当院では不妊症の鍼灸治療を行っておりますが、妊娠された後は出産までの体調ケアもしています。
中でも多いのは「つわり」の治療です。
「つわり」の多くは東洋医学的には脾胃虚弱体質のため、妊娠後に下焦に血が盛んとなり衝脈の気が上逆して、胃を犯し、胃が和降を失い発症すると考えられています。
当院では刺さない鍼を使用する「本治法」で体全体の治療を行い、体全体の陰陽バランスを調えた後に腸と胃の調和を図る治療をします。
「つわり」の処方は多くありますが膻中(だんちゅう)と背面の脊柱上の貫抜き灸と内関の組み合わせはよく効きます。
先ず背部の督脈経の陶道から身柱・筋縮までを按圧して反応の強い所にお灸をして、次に前胸部の任脈経を璇璣(せんき)から膻中(だんちゅう)・中庭まで按圧して反応の強い所にお灸をします。
膻中(だんちゅう)の作用の一つに調気降逆作用があり、内関は胃・心・胸に通じ寧心安神、理気降逆の作用があります。
他にも中脘・内関・天枢・足三里、中脘・内関・公孫・足三里の組み合わせもありますが、妊娠初期は足の陰経は避けた方が良いようです。