成道会ブログ

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動から動、動が充満

2011-06-26 22:15:00 | 格闘技、武道
前回のブログで、立禅は動のための待機状態に非ず、動から動への移行段階でのひとコマであるとの認識になって来ていると書いた。

6/19(日)に佐藤聖二先生の太氣拳講習会が福岡で開催され、私と門下生5名が参加させていただいた。
その際、立禅の状態のまま動くことで、より高い出力を得られることを門下生一同、体験できている。
しかし、立禅から少しでも外れたら多少強い力でも力任せの動きになってしまうことも確かであり、訓練を要する。
これを、実際の攻防に反映できるところまでモノにしなければならない。

前日の稽古後に佐藤先生、拳学研究会の方々と会食させていただいた際に、立禅についての話題になって、先生が「立禅とは動が充満している状態だ」と言われていた。
待機状態に非ず、常に活動状態であらゆる方向に動がある、正に充満している状態であり、この表現はさすがに佐藤先生だなぁと思った。

佐藤先生が北京で意拳を学び始めた時に、姚先生から3種類の形体訓練は徹底して訓練させられた、との話を聞かされた時は少し意外だった。
形体訓練は、韓氏意拳特有の訓練方法だと思っていたからである。

形体訓練は、それそのもは技でも何でもないが、武術としての動きを獲得していくためには立禅の前段階で必須となるのではないかと考えている。

挙げる、開く、閉じる、回す、縮める等の太氣拳としての動きの基本要求が全て含まれ、その状態で静止したら、それが立禅となる。
それは、一見静止している様で、体内ではまさしく動が続いており、あらゆる方向に動が充満していると言える。

「立禅は無限にある。しかし、間違いも何種類もある」との言葉もいただき、これは私自身、よくよく注意して取り組まなければならないところであるが、立禅において、各自の特性、悪く言えば癖の様なものを適時見直し、修正を加えるためにも形体訓練は必要と思われる。

立禅において、骨格構造の理想的な位置を認識し、脳の奥深くに刻み込む。

形から形への変化が、実は、ある立禅からある立禅に変化している様なものであるからこそ、ぶつかり合った時に相手がはじけ飛ぶような、それでいてこちらの体が崩れないと云ったことが可能になるのではないだろうか?

拳学研究会の上級者の方々ともなると、その腕の重さたるやハンパなものではない。
推手で手を合わせた瞬間、こちらの体が浮かされる様な、実に不安定な状態になってしまうことは、反対に私どもも学ばせてもらわねばならないところである。

成道会門下生は皆、社会人であり、各自が仕事の合間をぬって稽古に取り組んでいる。
限られた時間、これをを如何に有効な稽古のための時間にするか?
練習していく過程では形体訓練によって、正しい骨格構造の位置を認識し、武術としての動きの素地を獲得し、それを立禅に反映させて、それらがより実際的な訓練としての内容を持つようにしなければならない。

成道会会員各位には、前回もお伝えしたが、形体訓練の指導と研究は第1、第3木曜日に行なっているので、各自の稽古に反映させるためにも積極的に参加していただきたい。


太氣拳成道会
http://www.joudou.jp/


静から動、動から動

2011-06-14 17:20:00 | 格闘技、武道
佐藤聖二先生の講習会に参加するようになってから、自身の稽古においてはまず、立禅に変化が現れている。

以前、韓氏意拳の講習会に参加していた私の門下生がおり、韓氏意拳の考え方や立禅に至る前段階での形体訓練というものがあるとのことで、その方法を教えてもらったところ、私の立禅が少し変わった。
数カ月して歩法に変化が見られた。

以来、その方法で立禅を組み続けていたのであるが、佐藤先生からより正しく数種類の形体訓練を指導されてから、これまで以上に立禅に変化が感じられ、意拳でいうところの斜面力、三角力、螺旋力などがより正確に理解できる様になっている。

これまで、立禅はこれから始まる動作のための待機状態、つまりニュートラル・ポジションという認識であった。
確かに「動」に移行するための「静」であるのだけれど、「動」から「動」に移行していく段階で静止している様な状態でもある、との認識に変わりつつある。

「静」→「動」であるのだけれど、「動」→「動」でもある。「動」→「動」のひとコマでありながら「静」→「動」でもある。

これは、コマが高速で回転していると一見止まっている様に、滝から流れ落ちる水が同じ様な形であるけれど、実は常に水が落下している動きの連続であるのように、静止している様で実は全く止まっていないのと似ている。

私の現在の立禅では、片時も止まっているという感じが無く、止まっている様であるが体内では常に活動がある。

これは、各自が立禅によって自身の身体を通して確認するより他ないと思われ、動きの質の変化はこれによってでしか得られないのかも知れない。
単なる脱力による効率的な動きの獲得とは異なると思われる。

各人、立禅を組むと皆それぞれに同じ形をとっていながら、その姿勢を保持するために活動している筋肉が異なる様でもある。

これを、先人が獲得した境地にまで高めていくには形体訓練を正確に把握した上で、立禅に入る方法を学ぶしかないのかも知れない。

成道会の稽古体制では現在、中心となっている日曜日の太氣拳の稽古に導入していくには時間の関係上、無理があるため、第1、第3木曜日の稽古時に研究を進めている。
会員各位には、是非ともその重要性を理解してもらい、積極的に参加されることを希望するところである。


太氣拳成道会
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震災から3ヶ月

2011-06-09 20:05:00 | 格闘技、武道
3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈り致しております。

震災から3ヶ月が経ち、少しずつ落ち着きを取り戻しつつありますが、被災地の方々のご苦労はまだまだ続くものと思われます。

被災地のひとつ、仙台市は私が大道塾にいた頃、寮生として1年間を過ごした思い出のある地です。
大道塾を脱会してから疎遠になってしまいましたが、お世話になった先輩方が何人もいらっしゃいます。
その後の安否をネットで調べたところ、幸いにも皆様ご無事の様で安心しました。
しかし、被災地での活動はまだまだ困難を極めると思います。
陰ながら応援しております。

この様な国難とも云える事態にあって、私自身、稽古を続けていられることは本当に幸運で感謝すべきことなのだと感じております。

現在、佐藤聖二先生の講習会に参加させていただくようになり、私の太氣拳が大きく変化してきていると感じており、これまで岩間先生から教授された太氣拳の訓練方法である立禅、這い、揺り、練り、又、打撃においてまでも、それが感じられます。
それは、外形は同じでも中身が違ってきている、つまり、動きの質の変化の様でもあります。

この武術の醍醐味はこれから始まるものとも感じられ、44歳になっても子供の様な心境で稽古に取り組んでいけることは誠に幸せと言えます。

これを成道会の稽古に少しでも反映していけたらと思い、これから気が付いたことを少しずつ書き込んでいきたいと思っています。


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