「ことぶき堂鍼灸院」では東洋医学的な人体観に基づき鍼灸による「不妊症」治療を行っております。
当院で鍼灸による「不妊症」の治療を受けている患者さんが体外受精のための採卵に行かれ『質の良い卵が採卵でき、良い受精卵を準備することが出来ました。』と連絡を受けました。
質の良い卵を多く準備するためには、母体となる女性の体調を事前に管理・調えることは重要性です。
卵巣・子宮の存在する骨盤腔の中の血流を良くすることは当然のことながら、生殖に関係するホルモンの分泌を調え、消化器系の機能を調える事が卵の発育には欠かせません。
現代の様なストレス社会において、人は常にストレスに曝されています。ストレスは気・血・水の流れの変調をもたらします。
ストレスが不妊症の原因となるのは「ストレスによってホルモンバランスが崩れる。」のが原因で、実はストレスに対抗するホルモンを分泌する器官と、生殖活動を行う際に必要となるホルモンを分泌する器官は同じことが多いのです。
モントリオール大学のハンス・セリエ教授が提唱した「ストレス学説」によれば、過度のストレスにさらされると人間の体は防衛反応として視床下部にある自律神経の中枢が興奮を起こし、副腎髄質がホルモンを分泌して「防衛行動=緊急反応」をとります。
妊娠に必要な性腺刺激ホルモンも、この視床下部を通して分泌されています。
そのため、ストレスへの防衛行動が優先されて、生殖活動に必要なホルモンが十分に分泌されない場合があります。そうなると、ストレスで妊娠しづらくなり、その不妊によってさらにストレスが溜まると言う悪循環になります。
不妊症の改善に、ストレス解消が欠かせないのはその様な理由があるからです。
鍼灸治療は気・血・水の流れ・陰陽バランスを調える治療であり、また自律神経の興奮を鎮静化させる効果があります。
東洋医学では肝は血を蓄え、体の血量を調節する働きをしています。東洋医学では「肝は血を蔵する」と言われています。
肝は過度の怒り(怒る・イライラするということ)が起きると、精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなり、酷いときは吐血まで引き起こすことがあるといわれ肝はストレスが影響を与えやすい臓腑であると考えられます。
肝経の血の流れ、特に、骨盤内の流れが悪くなることにより、冷え症・お血が出現します。
女性の場合、骨盤内に子宮という血液を集めたり、出したりを繰り返す臓器があるために、月経がスムーズに繰り返さなければ、血という形で滞った悪い血が溜まってきます。
このお血の状態が進むと、軽い症状としては頭痛・肩凝り・月経前のイライラ・めまい・足の冷えとして現れます。
鍼灸を用いて、経脈上のツボを刺激することによって女性が本来持っている力を引出し、卵巣と子宮の機能が高まると、妊娠し易い体質へと改善されていきます。
また黄体機能不全、卵巣過剰刺激症候群などのホルモンのバランスの崩れには、東洋医学が非常に効果的です。
当院では東洋医学だけに全てを頼るのではなく、症状によっては現代医学との併用が有効と考えます。
当治療院では鍼灸治療により不足している五臓の気を補い、「ストレス」「お血」「体の冷え」を治療し妊娠し易い体を造ることを目標とし治療をしております。