いや~、イイじゃないですか、NARUTOの主題歌「月の大きさ」!
アニメのオープニング映像と、よく合っていて、引き込まれました。
まだ半人前で、何度も挫折を繰り返しながら、それでも起き上がって前に進もうとする、
そういう気持ちが曲全体を貫いています。
そして、歌詞の中に、「何も言わず泣けたらいいね」「もっと僕が強くならなきゃ」といったフレーズが出てきて、単に勇ましく強いヒーローではなく、打ちのめされながらも闘うことを止めないヒーロー像が描かれている。
作曲編曲を担当した古川貴浩氏は、これまでに作曲した歌を聴くと、軽快なメロディに、切ないテイストを入れ込むのが特徴のようです。
「月の大きさ」でも、自立しきれないヒーローの苦悩が、その切ないメロディラインによって、よく表現されていると感じました。
一方、アニメの映像の方は、闘いのカッコよさが全面に出されていて、ヒーローの強さの部分が表現されています。
自立への苦しみを描いた歌詞と曲、しびれる戦闘シーンを見せる映像、これらが合わさって、切なくも、カッコいい作品に仕上がっていて、よく考え抜かれた、なかなかの力作と言っていいんじゃないでしょうか。
敗北に打ちひしがれて、それでも未来を目指そうとするとき、夜空に光る月が、なぜだか少し大きく見える。
NARUTOは、私が子どもの頃夢中になった仮面ライダーやウルトラマンと違って、より人間的に、より繊細になっていますね。
生駒里奈は、傷つきながらも強くなろうとする主人公に、今の自分を重ねているのかもしれません。彼女が「NARUTO」を読んで泣く気持ちが、ちょっと分かった気がします。
仮面ライダーやウルトラマンじゃ、なかなか泣けませんから(笑)。
70年代フォークに通じる「自立」というテーマ
ところで、「月の大きさ」を聴いていると、随分古いんですが、1973年のチューリップ「心の旅」を思い出しました。
70年代フォークソングの名曲の一つですが、歌われている心情や、曲の雰囲気が似てる気がします。
考えてみると、この曲も、恋人と別れて汽車で違う街へ旅立ち、新たな生活に飛び込もうとする若者が主人公で、「自立」というテーマが見え隠れするあたり、「月の大きさ」の世界と通じる部分があるかもしれません。
「心の旅」と同じ時期に、ガロの「学生街の喫茶店」(1972)というヒット曲もあって、これは、時が過ぎて、一人前の社会人となった元若者が、昔を切なくも愛おしい気持ちで振り返る、いわば「自立後」の歌で、やはり、似たテーマが根底に流れています。
70年代は、学生であり若者であることと、社会人であり大人であることが、高い壁で厳然と仕切られているという意識が充満していた。
そして、その壁を乗り越えて、向こう側に行かなければならない若者の苦悩や切なさを歌う曲が、大きな共感を呼んだのかもしれません。
しかし、2013年の現代でも、子どもから大人になっていく際に、不安や寂しさを感じることは同じで、「月の大きさ」には、自立への心の葛藤という、時代を超えたテーマが流れていると言っていいでしょう。
生駒里奈は「何かを捨てなければ、何かを得ることは出来ない」と述べたそうです。
何だか、これから討ち入りに行こうとする武士みたいですが(笑)、乃木坂の中で、急速に大人になることを要求されて、彼女には子どもと大人の溝が果てしなく大きく見えて、そういう切羽詰まった気持ちになってる気がします。
普通の高校生であれば、もっとゆっくり大人への階段を上れるので、生駒里奈の置かれた立場は特殊なんですが、「生駒ちゃん、大丈夫、何もかも捨てなくても、大人になれる、結構、色んなもの持って行けるから(笑)」と言ってあげたいですね。
エンディングは近藤晃央(あきひさ)の「ブラックナイトタウン」
「月の大きさ」、乃木坂ファンである私には、とても良い曲に思えたのですが、ツイッターを見ていると、「NARUTO」のファンからは、あまり評価しない声が多く寄せられているようです。
ネットへの書き込みは、怒りや不満という強い感情が動機になることが多くて、好意的な声が少なくなる傾向はありますが、それでも、「NARUTO」ファンで、「月の大きさ」に不満を持ったひとが多数いたのは間違いありません。
考えられる理由の一つは、新しいオープニングは、「月の大きさ」とアニメ映像で、「切なさ」と「カッコよさ」のバランスを取っているのだけど、女性ボーカルであるために、「切なさ」の部分が勝ってしまって、基本的にヒーローものである「NARUTO」としては、やや弱々しくウエットな印象を与えるのかもしれません。
そうですね、確かに、T.M.Revolutionの西川貴教なんかが歌うと、男性ボーカルの明るいパンチで、「カッコよさ」の味付けが、より強くなったかもしれません。
実は、「NARUTO」のエンディングテーマは男性ボーカルで、27歳のシンガーソングライター近藤晃央さんが、自ら作詞作曲した「ブラックナイトタウン」です。
心地よい声質に、アップテンポの小気味いい歌で、男性ボーカルの勢いが利いていて、オープニングにこそ、こういうテイストが欲しかったという意見には、納得する部分もあります。
シングルCDの発売は、乃木坂の7枚目と同じ11月27日(水)で、さすがに、CDまではちょっとですが、個人的に、かなり気に入ったので、ダウンロード配信があれば、欲しいなと思いました。
しかし、女性ボーカルにも、女性ボーカルの良さがあるので、今違和感を持っている「NARUTO」ファンも、何度か聴いていくうちに、だんだんしっくりくるんじゃないかと、希望的に期待しているんですが、どうでしょう?
生歌ライブではソロ向き
ところで、「月の大きさ」、乃木坂メンバーの誰が歌っているかなんですが、何度聴いても、分かりませんでした。
歌の冒頭部分が、衛藤美彩の声質に近いかなと思ったのですが、そもそもソロなのか、複数で歌っているのかも、なかなか聴き取れません。
どうも、機械的な処理が相当入っているようで、歌うスピードまでアレンジされていたら、担当したメンバーを特定するのは、ほぼ無理だと思います。
正直、レコーディングに参加したメンバーが聴いても、どこに自分の歌が使われているか、分からないことがあるかも(笑)。
「ブラックナイトタウン」は、ほぼ生歌になっていて、近藤晃央さんの声の特徴が、大きな魅力なんですが、「月の大きさ」では、コンピューター処理で、メンバーの地声が消されて、聴き易いんだけど、生の声が持つパワーが出ていない気がします。
この辺も、パンチ不足につながっていて、「NARUTO」ファンが不満を感じる一因かもしれません。
一方、ライブで歌えるかどうかですが、使われている音域はそれほど広くないようです。
また、「ガールズルール」のように、何フレーズもブレスなしで続けなければならない部分はなく、割と短くフレーズが切られているので、歌い易いと思います。
ただ、音階の変化が細かくて、素人がカラオケで歌うと大失敗するタイプの曲なので、音の取れる、相当に歌の上手いひとでないと、歌いこなせないと思います。
従って、ライブでは、川村真洋か衛藤美彩が、ソロで歌って、サビ部分をハモる感じでいいんじゃないしょうか。
そうなると、多分、「NARUTO」のオープニングとは、まったく違う曲になると思いますが(笑)、それこそ乃木坂の味が出ているのだから、かえって良いと思いますよ。
実際、「月の大きさ」を7枚目シングルに収録する際、昨日流れたものとは別タイプのアレンジにする可能性は小さくないでしょう。
「ブラックナイトタウン」も、CDセールスを告知するCMで流れている歌は、近藤晃央の生歌テイストをより強く出したもので、エンディングで使われている、やや加工が入った感のある歌とは、かなり違っていましたから、割と普通にあることなんだと思います。
同じ「月の大きさ」でも、番組用、CD用、ライブ用といろいろ用意してくる気がします。
運営は子どもと若い女性に狙いを定めているのか?
番組途中に入るCMを見て驚いたんですが、「NARUTO」の主な視聴者層は、小学生くらいでしょうか。
だとすれば、「乃木坂の風 02Oct13」で書いた、「NARUTO」による7枚目CDのセールスアップ効果が1万枚というのは、過大な見積もりかもしれません。
小学生が、1人10枚もCDを買って、握手会に来るなんて、さすがに考えられないですから(笑)。
コアなファン数の増加に、ほとんどつながらないとすれば、ソニー運営が乃木坂をアピールする場として、「NARUTO」を選んだ理由は、CDセールスとは関係ないということになります。
そう言えば、明日、10月5日(土)深夜から日本テレビ「49」(24:50~25:20)という学園ドラマが始まり、西野七瀬が学園のマドンナとして出演、また深川麻衣も出るそうです。
このドラマ、Sexy Zone の佐藤勝利が主演で、ジャニーズJr. のメンバーが多数出演し、主題歌も Sexy Zone が歌うという、まさにジャニーズドラマで、もちろん、主要な視聴者は若い女性になるでしょう。
11月9日(土)から劇場版の全国ロードショーが始まる「BAD BOYS J」も、橋本奈々未を始めとして、乃木坂メンバーが多数出演していますが、完全なジャニーズドラマで、若い女性層が一番のお客様です。
「NARUTO」にしても、「BAD BOYS J」や「49」にしても、乃木坂の運営はどうも、子どもと女性へのアピールを狙っているようで、握手会に来るファンも含めて、乃木坂の主要支持層である男性は、メディア戦略としては、あまり念頭にないようですね。
実は、モーニング娘。も、かつて童謡のCDをたくさん出していた時期があって、まあ大こけしたようですが(笑)、子どもへのアピールを狙っていた節があります。
アイドルの運営というのは、若い女性を男性層に売り込む仕事に、どこかでウンザリしているのか、あるいは、世間体的なものが気になるのか、どうも、妙に「お上品」な路線を取りたがる傾向があるような気がします。
乃木坂は、まだまだ一般知名度が低いので、もっともアピール効果の大きい男性層を意識して、テレビなどのメディア戦略を考えた方がいいと思うのですが、今のところ、女性層や子ども層にかなり傾いている気がします。
男性目線で言うと、「BAD BOYS J」は見続けるのが厳しかったし、「NARUTO」も年齢が上がると、さすがにちょっとだし、「GirlsAward」も、正直、行きづらいですよね(笑)。
まあ、なにはともあれ、「月の大きさ」が放送されて、7枚目シングルのキャンペーンが始まったわけで、選抜構成はまだ分かりませんが、気持ちを新たに、乃木坂にはがんがん目立って欲しいです。
昨日、「NARUTO」のオープニングの途中、
オープニングテーマ
『月の大きさ』
乃木坂46
というタイトルが出たときは、鳥肌が立ちました。
やはり、新曲ですよ、新曲、新曲がないと、勢いがつきません。
長過ぎる個別握手会で生まれてしまった10月の「空白期間」を乗り切って、本格的な新曲キャンペーン攻勢につなげたいですね。
関連サイト
テレビ東京「NARUTO」の公式サイト
近藤晃央氏の公式サイト
日本テレビ「49」の公式サイト
関連記事
乃木坂の風 02Oct13 ~ NARUTO主題歌「月の大きさ」が明日からオンエア開始、乃木坂再起動!
乃木坂の風 01Sep13 ~ 「NARUTO」主題歌は、乃木坂パレットと生駒里奈の感性がポイントか
乃木坂の風 30Aug13 ~ 祝!生駒里奈、新曲が「NARUTO」主題歌に決定、7thシングルのリリースはいつ?
乃木坂の風 30Jul13 ~ 7th選抜への道、生駒里奈はなぜ不動のセンターだったのか
乃木坂の風 02Jul13 ~ 齋藤飛鳥が再び疾走!「扇風機」は違和感のない良作
乃木坂の風 28Jun13 ~ 「他の星から」は、秋元康氏の嘆き節?星野みなみの物語5
乃木坂の風 23Jun13 ~ 「孤独なLover」が「ガールズルール」を上回っている?
乃木坂の風 15Jun13 ~ 「世界で一番 孤独なLover」のMVは傑作
乃木坂の風 08Jun13 ~ 「ガールズルール」白石は「ドラえもんのいないのび太」なのか
乃木坂の風 21Jun13 ~ 「君の名は希望」を作ったのは誰か
// 過去の記事を読みたい方へ
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 15May13 ~ 関連記事の目次 (2013/04/19 ~)
// 乃木坂46のお薦めミュージックビデオ
「制服のマネキン」のMV (YouTube)
「君の名は希望」のMV (YouTube)
「シャキイズム」のMV (YouTube)
「指望遠鏡」のMV (YouTube)
クリックすると、すぐに動画が始まるので、音声にご注意下さい
// 6枚目シングルCD「ガールズルール」の収録曲
YouTubeのMVやこのブログの関連記事については、
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 6枚目「ガールズルール」の関連情報
// お知らせ!
10月6日(日)、乃木坂46は、代々木第一体育館で単独ライブ「真夏の全国ツアー2013 FINAL!」を昼夜2公演、開催します。詳細は、乃木坂公式サイトの関連ページで、
昼公演については、こちらから
夜公演については、こちらから
10月22日(火)、乃木坂46の1st写真集「乃木坂派」が発売されます。詳しくは、
乃木坂公式サイトの関連ページ
10月25日(金)と10月27日(日)に、乃木坂46がVAMPS主宰の「HALLOWEEN PARTY 2013」にライブ出演します。詳細は、
こちらから、乃木坂公式サイトの関連ページへ
毎週木曜日の19:30から、テレビ東京「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のオープニングテーマとして、乃木坂46が歌う「月の大きさ」が流れています。番組内には、乃木坂のコーナーもあるようです。詳しくは、
乃木坂公式サイトの関連ページ
// 見なきゃ損だと思う乃木坂メンバーのブログ (10月3日分)
10月3日23:42 西野七瀬
日テレ「49」出演、おめでとう!明日深夜から放送ですが、期待してます。学園のマドンナ役だそうですが、「告白の二度聞き」の演技がよかったし、思い切り七瀬ワールドを炸裂させちゃって下さい。B.L.T.の11月号で、レモンのグラビア見たよ~。普段と違った印象で、引き込まれた!
10月3日23:06 新内眞衣
区切りの絵とか、絵文字の使い方が良くて、読みやすいです。コメント返しの分量も丁度いい。「僅かな差で犬派」が面白い、ちなみに、僕は「大差で犬派」です(笑)。院生のとき、「猫より犬」っていつも言ってたら、ある日、研究室の机のすぐ前の壁に、でっかい子猫の写真が貼られてて。後輩の猫好きが「矯正」のため貼ったそうで、それから、さらに犬好きになりました(笑)。拡大なしの画像で、上半身のアップを大きく載せたら、「ハッ」とするインパクトを読者に与えられて、新内眞衣の魅力がもっと炸裂するかも。
10月3日22:18 秋元真夏
小学校の理科で、「過ごしやすい気温は何度くらい?」と先生に聞かれて、「37度」と答えそうになったことがあって。体温と同じ方が、熱の排出も発生も必要ないので体が楽かな、などとボケボケのこと考えてました(笑)。3枚目、乃木坂では見たことがないような笑顔で、ちょっとヤンチャそうで、リラックスした表情に、素の魅力が出ていいっす。ん~、やっぱり、可愛いな、まなったんは。ところで、スマホのでっかいクマが、気になる~、重くないですか?邪魔じゃないですか?笑
10月3日15:54 生駒里奈
風景と自分撮りが、ともにオレンジが基調になっていて、アーティスティックに美しいです。朝の太陽のように、どんどん上っていって下さい!それにしても、2枚目、シャープな美人っす。
10月3日12:48 深川麻衣
深川さん、最近、活躍してますね。三つも告知があるなんて、素晴らしいです。深川ブログの写真も、らりんブログと並んで、毎回クオリティが高くて、光の加減とか、そういうのの見極めが上手いんじゃないかな。で、やはり、基本は拡大なし画像だよね。特に細かい部分を見せたい時だけ、拡大写真を使うのが良いんじゃないかと思うんだけど。まあ、人によって色々な感じ方があるから、難しいんだけど。
えくせれんとブログ
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 10Jul13 ~ えくせれんとブログの目次
// 星野みなみの溢れる魅力
9月28日伊藤万理華ブログ
『乃木坂の「の」』で、みさ先輩を手こずらせた、乃木坂「暴言」コンビ!笑
9月20日12:00 星野みなみ
「みなみっぽい」って、どんな感じなんだろう?
ナタリー「星野みなみグラビア特集」
乃木坂の風 16Sep13 ~ 「みさ、原宿行くの?」、星野みなみに激怒する衛藤美彩! in 乃木坂の「の」
さらに詳しくは、
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 星野みなみのコーナー
// 和田まあやのあり得ん可愛さ
10月1日22:54 和田まあや
市來玲奈のトリセツと女子力高めまあや
9月25日和田まあやブログ
川後陽菜のトリセツと永久保存版まあや!
乃木坂の風 04Sep13 ~ 「ぶち大好きじゃけぇ!」、和田まあやの演技が炸裂! in 乃木坂って、どこ?
さらに詳しくは、
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 和田まあやのコーナー
// 乃木坂各論
乃木坂各論第3話、星野みなみ ~ 紺碧の微笑、静謐の情熱、ここにヒロインがいる
乃木坂各論第2話、若月佑美 ~ 相克の美少女アーティスト
乃木坂各論第1話、生田絵梨花 ~ 天才少女がやって来た!
# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています
アニメのオープニング映像と、よく合っていて、引き込まれました。
まだ半人前で、何度も挫折を繰り返しながら、それでも起き上がって前に進もうとする、
そういう気持ちが曲全体を貫いています。
そして、歌詞の中に、「何も言わず泣けたらいいね」「もっと僕が強くならなきゃ」といったフレーズが出てきて、単に勇ましく強いヒーローではなく、打ちのめされながらも闘うことを止めないヒーロー像が描かれている。
作曲編曲を担当した古川貴浩氏は、これまでに作曲した歌を聴くと、軽快なメロディに、切ないテイストを入れ込むのが特徴のようです。
「月の大きさ」でも、自立しきれないヒーローの苦悩が、その切ないメロディラインによって、よく表現されていると感じました。
一方、アニメの映像の方は、闘いのカッコよさが全面に出されていて、ヒーローの強さの部分が表現されています。
自立への苦しみを描いた歌詞と曲、しびれる戦闘シーンを見せる映像、これらが合わさって、切なくも、カッコいい作品に仕上がっていて、よく考え抜かれた、なかなかの力作と言っていいんじゃないでしょうか。
敗北に打ちひしがれて、それでも未来を目指そうとするとき、夜空に光る月が、なぜだか少し大きく見える。
NARUTOは、私が子どもの頃夢中になった仮面ライダーやウルトラマンと違って、より人間的に、より繊細になっていますね。
生駒里奈は、傷つきながらも強くなろうとする主人公に、今の自分を重ねているのかもしれません。彼女が「NARUTO」を読んで泣く気持ちが、ちょっと分かった気がします。
仮面ライダーやウルトラマンじゃ、なかなか泣けませんから(笑)。
70年代フォークに通じる「自立」というテーマ
ところで、「月の大きさ」を聴いていると、随分古いんですが、1973年のチューリップ「心の旅」を思い出しました。
70年代フォークソングの名曲の一つですが、歌われている心情や、曲の雰囲気が似てる気がします。
考えてみると、この曲も、恋人と別れて汽車で違う街へ旅立ち、新たな生活に飛び込もうとする若者が主人公で、「自立」というテーマが見え隠れするあたり、「月の大きさ」の世界と通じる部分があるかもしれません。
「心の旅」と同じ時期に、ガロの「学生街の喫茶店」(1972)というヒット曲もあって、これは、時が過ぎて、一人前の社会人となった元若者が、昔を切なくも愛おしい気持ちで振り返る、いわば「自立後」の歌で、やはり、似たテーマが根底に流れています。
70年代は、学生であり若者であることと、社会人であり大人であることが、高い壁で厳然と仕切られているという意識が充満していた。
そして、その壁を乗り越えて、向こう側に行かなければならない若者の苦悩や切なさを歌う曲が、大きな共感を呼んだのかもしれません。
しかし、2013年の現代でも、子どもから大人になっていく際に、不安や寂しさを感じることは同じで、「月の大きさ」には、自立への心の葛藤という、時代を超えたテーマが流れていると言っていいでしょう。
生駒里奈は「何かを捨てなければ、何かを得ることは出来ない」と述べたそうです。
何だか、これから討ち入りに行こうとする武士みたいですが(笑)、乃木坂の中で、急速に大人になることを要求されて、彼女には子どもと大人の溝が果てしなく大きく見えて、そういう切羽詰まった気持ちになってる気がします。
普通の高校生であれば、もっとゆっくり大人への階段を上れるので、生駒里奈の置かれた立場は特殊なんですが、「生駒ちゃん、大丈夫、何もかも捨てなくても、大人になれる、結構、色んなもの持って行けるから(笑)」と言ってあげたいですね。
エンディングは近藤晃央(あきひさ)の「ブラックナイトタウン」
「月の大きさ」、乃木坂ファンである私には、とても良い曲に思えたのですが、ツイッターを見ていると、「NARUTO」のファンからは、あまり評価しない声が多く寄せられているようです。
ネットへの書き込みは、怒りや不満という強い感情が動機になることが多くて、好意的な声が少なくなる傾向はありますが、それでも、「NARUTO」ファンで、「月の大きさ」に不満を持ったひとが多数いたのは間違いありません。
考えられる理由の一つは、新しいオープニングは、「月の大きさ」とアニメ映像で、「切なさ」と「カッコよさ」のバランスを取っているのだけど、女性ボーカルであるために、「切なさ」の部分が勝ってしまって、基本的にヒーローものである「NARUTO」としては、やや弱々しくウエットな印象を与えるのかもしれません。
そうですね、確かに、T.M.Revolutionの西川貴教なんかが歌うと、男性ボーカルの明るいパンチで、「カッコよさ」の味付けが、より強くなったかもしれません。
実は、「NARUTO」のエンディングテーマは男性ボーカルで、27歳のシンガーソングライター近藤晃央さんが、自ら作詞作曲した「ブラックナイトタウン」です。
心地よい声質に、アップテンポの小気味いい歌で、男性ボーカルの勢いが利いていて、オープニングにこそ、こういうテイストが欲しかったという意見には、納得する部分もあります。
シングルCDの発売は、乃木坂の7枚目と同じ11月27日(水)で、さすがに、CDまではちょっとですが、個人的に、かなり気に入ったので、ダウンロード配信があれば、欲しいなと思いました。
しかし、女性ボーカルにも、女性ボーカルの良さがあるので、今違和感を持っている「NARUTO」ファンも、何度か聴いていくうちに、だんだんしっくりくるんじゃないかと、希望的に期待しているんですが、どうでしょう?
生歌ライブではソロ向き
ところで、「月の大きさ」、乃木坂メンバーの誰が歌っているかなんですが、何度聴いても、分かりませんでした。
歌の冒頭部分が、衛藤美彩の声質に近いかなと思ったのですが、そもそもソロなのか、複数で歌っているのかも、なかなか聴き取れません。
どうも、機械的な処理が相当入っているようで、歌うスピードまでアレンジされていたら、担当したメンバーを特定するのは、ほぼ無理だと思います。
正直、レコーディングに参加したメンバーが聴いても、どこに自分の歌が使われているか、分からないことがあるかも(笑)。
「ブラックナイトタウン」は、ほぼ生歌になっていて、近藤晃央さんの声の特徴が、大きな魅力なんですが、「月の大きさ」では、コンピューター処理で、メンバーの地声が消されて、聴き易いんだけど、生の声が持つパワーが出ていない気がします。
この辺も、パンチ不足につながっていて、「NARUTO」ファンが不満を感じる一因かもしれません。
一方、ライブで歌えるかどうかですが、使われている音域はそれほど広くないようです。
また、「ガールズルール」のように、何フレーズもブレスなしで続けなければならない部分はなく、割と短くフレーズが切られているので、歌い易いと思います。
ただ、音階の変化が細かくて、素人がカラオケで歌うと大失敗するタイプの曲なので、音の取れる、相当に歌の上手いひとでないと、歌いこなせないと思います。
従って、ライブでは、川村真洋か衛藤美彩が、ソロで歌って、サビ部分をハモる感じでいいんじゃないしょうか。
そうなると、多分、「NARUTO」のオープニングとは、まったく違う曲になると思いますが(笑)、それこそ乃木坂の味が出ているのだから、かえって良いと思いますよ。
実際、「月の大きさ」を7枚目シングルに収録する際、昨日流れたものとは別タイプのアレンジにする可能性は小さくないでしょう。
「ブラックナイトタウン」も、CDセールスを告知するCMで流れている歌は、近藤晃央の生歌テイストをより強く出したもので、エンディングで使われている、やや加工が入った感のある歌とは、かなり違っていましたから、割と普通にあることなんだと思います。
同じ「月の大きさ」でも、番組用、CD用、ライブ用といろいろ用意してくる気がします。
運営は子どもと若い女性に狙いを定めているのか?
番組途中に入るCMを見て驚いたんですが、「NARUTO」の主な視聴者層は、小学生くらいでしょうか。
だとすれば、「乃木坂の風 02Oct13」で書いた、「NARUTO」による7枚目CDのセールスアップ効果が1万枚というのは、過大な見積もりかもしれません。
小学生が、1人10枚もCDを買って、握手会に来るなんて、さすがに考えられないですから(笑)。
コアなファン数の増加に、ほとんどつながらないとすれば、ソニー運営が乃木坂をアピールする場として、「NARUTO」を選んだ理由は、CDセールスとは関係ないということになります。
そう言えば、明日、10月5日(土)深夜から日本テレビ「49」(24:50~25:20)という学園ドラマが始まり、西野七瀬が学園のマドンナとして出演、また深川麻衣も出るそうです。
このドラマ、Sexy Zone の佐藤勝利が主演で、ジャニーズJr. のメンバーが多数出演し、主題歌も Sexy Zone が歌うという、まさにジャニーズドラマで、もちろん、主要な視聴者は若い女性になるでしょう。
11月9日(土)から劇場版の全国ロードショーが始まる「BAD BOYS J」も、橋本奈々未を始めとして、乃木坂メンバーが多数出演していますが、完全なジャニーズドラマで、若い女性層が一番のお客様です。
「NARUTO」にしても、「BAD BOYS J」や「49」にしても、乃木坂の運営はどうも、子どもと女性へのアピールを狙っているようで、握手会に来るファンも含めて、乃木坂の主要支持層である男性は、メディア戦略としては、あまり念頭にないようですね。
実は、モーニング娘。も、かつて童謡のCDをたくさん出していた時期があって、まあ大こけしたようですが(笑)、子どもへのアピールを狙っていた節があります。
アイドルの運営というのは、若い女性を男性層に売り込む仕事に、どこかでウンザリしているのか、あるいは、世間体的なものが気になるのか、どうも、妙に「お上品」な路線を取りたがる傾向があるような気がします。
乃木坂は、まだまだ一般知名度が低いので、もっともアピール効果の大きい男性層を意識して、テレビなどのメディア戦略を考えた方がいいと思うのですが、今のところ、女性層や子ども層にかなり傾いている気がします。
男性目線で言うと、「BAD BOYS J」は見続けるのが厳しかったし、「NARUTO」も年齢が上がると、さすがにちょっとだし、「GirlsAward」も、正直、行きづらいですよね(笑)。
まあ、なにはともあれ、「月の大きさ」が放送されて、7枚目シングルのキャンペーンが始まったわけで、選抜構成はまだ分かりませんが、気持ちを新たに、乃木坂にはがんがん目立って欲しいです。
昨日、「NARUTO」のオープニングの途中、
オープニングテーマ
『月の大きさ』
乃木坂46
というタイトルが出たときは、鳥肌が立ちました。
やはり、新曲ですよ、新曲、新曲がないと、勢いがつきません。
長過ぎる個別握手会で生まれてしまった10月の「空白期間」を乗り切って、本格的な新曲キャンペーン攻勢につなげたいですね。
関連サイト
テレビ東京「NARUTO」の公式サイト
近藤晃央氏の公式サイト
日本テレビ「49」の公式サイト
関連記事
乃木坂の風 02Oct13 ~ NARUTO主題歌「月の大きさ」が明日からオンエア開始、乃木坂再起動!
乃木坂の風 01Sep13 ~ 「NARUTO」主題歌は、乃木坂パレットと生駒里奈の感性がポイントか
乃木坂の風 30Aug13 ~ 祝!生駒里奈、新曲が「NARUTO」主題歌に決定、7thシングルのリリースはいつ?
乃木坂の風 30Jul13 ~ 7th選抜への道、生駒里奈はなぜ不動のセンターだったのか
乃木坂の風 02Jul13 ~ 齋藤飛鳥が再び疾走!「扇風機」は違和感のない良作
乃木坂の風 28Jun13 ~ 「他の星から」は、秋元康氏の嘆き節?星野みなみの物語5
乃木坂の風 23Jun13 ~ 「孤独なLover」が「ガールズルール」を上回っている?
乃木坂の風 15Jun13 ~ 「世界で一番 孤独なLover」のMVは傑作
乃木坂の風 08Jun13 ~ 「ガールズルール」白石は「ドラえもんのいないのび太」なのか
乃木坂の風 21Jun13 ~ 「君の名は希望」を作ったのは誰か
// 過去の記事を読みたい方へ
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 15May13 ~ 関連記事の目次 (2013/04/19 ~)
// 乃木坂46のお薦めミュージックビデオ
「制服のマネキン」のMV (YouTube)
「君の名は希望」のMV (YouTube)
「シャキイズム」のMV (YouTube)
「指望遠鏡」のMV (YouTube)
クリックすると、すぐに動画が始まるので、音声にご注意下さい
// 6枚目シングルCD「ガールズルール」の収録曲
YouTubeのMVやこのブログの関連記事については、
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 6枚目「ガールズルール」の関連情報
// お知らせ!
10月6日(日)、乃木坂46は、代々木第一体育館で単独ライブ「真夏の全国ツアー2013 FINAL!」を昼夜2公演、開催します。詳細は、乃木坂公式サイトの関連ページで、
昼公演については、こちらから
夜公演については、こちらから
10月22日(火)、乃木坂46の1st写真集「乃木坂派」が発売されます。詳しくは、
乃木坂公式サイトの関連ページ
10月25日(金)と10月27日(日)に、乃木坂46がVAMPS主宰の「HALLOWEEN PARTY 2013」にライブ出演します。詳細は、
こちらから、乃木坂公式サイトの関連ページへ
毎週木曜日の19:30から、テレビ東京「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のオープニングテーマとして、乃木坂46が歌う「月の大きさ」が流れています。番組内には、乃木坂のコーナーもあるようです。詳しくは、
乃木坂公式サイトの関連ページ
// 見なきゃ損だと思う乃木坂メンバーのブログ (10月3日分)
10月3日23:42 西野七瀬
日テレ「49」出演、おめでとう!明日深夜から放送ですが、期待してます。学園のマドンナ役だそうですが、「告白の二度聞き」の演技がよかったし、思い切り七瀬ワールドを炸裂させちゃって下さい。B.L.T.の11月号で、レモンのグラビア見たよ~。普段と違った印象で、引き込まれた!
10月3日23:06 新内眞衣
区切りの絵とか、絵文字の使い方が良くて、読みやすいです。コメント返しの分量も丁度いい。「僅かな差で犬派」が面白い、ちなみに、僕は「大差で犬派」です(笑)。院生のとき、「猫より犬」っていつも言ってたら、ある日、研究室の机のすぐ前の壁に、でっかい子猫の写真が貼られてて。後輩の猫好きが「矯正」のため貼ったそうで、それから、さらに犬好きになりました(笑)。拡大なしの画像で、上半身のアップを大きく載せたら、「ハッ」とするインパクトを読者に与えられて、新内眞衣の魅力がもっと炸裂するかも。
10月3日22:18 秋元真夏
小学校の理科で、「過ごしやすい気温は何度くらい?」と先生に聞かれて、「37度」と答えそうになったことがあって。体温と同じ方が、熱の排出も発生も必要ないので体が楽かな、などとボケボケのこと考えてました(笑)。3枚目、乃木坂では見たことがないような笑顔で、ちょっとヤンチャそうで、リラックスした表情に、素の魅力が出ていいっす。ん~、やっぱり、可愛いな、まなったんは。ところで、スマホのでっかいクマが、気になる~、重くないですか?邪魔じゃないですか?笑
10月3日15:54 生駒里奈
風景と自分撮りが、ともにオレンジが基調になっていて、アーティスティックに美しいです。朝の太陽のように、どんどん上っていって下さい!それにしても、2枚目、シャープな美人っす。
10月3日12:48 深川麻衣
深川さん、最近、活躍してますね。三つも告知があるなんて、素晴らしいです。深川ブログの写真も、らりんブログと並んで、毎回クオリティが高くて、光の加減とか、そういうのの見極めが上手いんじゃないかな。で、やはり、基本は拡大なし画像だよね。特に細かい部分を見せたい時だけ、拡大写真を使うのが良いんじゃないかと思うんだけど。まあ、人によって色々な感じ方があるから、難しいんだけど。
えくせれんとブログ
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 10Jul13 ~ えくせれんとブログの目次
// 星野みなみの溢れる魅力
9月28日伊藤万理華ブログ
『乃木坂の「の」』で、みさ先輩を手こずらせた、乃木坂「暴言」コンビ!笑
9月20日12:00 星野みなみ
「みなみっぽい」って、どんな感じなんだろう?
ナタリー「星野みなみグラビア特集」
乃木坂の風 16Sep13 ~ 「みさ、原宿行くの?」、星野みなみに激怒する衛藤美彩! in 乃木坂の「の」
さらに詳しくは、
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 星野みなみのコーナー
// 和田まあやのあり得ん可愛さ
10月1日22:54 和田まあや
市來玲奈のトリセツと女子力高めまあや
9月25日和田まあやブログ
川後陽菜のトリセツと永久保存版まあや!
乃木坂の風 04Sep13 ~ 「ぶち大好きじゃけぇ!」、和田まあやの演技が炸裂! in 乃木坂って、どこ?
さらに詳しくは、
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 和田まあやのコーナー
// 乃木坂各論
乃木坂各論第3話、星野みなみ ~ 紺碧の微笑、静謐の情熱、ここにヒロインがいる
乃木坂各論第2話、若月佑美 ~ 相克の美少女アーティスト
乃木坂各論第1話、生田絵梨花 ~ 天才少女がやって来た!
# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています