櫻坂公式が1stアルバム・リード曲「摩擦係数」を7月25日(月)午前零時から、ストリーミング&ダウンロード配信すると発表しました。
直近作である4thシングル「五月雨よ」と同じく、今作でもCD発売前の先行配信を行うようです。
次の表は、欅坂からのシングル表題曲の日程比較ですが、「五月雨よ」と「摩擦係数」が「DB1b」となっているのが先行配信を意味し、他曲の「DB1a」はCD発売週の同時配信を表しています。
乃木坂は全シングルが先行配信されていて、日向坂は1stから6thまで同時配信でしたが、最新7th「僕なんか」が先行配信で、まあ、CD発売前の配信開始はごく普通に行われている日程です。
ただ、「摩擦係数」の配信で驚いたのは、それが水曜日ではなく、月曜日にスタートする点。
先行配信であれ、同時配信であれ、水曜日に開始されるのが普通で、実際、2016年以降の坂道シングルで、水曜でない曜日に開始されたのは、たった一つしか例がない。
それは、乃木坂19thシングルで、表題曲「いつかできるから今日できる」だけが、CD発売3週前の金曜日に配信が始まり、C/W曲は従来通り、発売1週前の水曜日に配信されました。
理由は明確で、「いつかできるから今日できる」は乃木坂メンバーが主演する映画「あさひなぐ」の主題歌で、映画の公開日に配信をスタートさせため、シングル発売3週前の金曜日という異例の日程になったわけです。
つまり、水曜日以外に配信を始めることは可能だけど、余程の事情がない限り、CD発売の鉄板曜日である水曜が選ばれるようで、なにかと手続きが簡単なのかもしれません(笑)。
ところが、櫻坂46「摩擦係数」は、敢えて月曜日を選んでいる。
ビルボードやオリコンの週間ランキングは、集計期間が月曜から日曜に設定されており、週半ばの水曜ではなく、月曜から配信を始めた方が、初週のストリーミング再生回数やダウンロード数がより大きくなり、順位がより高くなることを期待できるので、1週目のランキングに対しては、確かにメリットがあると思います。
しかし1週目の数字を上げても、2週目以降が伸びなければ、何にもならないわけで、何曜日に配信を始めるかが、全体としてそれほど重要とは思えないから、今まで水曜に設定されてきたのでしょう。
ではなぜ、櫻坂運営は月曜を選んだのか?
そのヒントになりそうなデータが、次の表に示した、坂道近年主要曲のApple Musicトップソング順位成績です。
乃木坂29th、櫻坂4th、日向坂7thの坂道最新シングル表題3曲が、Apple MusicデイリーTOP100に1日もランクインしなかったことは、ツイートやブログ記事で何回か指摘しましたが、同じApple Musicのランキングで200位までを扱うトップソングでの順位成績を見ると、3曲の間に大きな違いがあることが分かります。
「Actually…」は最高101位の200位圏内ランクイン16日、「五月雨よ」は最高165位の圏内8日、「僕なんか」は最高102位の圏内15日。
最高順位が100位以上ではないから、3曲ともデイリーTOP100に入らなかったのですが、「Actually…」と「僕なんか」が100位ラインのギリギリまで迫ったのに対し、「五月雨よ」は165位と、かなり低い水準までしか上昇できなかった。
また200位圏内に入った日数も、「Actually…」と「僕なんか」はそれぞれ16日と15日で2週間以上だったのに対し、「五月雨よ」は8日に止まっている。
そして、配信全期間のRanking指数は、「Actually…」と「僕なんか」がそれぞれ1021点と1053点、「五月雨よ」は169点。
Apple MusicトップソングのRanking指数が169点というのは、2020年以降の坂道シングル表題曲の中でも、突出して低い数字で、櫻坂の配信人気が厳しい状況に陥っていることが分かります。
実は、2021年後半の乃木坂28th「君に叱られた」、櫻坂3rd「流れ弾」、日向坂6th「ってか」の比較でも、櫻坂の数字がより低い傾向はありましたが、3曲ともデイリーTOP100には入っていたので、まだ切迫感は薄かった。
しかし、2022年に入り、3グループの表題曲がすべてTOP100入りを逃し、順位成績がさらに低下する中、櫻坂の配信指標はトップソングの200位圏内で眺めても、厳しい水準にまで落ち込んでしまった。
サブスク・ストリーミングで収益を上げることが、多くのアーティストやレコード会社の中心的な「ビジネスモデル」となった今、Apple Musicトップソングなどのストリーミング数ランキングは、そこでの上位がそのままヒットを意味する、重要な音楽指標との認識が定着しつつあります。
もし坂道のストリーミング数ランキングが、このまま上昇せず、2022年後半、さらに低下すると、坂道の存在感も低下し、大型音楽祭への出演機会が徐々に減り、やがてはレコード大賞ノミネートや紅白出場などが、手の届かない世界になっていく。
櫻坂運営が「摩擦係数」の配信指標を、初週だけであっても、とにかく上げたいと考えるのは当然のことで、異例の月曜配信開始は、効果がありそうなことは何でもやる、万策打つつもりの中の一つじゃないでしょうか。
そして、櫻坂だけでなく、乃木坂と日向坂も程度の差はあれ、置かれた状況が厳しいことに変わりないわけで、配信開始時期の変更や特典の付与など、配信指標を上げるために、様々な手を打ってくるでしょう。
最近、坂道各グループが新しいシングルやアルバムを出す度に、MV公開や配信開始について、従来の日程パターンをあれこれ変えているのは、現状の深刻さを理解していることの裏返しだと思います。
あるいは、乃木坂29thにおける、無茶な5期センター大抜擢も、現状の一点突破を狙った、運営の焦りだったのかもしれません。
✿✿✿✿✿ 今朝の配信ランキング ✿✿✿✿✿
2022/07/22(金)付
順位 曲名 / アーティスト名 : 収録元 [配信開始日] 配信後経過日数
【Apple Music デイリーTOP100】
=== 100位圏内入りした坂道曲
なし
【Apple Music トップソング】
=== 200位圏内入りした坂道曲
なし
【iTunes Store トップソング】
=== 200位圏内入りした坂道曲
なし
✿✿✿✿✿ 乃木坂46 ✿✿✿✿✿
❀❀ 29thシングル表題曲「Actually…」 ❀❀
【YouTube】
◉ MV再生回数 ~ 日(d)単位
【YouTube】
◎ 乃木坂46・29thシングル表題曲「Actually…」MV再生回数 ~ 週(w)単位
【Apple Muisc & iTunes Store】
◎ 順位推移 ~ 日単位
【Billboard JAPAN Hot100】
◎ 07/20公開(07/25付)チャート時点の全項目順位成績
【オリコン ~ CDセールス】
◉ 週間シングル07/25付チャート時点のCD売上枚数の歴代比較
❀❀ 29thシングルC/W曲 ❀❀
【YouTube】
◉ MV再生回数 ~ 日(d)単位
【iTunes Store】
◎ 配信初期35日間のトップソング順位推移 ~ 日単位
✿✿✿✿✿ 櫻坂46 ✿✿✿✿✿
❀❀ 1stアルバム収録曲「摩擦係数」 ❀❀
【YouTube】
◎ MV再生回数 ~ 日(d)単位
【Billboard JAPAN Hot100】
◎ 07/20公開(07/25付)チャート時点の全項目順位成績
❀❀ 4thシングル表題曲「五月雨よ」 ❀❀
【YouTube】
◉ MV再生回数 ~ 日(d)単位
【YouTube】
◎ 櫻坂46・4thシングル表題曲「五月雨よ」MV再生回数 ~ 週(w)単位
【Apple Muisc & iTunes Store】
◎ 順位推移 ~ 日単位
【Billboard JAPAN Hot100】
◉ 07/20公開(07/25付)チャート時点の全項目順位成績
【オリコン ~ CDセールス】
◉ 週間シングル07/25付チャート時点のCD売上枚数の歴代比較
❀❀ 4thシングルC/W曲 ❀❀
【YouTube】
◉ MV再生回数 ~ 日(d)単位
【iTunes Store】
◎ 配信初期35日間のトップソング順位推移 ~ 日単位
✿✿✿✿✿ 日向坂46 ✿✿✿✿✿
❀❀ 7thシングル表題曲「僕なんか」 ❀❀
【YouTube】
◉ MV再生回数 ~ 日(d)単位
【YouTube】
◎ MV再生回数 ~ 週(w)単位
【Apple Muisc & iTunes Store】
◎ 順位推移 ~ 日単位
【Billboard JAPAN Hot100】
◎ 07/20公開(07/25付)チャート時点の全項目順位成績
【オリコン ~ CDセールス】
◉ 週間シングル07/25付チャート時点のCD売上枚数の歴代比較
❀❀ 7thシングルC/W曲 ❀❀
【YouTube】
◉ MV再生回数 ~ 日(d)単位
【iTunes Store】
◎ 配信初期35日間のトップソング順位推移 ~ 日単位
✿✿✿✿✿ 坂道全体 ✿✿✿✿✿
【YouTube】
◉ 2021年以降の坂道表題曲のMV再生回数 ~ 週(w)単位
【Billboard JAPAN Hot100】
◎ 07/20公開(07/25付)チャート時点の2021年以降坂道表題曲の全項目順位成績
【オリコン ~ CDセールス】
◎ 週間シングル07/25付チャート時点のCD売上枚数の坂道近年作品の比較
【YouTube】
◉ 坂道参加「THE FIRST TAKE」の再生回数 ~ 日(d)単位
✽ 齊藤京子ソロ「僕なんか」再生回数を軸に全5作品を表とグラフに掲載。幾多りら「スパークル」を参考としてグラフに掲載
✿✿✿✿✿ NiziU ✿✿✿✿✿
❀❀ 3rdシングル表題曲「CLAP CLAP」 ❀❀
【YouTube】
◎ MV再生回数 ~ 日(d)単位
【Apple Muisc & iTunes Store】
◎ 順位推移 ~ 日単位
✿✿✿✿✿ 凡例 ✿✿✿✿✿
【使い方】
「◎」で始まる各項目の見出しをクリックすると、より詳しい情報あるいは関連情報が載ったツイートやブログ記事に飛びます。
また、「⬅︎」で始まる行文にもリンクが貼られています。
「◉」で始まる見出しは、原則としてリンクを貼っていません。
【当サイトの用語】
◉ Ranking指数
100位までが表示される日ごと更新の楽曲ランキングにおいて、ある曲が1日目(D)に10位にランクインした場合、10位から100位までを「獲得」したと考え、91点をその日の順位成績として与え、これをRanking指数、あるいは略してRiと呼んでいる。
Ranking指数の特徴は、順位と異なり、加算が可能なことで、例えば、曲Aの1Dが10位、2Dが50位、3Dが80位なら、Riは1Dが91点、2Dが51点、3Dが21点で、この3日間の合計は163点となる。
1Dから3Dまですべて1位だった場合は300点となり、これが「満点」なので、曲Aは300点満点中の163点を「獲得」したと捉えることができ、そのランキングにおける曲Aの「存在感」を表す数字とも言える。
加算をする期間は自由で、1Dから最新の更新日までの「全期間」に渡るRi総和を計算してもいいし、1Dから21Dまでの3週間のRi合計でもよく、複数の曲をどの基準で比較するかによって、自由に加算期間を設定することが出来る。
また、200位までのランキングでも、週ごと更新のランキングでも、同様にRanking指数を計算出来る。ただ、Riの比較は、同一ランキング内でのみ行い、異なるランキング間で比較するのは、Riの数値自体ではなく、15th以降の乃木坂歴代シングル表題曲といった、楽曲群が示すパターンに止めている。
◉ 日単位の小文字「d」と大文字「D」
YouTubeに公開されたMVの再生回数を考えるときに使われる、1日を区切る単位で、小文字「d」は翌日の公開時刻と同じ時刻までを1日とし、大文字「D」は日付が変わった翌日の午前6時までを1日とする。
例えば、6月20日(月)午後3時にMVが公開された場合、20日(月)午後3時から21日(火)午後3時までを1d、21日(火)午後3時から22日(水)午後3時までを2d、22日(水)午後3時から23日(木)午後3時までを3d、と数えていくのが「d」単位。
一方、20日(月)午後3時から21日(火)午前6時までを1D、21日(火)午前6時から22日(水)午前6時までを2D、22日(水)午前6時から23日(水)午前6時までを3D、と数えていくのが「D」単位。かりに公開開始が21日(月)午前4時なら、1Dはそこから日付が変わった22日(火)の午前6まで。
つまりd単位による1日は常に24時間だが、D単位による1日は、2D以降が24時間である一方、1Dは、午前零時から午前6時の間に公開されると24時間以上になり、そうでなければ24時間未満になる。
ちなみに、D単位の区切りを午前零時から翌日午前零時ではなく、午前6時から翌日午前6時に設定したのは、午前零時を過ぎた時刻のテレビ番組が、前日の深夜として放送され、そこで新曲のパフォーマンスが披露されたり、メンバー主演のドラマが流れたりするので、それらのMV再生回数に対する影響を、翌日ではなく、その日の数字として捉えたかったことが理由。
◉ 週単位の小文字「w」と大文字「W」
YouTubeに公開されたMVの再生回数を考えるときに使われる、1週間を区切る単位で、小文字「w」は翌週の公開曜日時刻と同じ曜日時刻まで、大文字「W」は月曜から日曜区切りの週が変わった翌週の月曜午前6時までを1週間とする。
例えば、6月20日(月)午後3時にMVが公開された場合、6月20日(月)午後3時から6月27日(月)午後3時までを1w、6月27日(月)午後3時から7月4日(月)午後3時までを2w、7月4日(月)午後3時から7月11日(月)午後3時までを3w、と数えていくのが「w」単位。
一方、6月20日(月)午後3時から6月27日(月)午前6時までを1W、6月27日(月)午前6時から7月4日(月)午前6時までを2W、7月4日(月)午前6時から7月11日(月)午前6時までを3W、と数えていくのが「W」単位。かりに公開開始が6月26日(日)午後10時なら、1Wはそこから週が変わった6月27日(月)の午前6までの8時間しかない。
つまりw単位による1週は常に7日間だが、W単位による1週は、2W以降が7日である一方、1Wは、月曜の午前零時から午前6時の間に公開されると7日以上になり、そうでなければ7日未満になる。
週間ランキングであるビルボードHot100は集計期間が月曜から日曜までの1週間で、「国内動画再生回数」もこの1週間におけるYouTubeのMV再生回数などを評価していて、それに対応するためにW単位を導入している。
アレチボルトのツイッター
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