猛暑や台風が日本に接近する時に体調が悪くなり治療院にお見えになる方が多くなりました。
東洋医学では病の原因を「内因・外因・不内外因」に分けて考え、外因は六淫(外邪)と疫癘(急性伝染病)に分けられます。
六淫(外邪)とは風・暑・湿・燥・寒・火の6種類の外邪の総称ですが、気候の変化が異常な場合を外邪と言います。
猛暑や台風が日本に接近する時の気象の変化で体調が悪くなる多くは外因(外邪)が原因である事が多いのです。
この考え方は宋代の1174年に序文が書かれた古医学書『三因極一病証方論(さんいんきょくいちびょうしょうほうろん)』に述べられています。
この様な症状は現代医学でも「気象病」と呼ばれ、近年認知されつつあります、気象の変化によって症状が出現する、あるいは悪化する疾患の総称とされます。
代表的なものとして、「天気が悪いと古傷がうずく」天気痛、メニエール病、喘息、眩暈症、うつ病、頭痛、腰痛、肩こり、神経痛、関節炎、リウマチ、じんましん、吐き気、心臓発作、脳出血などが知られています。
メカニズムの詳細は不明とされ、気圧を感じるセンサーからの信号により自律神経系のバランスが交感神経優位となり、それがストレス刺激となってさまざまな疾患のメカニズムを惹起するという推論がされています。
また、気圧の低下により人体の押される力が減り血管が拡張しやすくなるのが原因とされています。
主な治療法は、「規則正しい生活」、「十分な睡眠」や「正しい食生活」などがあげられています、また体力のない人が「気象病」になりやすいとされています。
東洋医学的には猛暑や台風が接近する時に体調が変化する場合は「暑邪」や「湿邪」を先ず疑います。
「暑邪」は「湿邪」を伴いやすく、湿邪を伴うと頭や体が重く、四肢倦怠感、体重節痛(湿邪が関節に滞り関節が痛み腫れる。)、胸苦しさ、悪心嘔吐、下痢などを引き起こし、また湿は「脾胃」を犯しやすく、尿量減少、腹水、、水腫が起こりやすいとされています。
「気象病」の概念は東洋医学では「病因論」の基本であり多くの処方が存在しています。
「気象病」でお悩みの方は鍼灸治療を受けて見ては如何でしょうか、鍼と灸で気血水の流れや自律神経のバランスを調えストレスを緩和して症状を緩和することが出来ます。