰いたいから、多額のお金を渡している。相手に名前が伝わらなければ、まったくもって意味がない。

むしろ、献金する前に、政治家側と接触して、迂回の方法を相談するのが自然な流れである。

しかし、小さな企業は、迂回献金する必要があるほど大きなお金を捻出できない。

また、企業からみて、普通の野党議員に、迂回献金してまでお金を流しても、意味はない。大した便宜は図ってくれないからだ。

従って、迂回献金が発生するのは、金を持っている企業が、見返りを期待して、力のある政治家に献金する場合である。

例えば、公共事業で稼ぐゼネコンから与党自民党の有力政治家への献金は、まさに迂回献金の頻発地帯と言える。

では、日本でもっともお金を持っていて、多額献金によって、政治に強く口を出したいと思っている企業はどこだろう?

そして、その企業が、お金を出す意味が、一番あると思っている、有力な政治家は誰だろう?

正解は、経団連と自民党執行部である。

経団連は、大企業の集まりであるが、2003年、当時の奥田碩会長(トヨタ)が、経団連の言うことをよく聞く政治家に、献金を集中させるという、すさまじい「指針」を発表した。

かくして、経団連の所属企業は、自民党へせっせと献金を始め、その額は、毎年20億円以上と言われている。

これらは、各企業が自分の意思に基づいて献金したというより、奥田前会長と現在の御手洗冨士夫会長(キャノン)の指示に従って、行われた献金という性格が強い。

つまり、所属企業を使った、経団連から自民党への、迂回献金である。

実際、経団連が、20億円を直接献金することは出来ない。だから、個々の企業に「迂回」して、お金を渡している。

さらに、経団連の望む政策、例えば、非正規雇用を増やす法律改正を、進めてくれる政治家個人に対する迂回献金も、疑うなと言う方が無理な話である。

そして、自民党側も、真のお金の「出所」が、奥田氏と御手洗氏であることをよく知っている。

両者とも、政権中枢に深く食い込み、奥田氏は、福田政権下で内閣特別顧問に就任、中国への首相特使まで務めた。

一方、御手洗氏は、派遣労働者の問題に関して、大きな影響を与え、自社の派遣切りの問題などと共に、野党から、国会での参考人招致を求められるほどの政治的大物になっている。

これほど献金とその成果がはっきりしているケースも珍しい。

民主党の小沢代表は、西松建設からの2500万円の迂回献金で、検察の追及を受けている。

政権与党と鋭く対立する野党党首に、具体的に、どんな便宜が図れたのかについては、未だに証拠は出てこず、疑問符のままである。

一方、もっと大規模な迂回献金とその露骨な成果が、目の前にあるのに、どういうわけか検察は動く気配がない。

何が規正法違反で、何が違反でないのかという議論など、吹き飛ぶほど多額の企業献金が行われ、その結果、派遣法改正を筆頭として、国の行く末を左右するほど、大きな影響が表れている。

そもそも、2500万円の企業献金を問題にして、20億円の企業献金とその明確で巨大な見返りを問題にしないというのは、圧倒的におかしな話である。

御手洗会長のキャノンについては、大分のコンサルタント会社「大光」の脱税事件を通して、裏金疑惑が浮上している。

ところが、東京地検特捜部による、こちらの捜査は、なぜか遅々として進まない。その上、裏金の運搬役とされる元大分県警警部補を、「脱税」への関与は薄いとして、処分保留で釈放している。

検察の追及は、数千万円程度の献金額であれば、金額に比例して厳しくなるが、数十億という単位になると、途端に緩んでいくのだろうか?

検察の正義は、少ない額なら、金額に比例して大きくなり、多くなると、反比例する。

面白い関数だ。

「Koyakuninn Function」と名付けよう(笑)。

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小沢氏立件に自信はあるのか?

2009-03-10 19:06:02 | 政治
今日の朝日新聞朝刊に、「小沢氏元秘書、談合関与か」との記事が出た。

元秘書がゼネコンの談合組織と調整を行って、多額の献金を行っていた西松建設に対して、ダム工事受注などの便宜を図った疑いがあるとのこと。

今回逮捕された秘書は、この元秘書の仕事を受け継いだのではないか、そういう内容である。

この記事を読んでいるうちに、東京地検特捜部は、どんな容疑で小沢氏を立件するつもりなのか、さっぱり分からなくなった。

記事に名前が出ている「胆沢ダム」は、国土交通省地方整備局が発注した工事である。

国の事業に対して、民主党の小沢代表側が、入札そのものに介入するのは、常識的に考えて無理である。

従って、官製談合や、それにまつわる汚職などで、小沢氏を立件するのは、今の流れでは、考えられない。

一方、もし、逮捕された秘書が、ゼネコンの談合組織に話を持ちかけ、西松建設が受注するように、調整を行ったとすれば、談合罪の可能性が出てくる。

確かに、「胆沢ダム」の受注は2006年3月なので、談合罪の時効が3年とすれば、それは今月である。

しかし、秘書の働きかけを立証した上に、小沢氏の関与まで証明するためには、当の談合組織への徹底した捜査が不可欠であるが、ゼネコン関係者への事情聴取の話は、今のところ、ほとんど聞こえてこない。

もちろん、発注者である地方整備局、さらには、岩手県、および小沢氏の地元自治体への捜査も必要である。

加えて、西松建設による談合事件の全容解明のためには、献金やパーティー券を通して、金銭的につながりのある、すべての政治家を、与野党を問わず、捜査していくべきである。

ところが、今の検察当局には、大きな事件に発展しても、徹底的に捜査をして、小沢氏を立件しようという意気込みを感じない。

漆間官房副長官が忘れた、「自民への波及」という言葉を、怖れているのだろうか?

検察は、連日のように、情報を小出しにリークしているが、その意図は、「皆さん、民主党の小沢氏は、こんなに悪いやつなんですよ」と言うためではあるまい。

しかし、その小出しの情報によって、小沢氏の支持率は大幅に下がり、政局は混迷を深め、総選挙の行方も大きな影響を被っている。

このまま政治資金規正法違反の回りを、ぐるぐる回っているだけなら、検察のトップは、記者会見を開くなり、国会に出てくるなりして、今回の捜査の目的を、国民に説明するべきだろう。

「小沢王国」では、悪質な談合が繰り返され、税金は無駄に使われ、違法献金で小沢氏は懐を潤している。

そういう「グレイ・イメージ」だけを、ばらまくだけばらまいて、結局、小沢氏を立件しないのであれば、それこそ地検特捜部など存在する意味がない。

場外乱闘さながら、検察幹部による威勢の良い小沢批判は、よく聞こえてくるが、肝心の捜査には迫力を感じない。

しっかり捜査をして、立件に自信を持っているのであれば、もう少し違う態度を取れるはずだ。

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