「9」のつく日は空倶楽部の日。
奈良からの空倶楽部が続く。
再建された中金堂の落慶法要と一般公開を間近に控えた興福寺。
「あいかわらず間が悪い」と完成したばかりの中金堂をうらめしく眺めた後、
振り向いて見上げると、さわやかな秋空に五重塔が映えていた。
その姿、個人的にはどの寺の仏塔よりも勇壮との印象をもっている。
さらに今回、その隅々まで目を凝らして眺めてみたところ、
各階の木組み、やわらかく湾曲した屋根、整然と積み重ねられた瓦、
そして、九輪や水煙の精巧なつくりなど、
その勇壮さの中に、しなやかで洗練された美しさがあることに気づいた。
圧倒的な存在感はもちろんのことだが、
この繊細な造形美こそ、国宝の国宝たる由縁と、あらためて感動した次第だ。
ところで。
空倶楽部の今月のお題は「鉄塔と空」。
鉄塔ならぬ仏塔でお題クリアとはならなかった。
鉄塔写真を撮らなかったわけではなかったが、
何せ難題、いずれの出来も秋空に映える五重塔の印象には及ばなかった次第だ。
土岐麻子 - Another Star
スティービー・ワンダーのオリジナルは
叩きつけるようなラテンのリズムが体を揺さぶるノリの良い曲。
一方で、こちらのアレンジは土岐麻子の愛らしい声をフィーチャーしたしっとりとしたジャズバージョン。
さわやかな秋空を眺めていたら、ふとこのバージョンが持つ浮遊感を思い出した。