折にふれて

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銀座ライオンビアホール

2017-12-23 | 舌づつみ

東京そぞろ歩きが続き、今回は「味処」編。

 

東京での食事は大衆的な老舗が多い。

また行動範囲が限られているので、偏った店に重ねて訪れることが自然と多くなる。

その中で勝手に常連と思っている店をいくつかあげるなら、

浅草、デンキブランの「神谷バー」、神田の老舗、蕎麦の「まつや」、

そして銀座ならここ「ライオンビアホール」である。

いわゆる「銀座ライオン」は東京の主要繁華街はもちろん、

空港や駅、そして全国各地に出店している。

何か事情があって撤退したのかもしれないが、

かつては金沢にも2店舗の銀座ライオンがあった。

全国の銀座ライオン、その数170店舗とのことだが、

銀座7丁目中央通り沿いにあるこのライオンビアホールだけはまったくの別格と思っている。

その歴史は大正7年(1918年)に遡る。

「銀座ビアホール」として開店したものの、関東大震災でいったんは焼失。

昭和9年(1934年)に再建され現在に至っているというから、写真中に見えるように今年で83年。

日本に現存する最古のビアホールとして今も老若男女多くのファンに愛されている。

 

さて、そんなライオンビアホールでのオススメを独断的にご紹介。

 

まずは、エビス スタウト クリーミートップ。

コクとうまみ、そしてクリーミーな泡はスタウトビールの代名詞、ギネスにもけっして劣らない。

「黒ビールは苦手」という方にもぜひお勧めしたい。

 

そして食べ物なら、フィッシュ&チップス。

白身魚のフライにフライドポテトが添えてある。

本場イギリスと違って日本人好みにカラっと揚げてあり、

さらにタルタルソースがついているのがうれしいが、

そこはやはりイギリス風にビネガーをふって頬ばりたいところ。

ただし、調子に乗ってビネガーをふんだんに振りかけると

あたり一面に、あのツンとくる匂いが充満し、隣近所迷惑となるのでご注意を。

 

さて、ライオンの料理は種類が豊富。

ソーセージなどドイツを思わせるものもあればピザやガーリックトーストなどイタリアンも。

さらには焼きそばや枝豆など多国籍だが、総じていうならオールドファンが懐かしがる「洋食」ということだろう。

その中でちょっとハマっているのが...

「炒めスパゲティ ナポリタン」。

「炒め」という語感にソースが焦げた匂い、

さらに、いかにも日本風アレンジという目玉焼きが「洋食」をこよなく愛するシニアの食欲中枢を直撃する。

 

休日の昼下がり、とうに昼食時間は過ぎているのにこの賑わい。

新鮮なビールに懐かしくおいしい料理。

それぞれのテーブルで上がる歓声にてきぱきと動くホールスタッフたち。

その好循環が長い歴史を支えてきたのだと思った。


ライオンビアホールの雰囲気から思いついた曲がある。

第二次世界大戦のヨーロッパ戦線。

ラジオ放送から流れ、敵味方問わず愛された曲が「リリー・マルレーン」であった。

それぞれの国の言葉で歌詞がつけられ、

それぞれの国の好みに合わせて編曲された数多くの「リリー・マルレーン」が生まれたが、

中でもオリジナル的存在といえるのがドイツの歌手ララ・アンデルセンが歌う勇壮な「リリー・マルレーン」だった。

LALE ANDERSEN, "Lili Marleen" (1938).

 

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