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■敗戦,重い歴史

2022-08-15 | ●昭和の敗戦●

■■■■■■■■■■敗戦,重い歴史■■■■■■■■■■

 

⬛⬛️政経分離の不条理
⚫️戦後77年目の敗戦記念日である。
ウクライナの
戦争は 止まる気配がない。既に多くの民間人が犠牲
になっている。
圧倒的な軍事力を行使するロシアの暴挙は、当面
する世界の秩序を乱し,
安全の枠組みを持つ世界の在り方を大きく
変えようとしている。
遥か遠いアジアの日本では,極東でロシアと隣接するだけに 「今後
の平和」についての格別の関心が高まりつつある

                                                                                           ●出典:日本防衛白書2021
⚫️改めて日本の国防環境を検証するとーー
・北の隣国、韓国は、竹島(1952年来)を不法占拠して返さない。
・同じ北朝鮮は、多くの日本人を拉致して返さない。
・東の隣国ロシアは,戦後(1945年来)どさくさに紛れて 北方4島
 を強奪し,未だ返そうとしない。
・西の隣国,中国は「尖閣諸島」(2008年来)を事あるごとに自国
 領だと主張して毎日のように
領海侵犯を繰り返す。
日本は,外交手段で打開を目指すが、解決の目途は立たない。
よくよく見れば日本の周辺は、極めて異端な国々がひしめきあい、
一蝕即発の極めて危険な環境下にある。この状況が70
年以上続く 
 
⚫️日本周辺の国々,中国と韓国と北朝鮮とロシアは,いずれも「
と「」の
二面性を持っ.極めてずる賢い国々である事を決して
れてはならない。
この国々から我が国を守るためには、自衛の軍備力を持つべきだろ
う。
それ自体が抑止力になれば、この上ない国防効果となる。

ところが戦後の日本では「政経分離の平和主義」が跋扈し,3年前ま
でのインバウンド(外国人訪日観光)では,
中国や韓国から毎年2000
万人を超える観光客を受け入れ、大変
賑わった。!

しかしよくよく考えると,それは隣人として偽りの友好の絆を交わ
していた事になるのではないのか。
本質に目を向けないチグハグな行為(二律背反)に,批判の声が上
がりつつある.
政経分離」というご都合主義による政府の対応が、
国民感情を蝕んでいるように思えてならない。

   

⬛⬛️私たちは戦えるか
去る13日の産経新聞の世界価値観に関する若者調査
によると,
戦争になった時「国の為に戦えますか]との問いかけに対して,日本
の若者たちの答え
戦う」は僅か13,2%.で世界最低だった。
最高は中国の89%。この格差は何を物語っているのか。

その背景には,戦後の軍備放棄による日本の平和主義が根底にある
のではないのか。当面する敵よりも,戦争を防げなかった自分たち
国の政府を疑うという。
また「政経分離」なる曖昧模糊とした政府の施策が,若者たちの
こころままでも
蝕んでいるように思えてならない。
これは戦後77年の長きにわたる米国の傘のもとでの経済優先
の体制が,極めて屈折した国民意識を醸成してきた結果と言ってい
い。


⚫️いま識者の間でつねずね議論されているのが 台湾有事の際に
尖閣が狙われ沖縄に中国軍が攻め込んで来た時に「米国は 日本を
守ってくれるか」という事だ。
殆どの日本人は,米国は日本の前面に立って助けてくれると信じて
疑わない。だが米国は民衆国家だ。
米国の民意がNOとなれば大統領は手を引かざるを得ない
これが世界の現実と心得え、予め日本独自の自衛手段を政府も国民
もこぞって対処する必要がある。

 

   

⬛⬛️時代錯誤
⚫️戦争が終わって僕らは生まれた
    戦争を知らずに僕らは育った
    おとなになって歩きはじめる
       平和の歌をくちずさみながら
       僕らの名前を覚えてほしい
       戦争を知らない 子供たちさ」   

戦争を知らない子供たち」   
 
作詞:北山修 作曲:杉田二郎、

⚫️いま識者の間でつねずね議論されているのが 台湾有事の際に
去る50年前、自国の三方を隣国の無謀な軍事策略に侵されなが
らも,平和を謳歌しる
フォークソングで、未だに幅広く歌い継がれ
ている。
平和願望ならいいが,今の厳しい国際環境からすれば,見方によると
おおきな「時代錯誤」に映ってしまう。

⚫️いま識者の間でつねずね議論されているのが 台湾有事の際に
先日の産経新聞の若者調査「無謀に攻められた時どうするか
によると,
日本の若者8割以上が「戦わずして祖国を捨てる
という。

日本国民としての愛国心(アイデンティティ)はなきに等しい
戦争と屈塾の敗戦体験をもつ先人の私どもは、確かに2度と無謀
な戦争はしたくないと
たれよりも強く願望するが、それでも不法
に国に戦いを挑むものに対しては、何処までも
説得し戦いの不義
を諭すだろう。
それでも相手が挑んでくる場合は,合法的に打ち返すしかあるまい

和をもって貴しとなす」聖徳太子の言葉は,今も輝きを失ってい
ないと思いたい。
⚫️産経新聞の若者調査に戻すと、
・多くの若者理解は「国を守る事」が「ナショナリズム的なもの
 として、まず「
」を疑うと言う。

・別の学生は「」ではなくて社会や家族を守ると置き換えるなら
 「戦える」という。

そして、多くの日本人は,国がなくなると困ると考えている。
そして国を守る価値観を持っていると確認する事が極めて重要だ
と言う
やはり「わが」に帰結する。

⚫️加えて気になる事は,戦後77年を経て戦争と敗戦を知る世代が
日本の全人口の1割を切った事だ。国を守る事と戦争の関係など、
敗戦体験を通じて次世代に伝承することが極めて難しくなりつつ
ある。
当面する政府の平和と戦争に対する施策と、国民に対する信頼が
どこまでも問われる所以だ。

⬛⬛️「南シナ海の存亡
⚫️その問題の核心は, 
台湾の自主独立
東シナ海や南シナ海の安全問

である。

日本が戦後かくも平和に経済成長できた大きな要因の1つに,地政
学的に
見た国のたたずまい(位置性)がある。
深く推察するに,全ての輸出入
である貿易を支えた「平和な海」の
存在が極めて大きい。 
大きいと言うよりも全てこれに支えられて
発展してきたと言っていい。

因みに日本は,世界第3位の石油消費国だが、毎日30万トンクラス
VLCC(マンモスタンカー )2,5隻分の石油を使うという
そのためにマン
モスタンカ ー約390隻が,毎日この南シナ海を往来
する。
 (原油を運ぶマンモス・タンカー)



それだけに日本のエネルギ資源の全てを賄う中近東からの原油の
入航路である安全で平和な南シナ海の果たす役割は大きい。
まさに南シナ海は、日本の産業の動脈といっていい。
いや全ての日本人の生活が、ゆだねられているといっていい。
因みに日本の石油の現在備蓄量は、先日来の世界情勢で必要備蓄
量(約1年分)の約半分との事、
積み増しが急がれる。


⚫️中国が「一帯一路」の世界戦略を展開するにあたり, 海の出口
ある南シナ海の覇権を握ることが、最重要の問題とされてきた。

折しもその南シナ海がこの20年来、中国の周辺海域をめぐる湾岸
国との領有権争いや,人工島造成と軍事拠点化の問題に次いで、
台湾の
併合問題が顕在する。
そこへ米国は公海の自由航行を標榜して,西沙諸島周辺に軍艦や航
機を派遣して強く牽制する。

  日本は「自由で開かれたインド太平洋戦略」を先導して厳
しく中国の
南シナ海での横暴を追及する。

                            ●出典:日本防衛白書
今を去る20年前、中国経済の大躍進が始まる。
中国経済の台頭について,中国に詳しいほとんどの経済人は「一時
的で
決して永続きしない。そのうちに崩壊する」と断言してはば
からなかった

以後の日本はリーマンショック, 政権交代、円高、そして
東日本大
震災と不安と苦労の連続だった。
振り返れば、13年前当時の日本経済の状況はーー
平成20年(2009)リーマンショックによる世界金融恐慌、
・平成21年(2010)民主党政権発足、
・平成22年(2011)円高,輸出不振募る.生産工場の中国シフト始まる。
・平成23年(2012)東日本大震災,GDPで中国に抜かれ世界第3位に、
・平成24年〈2013〉第2次安倍政権発足,アベノミクス構想で円安に。

その間,中国は「世界の生産基地国」を目指し経済を拡大して
2011年に,
GDPで日本を抜いて世界第2位になる。
それでも日本の識者の中には「中国経済は虚構,必ず崩壊する
言い張る人達が多かった。
それが今や先人米国と対で向き合う巨人
中国とあいなった。
そういえば
「中国は必ず崩壊する」といい続けたあの人たちは最近
マスコミにも顔を
出さない。いまや中国は,侮れない世界的な経済大
国として 米国ともろに覇権を争う
までに台頭してきた。

かくして当面のアジアの課題は、
米中台湾問題
南シナ海の中国覇権問題
北朝鮮の核ミサイル問題
など
戦後77年の敗戦記念日を迎えて今日も1日390隻に及ぶ日本
のマンモス
タンカーは,休むことなく中近東からインド洋を経由、
南シナ海を経て日本をめざす。
平穏無事な航海を祈りたい。

ロシアのウ
クライナ侵攻が長期化するにつれ,プーチンの核使
の脅威が高まる。
いまのところ第3次世界大戦の兆候はないにし
ても、ならず者の火種が消えない限り
核の恐怖はくすぶり続ける。

世界挙げての調停機関、国連の無力はもう限界が見えてきた
米国もロシアと直接対決はしない
プーチンに対決するメルケルはいない。
まさにプーチンの一人舞台に見える

自由経済国が封鎖したロシア経済のその後,7月のGDPは,ー4%。
意外に
ロシア経済は健在である。
ウクライナもEUも米国もしばらくは耐えて対座するしかあるまい。

日々届く、ウクライナの街の崩壊情報に心が痛む。
世界に,安寧な平和が戻って来るよう心から願って止まない。今回
の敗戦の日に際して,ウクライナ戦争や米中台湾問題などを見るに
つけ、平和志向の日本であろとも,戦争に関して馬耳東風という譯
にはいかない時が必ずやって来るように思えてならない。

敗戦の日を契機に,日本の戦後社会が避けてきた[
戦争と国」の問題、
特に「戦争と個人」「国防と個人」についても考えていきたい。
                          (山)

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