kaeruのつぶやき

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死者は生者を近づける。

2016-02-15 22:53:03 | どこまで続くかこのブログ

   小父さんというと他人めきますが、妻の従姉妹の夫という関係ですから赤の他人ではなく、そうかと言って伯父叔父でもないので小父さんと表してます。その亡くなった人の月命日には夜小父さん宅で食事を共にすることになってかなり経ちます。

   今夜は小父さんがアキレス腱を切って1ヶ月半入院をしていた話をはじめて聞きました。60歳になる前のことだそうで、今年86歳ですから20年以上前の話です。私も妻も仕事に追われていた頃ですが、伺っていれば当然お見舞いに行っていたはずですが、はじめて聞きました、と言いましたら「そーかなー」と言ってました。多分奥さんが気をつかって知らせずにいたのでしょう。

   そんな話をはじめ年賀状を出したが家族からの本人の不幸の知らせが何通かあったこと、息子さん家族のいる地方へ移るタイミングが掴めないまま、この地に住み続けたいという思いなどなど、日頃思い悩んでいるであろうことが食べ終わり飲み終わると次々と話されます。

   20数年前は一ヶ月半の入院も知らずにいた関係でした、こちらは仕事中心の生活でした。小父さんたちも夫婦二人の生活を守っていたのでしょう。盆と正月と春秋の彼岸の年に何度かの行き来での消息でした。それが月一度の食事を重ねてきて一気に身近になってきました。第一お宅に出入りして実感するのは台所の近さです。

   小母さん(妻の従姉妹)のおられる時はそこは小母さんの聖域で、他の人は立入出来ない場所で、息子さんのお嫁さんが手伝いに入ろうとしたら入らないでくれと言われたそうです、昔の「女の城」の感覚でしょう。確かにお正月などお邪魔して感じられたのは、台所の遠さ-精神的距離感-でした。

  それに類する距離感が一切無くなっているのです。「死者が生者を近づける」と表したゆえんです。