忍者イリュージョンというサブタイトルがついているが
イリュージョンも演出の一部として生かされている『ミュージカル』である。
主演のMA4人の配役がそれぞれにぴったりであった。
原作に似せたメイク&コスチュームだけではここまで馴染まないだろうと思わせる。
主人公ナルト=屋良朝幸、舞台を終始跳ね回る元気アクションとフライング
サスケ=町田慎吾、あくまでもクールに決める姿もお似合い
我愛羅=米花剛史、重そうな小道具の大ヒョウタンを背負い、かつ意味深な雰囲気
そして原作にはない悪役コワネ=秋山純が、堂々たるアニメキャラ風のかっこよさを発揮。
長身にキラキラ衣裳、銀色の長髪がとても似合っていたので、欲が出て
「台詞をもっともっと『悪』にしたらいいのに」と、密かにダメ出し。
油断すると『いい人なアキヤマ』に聞こえてしまったのは、こちらのせいかもしれないが。
さて、さらに共演陣も素晴らしかった。
コワネの仲間ワカ=ミュージカル女優の新妻聖子
コトノハ=元劇団四季の岡幸二郎
ふたりはコワネと共に『歌・声』に威力があるという設定で、しっかり聴かせてくれる。
(秋山純のコワネの歌声も追随するものがあり失礼ながら期待以上に上手い)
コワダカ、コワブル=レギュラー(吉本興業)のおふたりが舞台に笑いと深みを追加
忍者トップの綱手=元宝塚の愛華みれ、トップにふさわしい貫禄?
少女忍者サクラ=三倉茉奈、かわいい・・・
そして双子の三倉佳奈による『脳内サクラ』という設定が素敵
他に、カカシ=岩崎大、ラーメン店主=尾藤イサオ
子供達に大人気の漫画(&アニメ)の舞台化なのだが
子供向けに作ったものという感じは受けない。
歌(アクションあっても全て生歌)も振り付けもイリュージョンもユーモアを忘れない脚本も
全てが過不足なく配されていて、とても楽しく素晴らしい舞台であった。
大人でも充分楽しめる本物
だからこそ、きっと子供達も多くのものを受け取れたことだろう。
NARUTOは「観られてよかった!」と心から思える舞台のひとつとなった。
今回の観覧席は1階2列目だったので、全景図を楽しむにはちょっと近すぎであった。
できればもう少し遠い席からも鑑賞してみたいところだが
翌日が東京での千秋楽なので、もう一度観ることが叶わないのが残念である。
残る『大阪公演』に足を運べる方は、この舞台、どうぞ楽しんでいらして下さい。
秋山純のコワネのコスチューム