■■■■■人生90年時代をどう生きる(1)■■■■■■■■■■■
■【ハッピ―老人か、下流老人か】
●高齢者が3350万人、日本は,世界で も例を見ない 超高齢国家である。
予測していたとはいえ,様々な社会的な歪や現象が、一挙に この国を襲い
つつつある。
そして、中間層が多かった高齢者社会が変容し、あっと言う間に貧困層が
跋扈して、下流老人などという芳しくない言葉がマスコミを賑わし、高齢者
の格差問題が噴出してきた。
戦後70年をかけ,豊かさを目指して来た日本が、貧困と格差という救いがた
い社会問題に,いま直面している。
■[経済誌の表題が語る高齢者社会の現実】
●都心の書店を覗くと、シニアの目を引く表題の経済誌が、ところ狭しと並
ぶ。この雑誌の表題は、シニア問題の今を明確に伝える役割を果たすと言
われる。
・「破綻夫婦、安泰夫婦」日経OFF 10月号
・「富裕層のカネと知恵」 二極化する富裕層激変(週刊ダイヤモンド10号)
・「金持ち夫婦,ビンボー夫婦年収300万でも超リッチ(PRESIDENT9/12号)
・「納得のいく死に方、医者との付き合い方」(週刊東洋経済9./24号)
・「どう生きますか、逝きますか」(週間ダイヤモンド 8/06号)
・【実家の大問題】 空き家、かたずけ、相続まで (週刊ダイヤモンド 8/20号)
・[下流老人VSハッピ―老人「お金に困らない生き方] (PRESIDENT 6/13号)
・「金持ち父さんのマナー入門」一目置かれる人バカにされる人(PRESIDENT)
●いま経済誌は、書籍同様、発行日が過ぎても、タイトルで売れるという。
高齢者の消費が、年間100兆円とその凄さを書き立てたのも、つい最近
の事。
「あなたは下流老人か、それともハピー老人か」経済環境の移り変わりを、
豊富な経済データを駆使して、その真髄に切り込む。
そして度胆を抜くようようなタイトルで、日本の高齢者の生活の現実に迫っ
でいく。
●それは、経済誌が本来の読者領域を広げて、定年者シニアに、読者層
の裾野を広げていく所以だ。さすが頭がいい。
聞くところでは、完売どころか、時には大幅な増刷もあるという。
■「日本の高齢者像の実態」
■平成26年10月現在(万人)
(項目) (総数) (男性) (女性)
総人口 12708 6180 6528
高齢者人口 3300 1423 1877
(齢者内訳)
65~74歳人口 1708 810 898
75歳以上人口 1592 612 979
●そこで、日本の高齢化の実像についてーーーーーーーー
・1950年は、総人口のわずか5%だった
・1970年に7%
・1994年に14%を超える。
・2014年には26%
・ついに65年前の5倍を超えた
■「平均寿命世界一日本」
●長寿社会の象徴といえる平均寿命の世界一に日本が輝いた。
(性別) (男性) (女性) ・
・1位 ●香港 80、87歳 ●日本 86,61最
・2位 ●アイスランド 80,8 ●香港 86,57
・3位 ●スイス 80,5 ●スペイン 85,13
・4位 ●日本 80,21 ●フランス 85,0
・5位 ●シンガポール 80,2 ●スイス 84 7
(出所 厚生労働省2016、資料)
■「健康寿命への期待」
●厚生労働省は、国民が健康な状態で過ごせる機関の指標である健康
寿命を、2013年に初めて発表した。
・男性 71歳 ・女性 74最
●いま「健康寿命」に注目が集まる。健康寿命とは、寝たきりなどない健康
に生活できる日常の、期間を指す。
生きていても、寝たきりでは、生きる意味がないという高齢者が増えている
所以だ。
健康寿命をいかに、平均寿命に近ずけるか、高齢者本人はもとより、行政
や、家族の対応が真摯に求められる。
■「高齢者の公的年金の実情」
●高齢者の老後の生活で、一番大事なのが公的年金である。
いま、日本では、国内に住む20歳以上の国民が全員、これに加入する
【国民年金(基礎年金)】とサラリーマンや公務員が加入する「厚生年金」の
2つに分かれる。
●その年金の平均的な支給額は (平成28年の新規裁定者の事例)
・国民年金(自営業やフリーターなどの人がもらえる)1人月額 6万5008円
・厚生年金(サラリーマンや公務員がもらえる) 夫婦2人月額22万1507円
(20歳から40年間保険料を払う事が条件となる)
■「厚生年金の受給者人数と金額別区分の概要」(参考資料)
(分類/年金月額) (総数)人 (男子) (女子)
●1~ 5万円迄 422,487 141,676 80,811
●5~ 10万円迄 3,512,589 1,147,451 2,365,138
●10~15万円迄 4,471,923 2,550,078 1,921,845
●15~20万円迄 4,104,310 3,728,841 375,469
●20~25万円迄 2,485,873 2,416,424 69,449
●25~30万円迄 398,669 393,905 4,764
●30万円~ 26,163 25,765 398
(合 計) 15,422,014人
(平均年金月額) 144,886円 165,450円 102,252円
(出所 厚生労働省 平成26年厚生年金保険事業の概要)
●厚生年金の受給額は、20歳から60歳までの40年間、給与支給額に
よる厚生年金保険掛金総額に基き、年金支給額が決まる、
●「日本の年金事情の概要」 平成28年1月現在 (厚労省)
・国民年金 加入者 1742万人(受給額 1人月 5万4000円)
・厚生年金 加入者 3599万人(受給額 1人月14万7000円 平均額)
・国の年金支給総額 約 54兆円
・国の年金積立残額 約134兆円・
・国の年金債務残高 1500兆円
・高齢者世帯数 75万9000世帯
・生活保護世帯数 161万世帯
・国民医療費 70兆円
・高齢者の一人暮らし168、5万人(6人に1人)
●日本の年金は、日本年金機構が管理し 年金積立金管理運用独立行政
法人(GPIF)が、資金の効率的な運用にあたっている。 しかし、高齢化に
よる年金支給者が増大、年金破綻の危惧がささやかれはじめた。
●しかし定年高齢者の増大で、年金財政の危惧が、取沙汰されるようにな
ってきた。 かって民主党政権下で、「100年安全年金」といわれた日本の
年金も、国民年金の積立率が 50%に満たないことがわかり、一度に年金
不安が広がった。
高齢者人口が、急速に増えることによって、年金だけで生活する高齢者が、
3割を超すという事もわかってきた。それによって一挙に下流老人の話が、
真実味を帯びて来た。 、
そこに安倍政権の景気浮揚策として、追加予算で所得税を納めない貧困
高齢者 1000万人に、1人1万5千円の無償給を決まった。
■「まさかの老後不安時代が やって来る」
●日本の高齢者3300万人のうちの1000万人、ほぼ3,3人に1人が所得
税を払わない、少なくとも、年収180万円以下の貧困層であることが、解っ
てきた。
毎日、巷のあちこちで出会う高齢者の約3人に1人が貧困者とは、同じ高齢
者として、まさに意外というか、青天霹靂の事実に直面することになる。
●余命を前向きに考える。余命とは、余裕をもって残された時間。五木博之
●天地にただ一人、孤独を、客観視できる人でありたい。 篠田桃紅
●70歳まで働ける社会を、平均寿命と健康寿命の差を縮める事 出口治朗
●最近の新聞論調によると、急速な高齢化と 長引く景気低迷で、日本の高
齢者の約9割は、下流老人になるという。 政府の1000万人高齢貧困者へ
の支給報道で、高齢者社会の格差問題が、浮き彫りになって来た。次回は、
シニアの社会保障と医療、健康問題などについて、検証したい。 (続く)
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