
怪獣たちが我がもの顔で暴れていた有史以前といえる昭和の時代、
神秘の魔境に潜む「世界の怪獣」、そして生きていた恐竜を
自社のソフビ2本柱に据えてリリースしていた、
知る人ぞ知るグレートバイナルメーカー、
大協(たいきょう)のプロダクツを現代に復活させてきた復刻堂さん。
ザゴラ、マイティに続く大協復刻ニュープロダクツは、
なんとセット販売された当時物怪獣4体セットの特典。
ついに古代怪鳥ジアトリマが降り立った!
(まあ、ジアトリマは飛べる鳥じゃないケドね)


ジアトリマはオリジナル解釈も多い当時の恐竜ソフビの中では
生物感も漂い、造型も細かくマニアからも評判のいいソフビ。
手にすると顔の脇にウロコ状になった皮膚のディティールがあるなど、
恐竜と鳥類の中間にある進化途上の生命体である証拠も
原型師の解釈により刻み込まれ、当時物としてはリアリティの横溢した
ソフビといえます。
最大のミリキはこの獲物をキッと睥睨する
ファイティングスピリットあふれる猛禽類特有の表情。
なんとも獣としてサベージな色気の漂うソフビです。

「オラー!ごちゃごちゃ文句ほざいてると食うぞ コラ!」てな
上から目線のガン見を、いろんなソフビたちと並べて満喫。
昭和当時の怪獣カードには独自解釈で描かれた恐竜たちや
古代の生物たちが描かれ、怪獣とは別次元の子供たちの夢を育んでおり、
このジアトリマもよく恐竜たちの生存競争の修羅場に登場人物として組み込まれ、
サイズの小さい恐竜の巣を襲っては親恐竜と睨み合いをしたり、
卵を巡って膠着状態になっている。。。
といった図像も多く見受けられました。

しかしジアトリマを製品化する、というのはいい目の付け所ですね、
当時の大協は。飛ぶ鳥系の恐竜としては、普通なら大御所、
プテラノドンとかになるところですが、
ほかのアロサウルス、チラノサウルスなどの販売された恐竜たちと
ならべても翼竜は線が細かったでしょうし、賢明な判断でしょう。
オーロラプラモで同じ2本足の古代の巨鳥・フォロラコスがキット化
されていましたが、当時日本のトイメーカーは海外のトイに学んで
というかインスパイアされてアイテムを企画していたので、
意外とその事実を踏んでのジアトリマだったのかもしれません。
ジアトリマをアイテム選択したのも単に2パーツで分割がしやすいから
以外に、2本足の鳥はシンプルだが力強く「子供に受けそう」に見えたのかも。

大協の「生きていた恐竜シリーズ」は今の目で見るとけっして
科学的真実を基にしたリアリティのある恐竜フィギュアのような
精緻なモノではありませんが、
妙に生々しい造型とワイルドな表情をしたアレンジに効いたアイテムが多く、
一方で怪獣ソフビのミリキであるやんちゃ造型も程よくミックスされた
こともあって、怪獣のソウルも蓄えたシリーズとして、今も支持するファンが
根強く存在します。当時、怪獣ソフビが吊るされているオモチャやの
片隅にあったそれらの恐竜ソフビは版権モノの合間を縫って
ハリウッド映画「恐竜100万年」などの恐竜エンタメ映画のヒットに
便乗した要素もあったのですが、昭和の原型師による独自解釈で
力強い造型のものも多く、当時ならではの味も持ち合わせている。
マルブルの怪獣ソフビムーブメントと
隣接したトイカルチャーとして個々に再検証するのもソフビの考古学的な
意味合いでは新たな興趣を添えることになるかもやしれません。
この恐竜ソフビの考古学は科学的な答えこそないけど、想像はあくまで
手にしたヒト個々に自由にめぐらせ新たな精神的事実を発見する。
それはセンスオブワンダーに満ちた疑似科学なのですから。

大協といえば恐竜シリーズと双璧をなす「世界の怪獣シリーズ」。
そのメインキャラクターであるザゴラ(山中の怪獣)。
こんな名獣でありながら、いつも撮影してる「終末の岩場」で
まだ撮影したことがなかったのでこの機会にパチリ。

「世界の怪獣」でイラスト化されたバックショットを再現。
トゲトゲした威圧的な背中のスタイルこそザゴラのアイディンティティ。
ヤツも古代からザゴラ山中に生息していた恐竜の一匹なのでしょうか。
まあ中岡俊哉先生の脳内の古代に生息していたんですが。
そんな意味では恐竜シリーズの一員みたいなものですよね。
怪獣と恐竜が混在して生息していた昭和の怪獣魔境においては。
さて、今回の復刻堂さんver,ジアトリマなんですが、
当時物カラーはイエロー。
この復刻版のブルーは復刻堂オリジナルカラーなんですが
なかなか当時あったっぽい色だなあと思いつつ
パチ怪獣カード関係の資料を見ていたら、あっ、この色だ!と発見。

(「ラドン」で航空写真に映っていた謎の羽根のようなものと
博士が持ってる恐竜図鑑に載ってるプテラノドンの絵の羽根が
ぴったり一致するあのなんともステキなシーンを脳内プレイバックよろしく)
パチ怪獣カードメーカーでは有名なヨコプロのカード。
うさんくさい怪獣がいっぱいのヨコプロカード。
版権怪獣をつぎはぎしたイイカゲンな怪獣で枚数が
埋まらなかったのか、ときおり水増し的に
混ざっていた恐竜たちのカード。その中に東京に出現した
ジアトリマのものがありました。
昭和当時は発展する東京を象徴する
最新鋭の乗り物だったモノレールをまたいで
大暴れするジアトリマのカラーをイメージして
復刻堂さんもペイントしたのカナ?
そんな意味ではこの復刻ジアトリマはパチ怪獣扱いにもなる
ボーダーレスな存在に位置づけられるということですね。
特典アイテムだったし、2重に得した感じ。

さらに調べてみたら、上のヨコプロの図像はイワタプロの
パチ怪獣カードでレタッチ職人によって
あんまりな姿にされて、ヤケになったのかお城を襲撃してました。
おまけに身長200メートルくらいあるし。
くわばらくわばら。今回復刻されたんだから変な触覚立てて
全身から光線出したりして怒るなよ。
ここまでいったらジアトリマも「宇宙怪獣シリーズ」と立派に銘打って
ソノシート付きで発売できたでしょうね。

せっかく2000年代の現代に復活したことだし、
モノレール=浜松町からバージョンアップして
ゆりかもめ(新都市交通)=お台場あたりに出現させてやろうと
思い、お仕事で出かけたときに国際展示場でパチリ。
古代怪鳥がひそかに埋立地に存在し、地上げ中でヒトの通わぬ
閉鎖されたハイテクビルにいつしか巣食い
人を襲って繁殖していた!みたいな妄想ストーリー。
「鳥を見た!!」
つ【FAITH NO MORE/CAFFEINE】
http://www.youtube.com/watch?v=nPlg_STTmLE
自分のオールタイムベストアルバムはこの「ANGEL DUST」。
つ【FAITH NO MORE/SMALLER AND SMALLER】
http://www.youtube.com/watch?v=Scwzso1rs48
つ【FAITH NO MORE/EVERYTHING RUIND】
http://www.youtube.com/watch?v=W1JNS3x24kU
いまだと、画面になじませるとかで、全部CG合成になっちゃうんだろうな。
イラネ。
最後はオー・マイキーあたりだった気がするな。
これはもっと真面目だと思うけど。
なんつうか、今の子供たちは、ヒーローと怪獣怪人ソフビとかで
目カメラ特撮とかやるんかね?
ソフビ世代は戦隊、戦隊は怪人造形物がない。
メガゾードだけで遊ぶってことだよね。
ちょっとつらいかも。
敵フギャーがあっても、目カメラで
D1編集入れるのはつらいよなぁ。
4歳児が『ぼくには、むりだった』とか語りそうな。
実際、だからウルトラどころか戦隊じゃなくて、ポケモンに持ってゆかれちゃんだよな。
ポケモンにとってのウルトラや戦隊は、ライダーにとってのタイガーセブン以下ってことか。
10年後はポケモンソフビコレクターががんばるんだろうなぁ。ウルトラはニセモノだから。
多用していったら、CGで全部作るので
素材撮りだけになり、それに頼るので画面に
緊張感がなくなったり、目カメラ?っていうん
ですか、見立ての面白さが特撮モノの映像で
見られなくなったということですよね。
自分がなんとなく現行の特撮作品にノレない
のもそういうところがあるかも。
カノンとかいっそのことCGナシでわざと
妖怪たちのキグルミ劇を全面に押し出した
ほうがミリキのある作品になったろうに。
ドグちゃんあたりはポップな番組のテイストと
CGがハマっていたのでやはり作品がどういう
仕上がりを要するのか把握してCGをどこに
使うかとかよく考えないといかんのでしょう。
正直、最近の戦隊よりもオープン撮影を
多用していた頃のカーレン、メガレン
ゴーゴーVあたりまでの方が作り手のヒトの
ぬくもりがあり感動も大きかったですたね。
マスコットキャラが操演でなくCGになってから
何か画面設計が安易になったように思います。
たぶん子供もアナログ特撮を部分的に
使用したほうが情緒豊かに育つと
思いますしね。
今のコが目カメラ使うかなあ、技法のひとつ
として見てるでしょうね。
目カメラ使い方しだいなんですけどね。
たとえばモノレールの写真をどこからか
持ってきて、部屋撮りのジアトリマを
カット&ペーストすればできる画面もあるけど
自分は現場撮りのほうが面白いと思うんです
よ。
>ポケモン
自分も10年後はポケモンあたりが
レトロになると思う。
まあわしらはとてもそのコレクターにならない
だろっけど、たぶんヨノナカ的にはそうなる。
それがいいからじゃなくて、でもしか論の
話でそうなるだけなんだけど。
一周して現行のデザイナーズソフビも
今の当時物レトロソフビみたいな
ポジションに移行するのかも。
で、オリジナルのマルブルは
今のブリキとかオキュバイド
ジャパン系のオモチャみたいな
いよいよ彼岸の存在に。
文化人的に数人のビッグコレクターが
集めていて世間に見せることで社会的認知は
されているけど、一般には集めてない、
どこにもコレクターがいない、
みたいな流れになったら。
こわいですねおそろしいですね。
オリジナルの怪獣ソフビはそのときどんな
位置づけにあるんでしょう。
ジアトリマの復刻が出ていると聞いた時鳥肌が立ちました。
当時の物は大協の刻印が押してない偽物が多いということを聞いた事がありなかなか欲しかったのですが手を出せずにいました。
このチャンスにこれはなんとしても手に入れねばならないと思っています。
もし手に入ったら同じにおいのぶたのはなさんのティタニスと一緒に飾りたいです。
タマロさんは初心者丸出しw
おはようございます。
刻印のない偽物ってあるんですか?
マルサンオリジナルとかでも
本家から出てるのに2期というか
増産分の成形色違いは刻印のないものって
あるんですよね。大協についても
たぶん生産上で何かあったとかではないかと。
ぶたのはなティタニスはすごくいいですね。
あのメーカーさんは最近の科学考証下の
恐竜として作っているのにしっかり
レトロになっているところがサスガですね。
おはようございます。
昭和の怪獣ソフビのような
消費財は今のようにメーカーが
存在を表明してないので誰が作ってるという
意識もなく、気がつくとおもちゃ屋の電球の
下に吊るされて売られていたような
ところがあり、
本物もニセモノもなかったのが実態ですね。
しかし今はマニアなんてのが居て、
40年も前のことをよく調べ上げるな、
というようなことまで詳しくなっていますね。
ラインナップとか色違いとかスプレー
バリエーションの違いとか。
そこでいろいろ考察のし甲斐があるというか。
あまり陶芸とか書画のような
ガチガチな出自証明を要するセカイではないし、
格式とか額縁のようなものがない
セカイだから面白い、そんなところが
またいいと自分も思っております。
おまけでジアトリマくるとは思わなんだヨ
何処ぞの某ブログで見たときは・・・・
この色にはやられたな。仕入れたらもっと褒めたれw
うん!いい色だ!ジアトリマに合ったソフビらしいホノボノとした色使いだと思う。極彩色ですね
カードから色使い?持ってきたのもいいですね
言われて見るとそうかもしれないよ?目の付け所が鋭いなwバックの背景色からインスパイアされたのかもしれないね?ここら辺の事聞いてみたいですね。ところで大協最大の謎、ケラトは果たして宇宙怪獣シリーズの一環だったのか?
確かソノシート付だったっけ?今度、タコペの見解キカセテネ
こんばんわ。意表を突いたおまけでしたね。
おまけっていうかピンでいけるインパクトで
ないの、と箱を開封した瞬間思いましたが
まあこれは素直に嬉しかったです。
色も南国の鳥みたいでいいですね。しかも
今回復刻堂さんのアイデアにより
恐竜時代の猛禽類であって、さらに
パチ怪獣定義も組み合わさったわけで
ジアトリマのただでさえヨサゲな造型の存在感が
2倍楽しめる格好に。
パチカードは何の根拠もないけど、
どう見てもこのヨコプロ・イワタプロ
カラーですよね。パチには一家言あるバクラー
さんが「そうかも」と思ってくれたなら
これぞ精神的事実として認定したく思います。
>ソノシート
その辺はいろいろいままでコレクター氏の
議論百出してるんですが、この情報化の
時代においても、どうも
「肝心のソノシートがいつまで経っても
発掘されてこない」「誰も当時持っていて
聴いた、という証言がない」
ことでひとつの意見にほぼ収束
しつつある気配です。たぶんいずれ
拙文ながらその件は、ケラトは
宇宙怪獣であるか、という件と合わせて
語る機会はあるかと思うので
そのときはバクラー?さんのマニアとしての
闊達かつ忌憚ないご意見も
是非お聞かせいただきたく
改めてよろしくお願いいたしマス。
今年もレポート楽しみにしています。
先日某ショップでジアトリマの大協オリジナルを久しぶりに見つけました。
復刻の方が良いかなと思っていたのですがやはり断然オリジナルの方が良いですね。
あの黄色成型ですが今の時代には無い雰囲気がたまりません。
あっ!でもぶたのはなさんの恐竜ソフビはあの雰囲気に勝るとも劣らない感じがします。
僕は病的なぐらいの飽き性ですぐに手放してしまうのですがオリジナルブルマァクとぶたのはなさんの恐竜シリーズ、東宝シリーズは全く手放すきになりません。
ぶたのはなさんの恐竜、東宝シリーズは僕の中で古物の域まで達しています。
いつの間にかジアトリマの話しからズレてしまいました。
すみません。
今年もお互い散財に気を付けましょう!
新年おめでとうございます。
今年もよろしくおねがいします。
ジアトリマは造形自体が昭和当時のもの
にしてはソフビによる恐竜図鑑を目指した
らしい?大協のコンセプトどおりで
精緻かつ精悍であるところは特筆すべきです
ね。顔や足を踏みしめている感じの筋肉の
使いっぷりとかじっくり眺めても
見所満点です。
あのオリジナルのイエローは
好みが分かれるところかな。
安っぽいというヒトもいるし、
あのそっけない感じが当時のソフビらしい
飾り気の無さで愛着が持てるという
ヒトもまたいるしで。青ブラシのほんの
サラッとアクセント程度に吹いたような
感じも好きです。イエローのオリジナル
ジアトリマの復刻もありかなと。
>手放してしまう
それでも持っていたいものは持っていると
いうのは、理屈でないその対象の良さを
自分のものにしたということでしょうね。
実際、なかなかそういうアイテムは古物、
現行品問わずなかなか出てこないような
気がします。ありますよね、
手にした時にハッとしてこれは
何が何でも持ち帰りたいと
ざわざわするソフビって。密林の奥地で
宝石に出会ったみたいな感じですね。
そうなると高くても問題としなくなるので
さあ、マニアの散財クレイジー回路
発動の瞬間です(笑)
その散財もこれは、というときがあるので、
ウルトラマンの伝家の宝刀スペシウム光線
みたいに発射タイミングがあるようです。
そんな意味では散財に気をつけましょう、
ですね。ほんとにお互いに。
でもタマロさんもコレクター
何年選手とかなわけで
自分の好みのソフビのラインがすでに
見えてきたんではないですか?
書き込みを伺っていると
そんな様子も見えてきたりなんか。
ある程度ストライクゾーンが見えてきた
ところで、2011年もタマロさんの
お気に入りソフビのお話をまた
せひ聞かせてください。