怒りのメゾフォルテ

娘を奪われました。二度と帰ってきません。奪った人たちの対応に怒りが募ります。

2月2日 市民報告会5<再発防止へ>

2013-02-02 08:24:55 | 事故後の動き
正しい事を順序立て、地道に理論付けて主張し、

正当性が認められていった、2年7ヶ月だった。


これが教育? これが学校?  の理不尽さ

受け身のままでは何も変わらない現状に、一歩一歩進めていった。


その努力が、

全面勝訴の和解文の民事訴訟勝ち取り、市長・教育長の謝罪、

章南中内の事故情報プレート設置、

そして昨晩示された卒業アルバム事故事実の記載、と認められていった。


かけがえのない娘の死から、感情論を抑え、

≪生徒の命を守る学校の責任≫を明確にしていった 2年7ヶ月だった。



今日主人は午後から、また一歩進めて、

再発防止の今後のため、多くの方の支援を受け、豊橋市での市民報告会をする。




                  ≪娘の命の意味≫を考えるために






*****
報告会での主人のレジュメを記す。(長いですが・・)  ↓   ↓  ↓

                                                2013年2月2日
                                               報告者:遺族 西野 友章
                            再発防止へのお願い

■ 和解成立の報告
▼  浜松市の浜名湖で2010年6月に起きたカッターボート転覆事故で、私の一人娘、花菜は亡くなりました。豊橋市立章南中学校の1年生でした。私たち両親は、2012年5月に、豊橋市や静岡県などを相手に損害賠償を求め提訴しました。主に豊橋市の責任を追及したこの訴訟は、市が責任を認め、県側が賠償金を支払うことで、終結しました。
(豊橋市と施設は昨年10月、静岡県は12月に和解成立)

▼ 裁判の経緯
この裁判は、 「豊橋市にどんな責任があったのか」、「学校は何をすべきだったのか」を明らかにし、責任者に謝罪させ、二度と繰り返さない取り組みをさせなければとの思いで起こしました。
事故は荒天の中、野外体験学習が実施される中で発生しました。この体験学習は学校が企画し、正課の授業として行われました。体験学習を実施したのは「静岡県立三ケ日青年の家」です。この青年の家は、東京の「小学館集英社プロダクション」が県から管理運営を委託されていました。
事故後、豊橋市教育委員会は一貫して「三ケ日青年の家」に一義的な過失責任があると主張していました。また佐原市長も「静岡の施設のプロに任せる中で、事故は起きた」との立場でした。
私は「子どものいのちを守るのは豊橋市。娘は授業中に先生の言われた通りにした結果、亡くなった。預かった生徒を保護者に返せなかったのは学校だ」と訴え続けてきました。 「学校の過失を明らかにしなければ事故の再発は防げない」と指摘し続けてきました。学校側の責任を問うために署名を集め、豊橋市議会に請願し、市長に謝罪を求め、提訴までの1年10ヶ月、手を尽くしてきました。しかし事故直後から市の対応は全く変わりませんでした。最終的には司法判断に委ねざるを得ませんでした。学校や市教委のやるべきことが明らかになった今、その動きに注目していかなければならないと思っています。

和解は成立したけれど
▼  私たち遺族が、学校や市教委、市議会や市長に訴え続けても、その責任について曖昧にし続けてきた豊橋市は、裁判所からの促しでようやく被告豊橋市の責任を指摘した和解条項案をそのまま受け入れました。市長が責任を認め遺族に謝罪したことを、学校や市教委がどのように受け止めているのか、和解から3か月経っても踏み込んだ対策がないことに不安を感じています。

▼ 和解直後の市の対応
和解成立後、生徒への安全配慮義務違反を認めるかについて、市の代理人は法的責任を否定しています。10月26日の読売新聞の中で、代理人弁護士は「原告の請求は損害賠償であり、市に賠償責任を課せられなかったことから法的責任は認められなかった」と述べています。問題の本質を何も理解していないのではと感じます。また遺族への謝罪についても、「報道を介して謝罪の意思を伝える」とし命を奪った側の不誠実さに不信感が高まりました。
▼ 市長謝罪の状況
市長が学校の過失を認め謝罪したことは、大変大きな意義があると考えています。しかし、私が市長に「これまで責任を否定していたが、どう変わったのか」と質問したところ、市長は「認識は変わっていない」を繰り返すだけでした。さらに質問を続けようとしましたが、学校教育課長に「以上で終わらせて頂きます」と予定より5分ほど早い時間に退席を促されました。この場面でも、市の責任の捉え方と不誠実な言動に、疑問ばかりが残りました。
私の不安
私は市長に「学校側の安全管理が不十分だったとの認識の上で、再発防止の取り組みを進めてほしい」と要望しました。それをどのように市長が受け止め、市教委がどのように各学校に展開させたのかわかりませんが、週に一度接している学校からは、和解条項を理解して、再発防止に取り組む必死さが伝わってきません。市教委は、学校任せの状態を裁判所から指摘されているにもかかわらず、訓示程度の話し合いしかしておらず、具体的な施策は未だ実施されていないようです。
私たち遺族に対する不誠実さが、二度と繰り返さない熱意と同じでないこと祈るばかりです。
■ このままではよくない
▼   『今後二度とこのような事故が起こることのないよう、生徒の生命及び身体の安全を守るのは、第一次的に各学校の教育職員であることを強く自覚し、各教育職員が生徒の安全に対する意識を高く持ち続けるために、研修等に努め、再発防止に向けて不断の努力を約する』 (和解条項より)

▼ 章南中学校ホームページより
平成22年6月18日、浜名湖で実施されたカッターとう漕実習中、カッターボートの転覆により本校1年生徒の尊い命を失いました。今後、二度とこのような事故が起こることのないよう、章南中学校は次のことを約束します。

(1) この事故を決して風化させることなく、本校に勤務する教職員に引き継ぎ、教育活動においては、生徒の生命を第一に考え、安心・安全に教育活動が展開されるよう努めていくこと。

(2) 学校行事、学校教育の場において、生徒の生命及び身体の安全を守るのは教職員自身であることを強く自覚し、安全管理に対する意識を高くもち続けること。

(3) 安全に対する研修等に努め、事故の再発防止に向けて努力を続けていくこと。

(4) 安全指針および安全対策マニュアル(以下に示す)を随時改訂するとともに、その実効的な運用に努力していくこと。


私は、この掲載を見て、章南中の教頭に「理念ばかりで独自の取り組みはないのですか」「表面的な取り繕いばかりのように感じます」と訴えました。 「努めていく、意識を高く持ち続ける、努力を続けていく、努力していく」など意識に訴えかけるものばかりで、具体的な取り組みが見えなかったからです市教育委員会の安全マニュアルにしても、効果の見えない、喚起を促す言葉ばかりで、「二度目はないんだ」という強い決意が感じられません。
▼ 浅い受け止め
浜名湖で起きたこの事故は、激しい雨が降り、白波が立ち始めている湖に、経験のない生徒と教員だけが乗ったカッターボートを出航することに、生徒を引率しているにもかかわらず、校長は何も判断をせず、教員は誰も中止を訴えなかった危機管理意識の希薄さが引き起こした事故であり、目の前で行方不明になっている生徒がいるにもかかわらず、その場を離れる先生の資質欠如そのものが招いた死亡事故なのです
そのことに対して司法が、学校の誤った行動を明確に指摘しているにもかかわらず、未だに自らの責任を少しでも小さく見せようと、そんな意識ばかりが優先されているように思えます。豊橋市においては、和解調書を「広報とよはし」に全文掲載のお願いをしても、スペースを理由に拒否し、ホームページへの掲載についても、拒み続けています。学校や市教委、豊橋市は、和解条項をどのように理解しているのか、受け止めが非常に浅いのではないかと感じます。

■ 二度と繰り返さない取り組みについて
▼  豊橋市の今の受け止めのままでは、また悲劇が繰り返されるのではないかと感じています。学校がやるべきことやらなかったために命を落とした事故に対して、司法も明確に豊橋市の責任を指摘しているにもかかわらず、豊橋市全体から強い覚悟と緊張感が伝わってきません。

現行の対策を見ても、和解条項を受けての具体的な取り組みが薄いと思います。
・約束を達成するための具体的な計画がない。(予算や研修、訓練などがない)
・効果の見えない施策ばかりで、こうあるべきだという理念のみ。
・市教委はどのように危機管理体制を構築するのか見えない。(情報共有なども含め) 
今後も、豊橋市教育委員会が野外教育を継続するのであれば、教員の資質向上は不可欠な課題だと思います。各学校任せにするのではなく、市教委の責任において指導していくべきです。
この事故は学校の危機管理の欠如が招いたと真摯に受け止めているのなら、例えば文科省が示しているように、「潜在的な危険を予知して、安全確保のための積極的な行動力や判断力を育成する」ことや、「引率者リーダーの迅速で的確な危険予知、適切な処置などが出来るようにする」を実行するために、予算を確保して、人選して、教員を育成し、結果を把握しながら新たな問題点を是正していく。それが不断の努力だと思います。「防ぎようのない事故だった」と考えている市教委からは、子どもの安全を必死で確保しようとする姿勢が伝わりません。
いつまで経っても当事者意識の薄い学校関係者の意識を変えるには、どうしたらいいのでしょうか。学校が守るべきいのちについて、もっともっと豊橋市全体の取り組みが必要だと感じています。
私たち遺族は、娘の死を無駄にしないためにも、事故が事件に変わらないように、この事故を経験した豊橋市全体に、「二度目はないんだ」ということを訴え続けていきます
■ ご報告
・市教委への質問の回答
・花菜の章南中卒業式について
・基金の計画
・HPの紹介 「浜名湖ボート転覆事故を考える」 http://www.always-kana.com/




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