KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

MINDMELT

2010年08月02日 | 日記


ほんとに暑さが続きますね。さすがにお盆あたりには暑さの折り返しに気づきそうな
気配はありますが。。。例年だと仕事で熱海に行くころなんですが。

この景気ながら実はありがたいことに
熱海のお客からお呼びはかかってたんですが
なんとなく電話やメールのやりとりで用が足りてしまいどうしても
顔を出す機会をここまで逸してしまったりする。
フットワークおちてるねん。いかんいかん。

熱海自体、風景が昭和最大の観光都市であり、そして
どこか怪獣が出現する場所であったのが年々キッチュでアナログな記号的面白さを失っており
その変化を目前にするのをタコもどこかで避けているのかもやしれぬ。。。

アニメ「地球防衛企業ダイ・ガード」の劇中ではなんと
熱海に日本最大の国際展示場が建ってたりするのですが、
(劇中で描かれなかったけど首都高速鉄道が発達してすぐ熱海に行けるんだろうな。
よく登場した中央線は今と変わらなかったようだけど)
熱海はここのところ、再々開発も進み、部分的にはダイガードでの未来予測通り
お台場と変わらない垢抜け(すぎ)た場所になっちゃいました、
なんてのはナシだぜATAMI。自分の中ではあいかわらずキングコングやゴジラ、
ガッパやギャンゴに襲撃されたモンドな熱海のまま。

そうそう、マーミットさんのアガスケロン、最近出たVER.は
まんま元のパチカードカラー再現なんで思わずオーダーしてしまったのだけど、
あれ届いたらちょっとテンション上がるカナ?
そったらまたウオッチしに熱海行きかな~。





夏の水辺にこらまた鮮烈なソフビ的追憶があるんですよ。

夏ごろの子供時分は、親や親戚の人や近所の団地の人たちと
よく車数台で連なって釣りに行ってたんですよ。
川沿いに釣具屋や食堂なんかがあって
そこで釣りの合間に食事したり親がお酒を飲んだりする間、店内を巡るわけ
なんですが、怪獣人形とかも当然売ってる。
空想雑貨さんのマスター氏が書いた本に書いてありましたが
「ジャイアントツインテールは海水浴場の海の家や釣具やのデッドストックとして
眠っていた!」っていう話のリアルタイムですな。あれは事実です。

昭和のころは遊びに行った先もそうやって釣具屋にしっかり怪獣が
待ち受けてるんですよ。吊り上げた鯉やフナ、なまずなどの魚やら、
網ですくったりスルメで釣ったザリガニやらと、店の軒先に
吊るしでぶる下がってる怪獣や怪人の人形。
川でラジコンのモーターボート浮かべてるラジコンマニアのアンチャン
なんかも居て、いわばローテクなテーマパークに行った感じ。

昭和のショミーンの家庭はリゾートなんぞにはちょいちょい行けなかったから
近場の遊園地に行くか、ただの川辺とか山の近くにデッチUPされた
パチリゾートで納涼されていたというわけ。
その手軽さは、今でいうゲームセンターとかスーパー銭湯みたいな位置づけカナ?

怪獣と春夏秋冬の森羅万象がごっちゃになっていて、
海水浴場、川と問わず夏の水辺はいかにも濃度が高い場所だった記憶があります。





自分が子供のころに釣りに行った川のほとりには
夏の間だけ稼動する掘っ立て小屋みたいな店が軒を連ねてた。

今考えるとそんな車の往来の多い場所はホコリっぽいし、
人も行き交うごみっとしたとこでメシ食うなんてたぶん思わないんだろうけど、
そういう場所の売り場にはビニールの爬虫類とかアテくじとか
怪獣人形とかプラモとか駄菓子系グッズなんかが置かれてて、
独特な空気を発しつつ釣りにやってきた子供たちを迎撃してた。

なんというか昭和のおもちゃの共通的な特徴として
「発達途上ならではのがむしゃらに過剰なエネルギーを漂わせている」傾向があるんですが、

いきずりで立ち寄った釣具屋とか
観光地のおもちゃ屋なんて、お客も日常からの開放感の中で見立てがユルイだろうし
パチ怪獣ソフビのような無版権の商材を売り逃げるには絶好の場所でしょう。
しかしそこは商人根性もあるのか、パチものとか平気で子供に売りつける商魂の一方で、
とりあえず手にしたモノでいっとき楽しく遊ばせる娯楽供給者として、
けっこう勘が鋭いというか、一家言あったのかもしれない。
実際、そういうお店にはうさんくさいけど
正規のおもちゃ屋では見かけない面白いモノがあふれていたように記憶してます。

店そのものがおもちゃ屋としてはパチ者、対・普通のおもちゃ屋のスタンスなわけですから
今にしておもえば、供給する業者も行きずりの客」相手で
商才に長けている特殊な手合いだったのカナ。
まあ、当時は娯楽も少なかったですしね。
まして昭和のおもちゃは、今では大きくなった人々の心を
なおひきつけるようなエネルギーを持っているのだから。

それにしても、われわれは怪獣ソフビという存在になぜ惹かれるのか。

娯楽への渇望がみなぎっていたものの
完全にそれを果たしえなかった未成熟の時代の面影を見出して
あたかも当時の精神的鮮度を、たとえ記号的なものにすぎなくても
今ひとたび取り戻したいから、なのかもしれない。

釣りなんて単調な遊びなんで獲物がかからないと、子供なんてすぐ飽きちゃうもの。
で、ふと水辺にたらした竿の先から目を川辺に移すと
あやしい店に目が行く。雨が降ると水が増水して沈んじゃいそうな場所に
ガクガクと傾いたような掘っ立て小屋を建てて商いをするセンスも謎ですが、
そんな投げやりな感じもまたタマラナイ。子供たちも誘蛾灯に引き寄せられるように
入っていくとそこには変なグッズや怪獣が。あとガチャポンまわしたりとか
子供たちは親が呼びにくるまで、だんだんここに来た当初の目的を見誤っていく。

それがまた釣具屋の軒先には巨大な吸血植物みたいなサボテンが植えられてたり、
悪の組織の幹部が連れてるような、しゃべる大きなオウムが足輪をはめられて
お客にささやきかけてきたり、入り口には
昭和の黒人カルチャーにのっとってトーテムポールなんかも
あって、「ワールドワイド」の記号を強引にしょったキーガジェットたちが
純和風の食堂である店内に無理やり暑苦しく溶け込んでお客を迎えてくる。

魚好きに商売になったんでしょうね、
熱帯魚屋もあったな、ワシントン条約?そんなものまだないっす。
平然とアロワナとかワニとかカメレオンとか売ってた。
怪獣も生き物もいっしょくたな感じ。ピラニア買った思い出がある。

まるで逆柱いみり先生の描く漫画に出てくる観光地の店まんまでしょう。
あれはほんとうにあった光景なんです。だから逆柱氏はよく読者に言われるのかも、
「なんでぼくの子供時代に見た風景をあなたが知ってるんですか?」と。

とにかく水辺といえば、過剰なエネルギーで、擬似的な観光地としてのアイディンティティを
いやがおうにも迷い込んだ者に注ぎ込んでくる場所。

デオドラントな日常離脱を果たす意味で完全な観光地といえる現在のデニーズランド
なんぞよりも、昭和の川辺はむやみに日常から乖離させることについて
過剰なエネルギーを供給するファンタスティックな空間でした。
そしてそこは怪獣たちが水から上陸し潜伏する場所という
子供たちにとっても重要ポイントだったのデス。



とりあえず強力な布陣を集め、冷やしてもらうことにした。ひえびえ~

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4 コメント

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Unknown (マンガ)
2010-08-02 12:46:07
また、だれか死んだのかと、小一時間
いや、最後の写真を普通最初にもってくるかと。

あと、前から言ってやりたかったんだけど、
君の親父さんが羽田によく連れてったのは、
「子供は飛行機が好き」って固定概念があったら、喜ばしてやろうと思って
安上がりレジャーしたんだと思うが。
ぼくだったらションベンチビるほど
喜んだと思うよ。

熱海行きたいな。ずいぶん変わったろ。
熱海話なんで、ラブプラス振ってくるかと
思ったけど、避けましたか。
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Unknown (タコペッティ)
2010-08-02 13:14:42
あー、確かにいきなりお地蔵様の並んでる風景で
一見するとギョッとなるよな。
こないだの書中見舞いの時期以来、
なんか目えざる存在が
いらしてるかもしれん、このブログ。
(このブログは彼岸から自動筆記で
製作されています)

>羽田
当時つれられて行って
ジャンボがずらっとそろった滑走路みても
「悪魔くん」のクモ仙人の話とか
ガッパとかサンダ対ガイラの1シーンとかしか
脳裏に浮かんでなかったような。

自分はそういえば幼少時に
リゾートに行った記憶がないな。
昭和の特撮モノに出てくるフラミンゴのショーが
有名な行川アイランドも行ってないと思う。

熱海・鬼怒川・油壺は
近場でいけるリゾートとして頻繁に
つれてってもらったので
でおきしりぼかくさんに当時の情景が
メモライズされているけど。

ワンフェスでもカメコの人たちと
コスプレの女の子たちが「熱海で会いましょう!」
とか話してた。
返信する
Unknown (マンガ)
2010-08-02 13:47:44
下のベッコスの記事、隣のギャンゴ
色もいいなぁ。と思いました。
字は藍色で、体の部分が温泉地の
トーテムポールっぽく原色で無駄に塗られてる
カンジに(つか、まさにギャンゴっぽく)

泣いてたまるかって、ウルトラよりも後なのに
白黒なんですね。
思えばセブンよりも後なのに
河童の三平なんかも白黒だったので、
ギリギリだったんでしょうな。
なんてモッタいねぇことしやがる!!

NHKの人形劇なんて取って捨てたり、
ビデオ撮りで上書きとか無茶苦茶だったから、
フィルムが残ってるだけマシなんだろうなぁ。


あ、フィルムと言えばこれ。
ppgcom.blog12.fc2. com/blog-entry-3566.html

宇宙部ネタなんだけど、ロルフとマティーって
映画監督?が
延々16mmのカトゥーン見ながら
薀蓄語るだけのネタだけど面白かった。
当時カーシアターとかでかかってたフィルムそのものをコレクションしてるの。
当時モノの特撮フィルムを救ってる人たちって、こういう人なんだろうなぁ。と。


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Unknown (タコペッティ)
2010-08-02 17:10:22
>ギャンゴ
観光地に現れる怪獣としてベストなデザインと
造形ですね、ギャンゴ。当時の南洋趣味も
敏感に造形に取り込んでるし。ベムラーの改造
なんですが気が利いてます。このビニパラの
ギャンゴは本編のウルトラマンと遊んでるような
ギャンゴのとぼけた感じを
よく落とし込んでいると思います。

>泣いてたまるか
当時はキイハンターとか特別機動捜査隊など、
はじめは白黒だったのだけどだんだんカラーに
移行した番組も多かったし、カラー番組が
普通に作られるようになってからも
制作費などの面で白黒で製作された番組も
多かったです。この泣いてたまるかもすでに
カラー番組があった頃の製作でしたが
まだカラーテレビを導入していた家庭も
少なかったでしょうしね。カラーで動くナキラも
見たかったです。

>フィルムが残ってるだけまし
東映とかは初期の白黒番組を除くとよく
とってあるなと思います。そのぶん保存が
よくないですけど。キカイダー01とか
ロボコンとかDVDになってもフィルムがチカチカ
点滅してました。

NHKはある時期までガンガン
番組の録画消してますからね。信じられんなあ。
それでも貴重な番組をいろいろ見せてくれた
NHKアーカイブスもある時期から
番組中に今のスタッフがしゃべる声が
かぶったりするようになったり、
神経を疑うようなことをしてましたね。自分は
とたんに見なくなりました。
所有権主張するためかわからないですが
変な小細工をするなら放送しなくていいよと
マジで思います。

>当時ものの特撮フィルムを救ってる
すごいから映画監督とかでも古い映画の
フィルム倉庫で昔見た映画を掘ってる人とか
いますね。で、監督と役者に許可を得て
DVDリリースしたりしてます。
アメリカのカーシアターとかポルノ映画館とか
ストリップ劇場の前座でかかってるホラー映画
とかは奥深いですよ。まともに見てると
一生終わっちゃうくらいの数で、内容も
スカム・ガラクタ度が高くて
端から見てると人間やめちゃいそうなくらいで
発掘する価値はあるのかなあとは思うけど
そこはマニアの性ってやつでしょうか。

海外はそれ専門の業者間での
発掘情報を交換する雑誌まで出ていますね。
日本でも幻といわれるような映画も戦後では
かなり絞られてきたんですが、
先日もいきなり「空飛ぶ円盤地球を襲撃」の
フィルムがヤフオクで300万円の値で出品されて
一時期は誰の手元にいくかで大騒ぎになって
いましたね。
何回か再出品され、結局誰か落札したけど、
その後どこかDVD会社が落札者に
持ちかけて、ソフト化に動いたのか
どうか。。。ワンフェスでその進捗がどこかの
DVDメーカーのブースでサプライズ発表
されるという話もあったようですけど、
結局どうだったのかな~。
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