『腰が悪く足がしびれ歩けません。』と患者さんがお見えになりました。整形外科で薬を処方されている訳ですが、痛み止めだけだそうです。
「痛み止め」で痛みは軽減されますが足の痺れは改善されない様です。
腹診すると腸骨内側の下腹部に圧痛点があり、大腿前面・大腿外側・下腿外側に圧痛点があります。
腰神経叢のL2~L4の神経は大腿内側から前面の筋肉を支配しているので腰から何らかの影響が来ていると考えられます。
背部を診察すると脊椎のL2・L3・L4が少し飛び出しており臀部の筋肉が固く太陽膀胱経に沿って圧痛点があります。
視診・触診した限りでは脊椎が癒着した後にすべり症を起こしたように見受けられます。
治療としては腎虚証として先ず「本治法」を行い「虚している腎の気を補い」体全体の気血の流れを調えます。
その後に澤田流鍼灸術を用いて「補助治療」を行います。
癒着している腰椎に鍼を刺すのでは無く伏臥位で膀胱経の二行線に軽く鍼とお灸をしてからL2・L3付近をビワの葉温灸でじんわりと温めて、臀部と大腿・下腿の膀胱経のラインに鍼とお灸をして更に仰臥位で外側広筋・大腿直筋・前脛骨筋の経穴に鍼とお灸をして気血の流れを調えました。
東洋医学では「不通即痛」と言われ気血の流れが滞ると痛みが生ずると考えられています。
全体の気血の流れを調える治療をしたところ痛みが和らぎ、足の痺れが良くなり、ゆっくりですが歩けるまでに回復しました。
外因として今年の寒さも体に影響を与えている様です。