■■■■■■■■■■敗戦,重い歴史■■■■■■■■■■
⬛⬛️「政経分離の不条理」
⚫️戦後77年目の敗戦記念日である。
ウクライナの戦争は 止まる気配がない。既に多くの民間人が犠牲
になっている。圧倒的な軍事力を行使するロシアの暴挙は、当面
する世界の秩序を乱し,安全の枠組みを持つ世界の在り方を大きく
変えようとしている。
遥か遠いアジアの日本では,極東でロシアと隣接するだけに 「今後
の平和」についての格別の関心が高まりつつある
●出典:日本防衛白書2021
⚫️改めて日本の国防環境を検証するとーー
・北の隣国、韓国は、竹島(1952年来)を不法占拠して返さない。
・同じ北朝鮮は、多くの日本人を拉致して返さない。
・東の隣国ロシアは,戦後(1945年来)どさくさに紛れて 北方4島
を強奪し,未だ返そうとしない。
・西の隣国,中国は「尖閣諸島」(2008年来)を事あるごとに自国
領だと主張して毎日のように領海侵犯を繰り返す。
日本は,外交手段で打開を目指すが、解決の目途は立たない。
よくよく見れば日本の周辺は、極めて異端な国々がひしめきあい、
一蝕即発の極めて危険な環境下にある。この状況が70年以上続く。
⚫️日本周辺の国々,中国と韓国と北朝鮮とロシアは,いずれも「表」
と「裏」の二面性を持っ.極めてずる賢い国々である事を決して忘
れてはならない。
この国々から我が国を守るためには、自衛の軍備力を持つべきだろ
う。それ自体が抑止力になれば、この上ない国防効果となる。
ところが戦後の日本では「政経分離の平和主義」が跋扈し,3年前ま
でのインバウンド(外国人訪日観光)では,中国や韓国から毎年2000
万人を超える観光客を受け入れ、大変賑わった。!
しかしよくよく考えると,それは隣人として偽りの友好の絆を交わ
していた事になるのではないのか。
本質に目を向けないチグハグな行為(二律背反)に,批判の声が上
がりつつある.「政経分離」というご都合主義による政府の対応が、
国民感情を蝕んでいるように思えてならない。
⬛⬛️「私たちは戦えるか」
●去る13日の産経新聞の世界価値観に関する若者調査によると,
戦争になった時「国の為に戦えますか]との問いかけに対して,日本
の若者たちの答え「戦う」は僅か13,2%.で世界最低だった。
最高は中国の89%。この格差は何を物語っているのか。
その背景には,戦後の軍備放棄による日本の平和主義が根底にある
のではないのか。当面する敵よりも,戦争を防げなかった自分たち
の国の政府を疑うという。
また「政経分離」なる曖昧模糊とした政府の施策が,若者たちの
こころままでも蝕んでいるように思えてならない。
●これは戦後77年の長きにわたる米国の傘のもとでの経済優先
の体制が,極めて屈折した国民意識を醸成してきた結果と言ってい
い。
⚫️いま識者の間でつねずね議論されているのが 台湾有事の際に
尖閣が狙われ沖縄に中国軍が攻め込んで来た時に「米国は 日本を
守ってくれるか」という事だ。
殆どの日本人は,米国は日本の前面に立って助けてくれると信じて
疑わない。だが米国は民衆国家だ。
米国の民意が「NO」となれば大統領は手を引かざるを得ない。
これが世界の現実と心得え、予め日本独自の自衛手段を政府も国民
もこぞって対処する必要がある。
⬛⬛️「時代錯誤」
⚫️「戦争が終わって僕らは生まれた
戦争を知らずに僕らは育った
おとなになって歩きはじめる
平和の歌をくちずさみながら
僕らの名前を覚えてほしい
戦争を知らない 子供たちさ」
「戦争を知らない子供たち」
作詞:北山修 作曲:杉田二郎、
⚫️いま識者の間でつねずね議論されているのが 台湾有事の際に
去る50年前、自国の三方を隣国の無謀な軍事策略に侵されなが
らも,平和を謳歌しるフォークソングで、未だに幅広く歌い継がれ
ている。
平和願望ならいいが,今の厳しい国際環境からすれば,見方によると
おおきな「時代錯誤」に映ってしまう。
⚫️いま識者の間でつねずね議論されているのが 台湾有事の際に
先日の産経新聞の若者調査「無謀に攻められた時どうするか」
によると,日本の若者8割以上が「戦わずして祖国を捨てる」
という。
日本国民としての愛国心(アイデンティティ)はなきに等しい。
戦争と屈塾の敗戦体験をもつ先人の私どもは、確かに2度と無謀
な戦争はしたくないとたれよりも強く願望するが、それでも不法
に国に戦いを挑むものに対しては、何処までも説得し戦いの不義
を諭すだろう。
それでも相手が挑んでくる場合は,合法的に打ち返すしかあるまい。
「和をもって貴しとなす」聖徳太子の言葉は,今も輝きを失ってい
ないと思いたい。
⚫️産経新聞の若者調査に戻すと、
・多くの若者理解は「国を守る事」が「ナショナリズム的なもの」
として、まず「国」を疑うと言う。
・別の学生は「国」ではなくて社会や家族を守ると置き換えるなら
「戦える」という。
そして、多くの日本人は,国がなくなると困ると考えている。
そして国を守る価値観を持っていると確認する事が極めて重要だ
と言う。やはり「わが国」に帰結する。
⚫️加えて気になる事は,戦後77年を経て戦争と敗戦を知る世代が
日本の全人口の1割を切った事だ。国を守る事と戦争の関係など、
敗戦体験を通じて次世代に伝承することが極めて難しくなりつつ
ある。
当面する政府の平和と戦争に対する施策と、国民に対する信頼が
どこまでも問われる所以だ。
⬛⬛️「南シナ海の存亡」
⚫️その問題の核心は,
・台湾の自主独立
・東シナ海や南シナ海の安全問題
である。
日本が戦後かくも平和に経済成長できた大きな要因の1つに,地政
学的に見た国のたたずまい(位置性)がある。
深く推察するに,全ての輸出入である貿易を支えた「平和な海」の
存在が極めて大きい。 大きいと言うよりも全てこれに支えられて
発展してきたと言っていい。
因みに日本は,世界第3位の石油消費国だが、毎日30万トンクラス
のVLCC(マンモスタンカー )2,5隻分の石油を使うという。
そのためにマンモスタンカ ー約390隻が,毎日この南シナ海を往来
する。
(原油を運ぶマンモス・タンカー)
それだけに日本のエネルギ資源の全てを賄う中近東からの原油の
輸入航路である安全で平和な南シナ海の果たす役割は大きい。
まさに南シナ海は、日本の産業の動脈といっていい。
いや全ての日本人の生活が、ゆだねられているといっていい。
●因みに日本の石油の現在備蓄量は、先日来の世界情勢で必要備蓄
量(約1年分)の約半分との事、積み増しが急がれる。
⚫️中国が「一帯一路」の世界戦略を展開するにあたり, 海の出口
である南シナ海の覇権を握ることが、最重要の問題とされてきた。
折しもその南シナ海がこの20年来、中国の周辺海域をめぐる湾岸
諸国との領有権争いや,人工島造成と軍事拠点化の問題に次いで、
台湾の併合問題が顕在する。
そこへ米国は公海の自由航行を標榜して,西沙諸島周辺に軍艦や航
空機を派遣して強く牽制する。
日本は「自由で開かれたインド太平洋戦略」を先導して厳
しく中国の南シナ海での横暴を追及する。
●出典:日本防衛白書
●今を去る20年前、中国経済の大躍進が始まる。
中国経済の台頭について,中国に詳しいほとんどの経済人は「一時
的で決して永続きしない。そのうちに崩壊する」と断言してはば
からなかった。
以後の日本はリーマンショック, 政権交代、円高、そして東日本大
震災と不安と苦労の連続だった。
●振り返れば、13年前当時の日本経済の状況はーー
・平成20年(2009)リーマンショックによる世界金融恐慌、
・平成21年(2010)民主党政権発足、
・平成22年(2011)円高,輸出不振募る.生産工場の中国シフト始まる。
・平成23年(2012)東日本大震災,GDPで中国に抜かれ世界第3位に、
・平成24年〈2013〉第2次安倍政権発足,アベノミクス構想で円安に。
●その間,中国は「世界の生産基地国」を目指し経済を拡大して
2011年に,GDPで日本を抜いて世界第2位になる。
それでも日本の識者の中には「中国経済は虚構,必ず崩壊する」と
言い張る人達が多かった。それが今や先人米国と対で向き合う巨人
中国とあいなった。
そういえば「中国は必ず崩壊する」といい続けたあの人たちは最近
マスコミにも顔を出さない。いまや中国は,侮れない世界的な経済大
国として 米国ともろに覇権を争うまでに台頭してきた。
●かくして当面のアジアの課題は、
・米中台湾問題
・南シナ海の中国覇権問題
・北朝鮮の核ミサイル問題
など戦後77年の敗戦記念日を迎えて今日も1日390隻に及ぶ日本
のマンモスタンカーは,休むことなく中近東からインド洋を経由、
南シナ海を経て日本をめざす。 平穏無事な航海を祈りたい。
●ロシアのウクライナ侵攻が長期化するにつれ,プーチンの核使用
の脅威が高まる。いまのところ第3次世界大戦の兆候はないにし
ても、ならず者の火種が消えない限り 核の恐怖はくすぶり続ける。
・世界挙げての調停機関、国連の無力はもう限界が見えてきた。
・米国もロシアと直接対決はしない。
・プーチンに対決するメルケルはいない。
・まさにプーチンの一人舞台に見える。
自由経済国が封鎖したロシア経済のその後,7月のGDPは,ー4%。
意外にロシア経済は健在である。
ウクライナもEUも米国もしばらくは耐えて対座するしかあるまい。
日々届く、ウクライナの街の崩壊情報に心が痛む。
世界に,安寧な平和が戻って来るよう心から願って止まない。今回
の敗戦の日に際して,ウクライナ戦争や米中台湾問題などを見るに
つけ、平和志向の日本であろとも,戦争に関して馬耳東風という譯
にはいかない時が必ずやって来るように思えてならない。
敗戦の日を契機に,日本の戦後社会が避けてきた[戦争と国」の問題、
特に「戦争と個人」「国防と個人」についても考えていきたい。
(山)
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