大濠公園でのスパーリングが無くなって数年後、私は成道会を発足。
森は大道塾の九州地区大会で優勝、決勝進出の常連となり、本戦の北斗旗でも「九州に森あり」と、常に注目を集める強豪選手の一人となっていた。
そんなある日、森から連絡があって、ひさしぶりに組み手をやってみることになった。
大濠公園の時と同様に、顔面への手による攻撃はグローブ着用か、素手の場合は掌底までという独自ルールを双方了解の上で行なう。
森としては大会に向けて、スパーリングをより多く消化しておきたいとの意向があったのかも知れない。
私はその当時、門下生の育成途上でガチの組み手からは大分遠ざかっていた。
この動画の2カ月前にも森と組み手を行なったが、カウンターの膝蹴りをもらい、ダウンこそ免れたものの左下肋骨を骨折、全治2カ月となり、回復してすぐの組み手となった。
組み手をやるのであれば、常にその中に身を投じておかないといつの間にかカンが鈍ってしまい、本人もそのことに気が付いていないことが多く、やっている人間と実際にぶつかりあうとそのギャップを痛感させられることがある。
相手が現役の格闘技選手ともなれば、そのギャップは言うまでもない。
そのことを痛感させられた出来事でもあったのだが、おかげで組み手の緊張感は取り戻すことが出来た。
森との組み手はこれが最後となったが、35歳の頃の思い出のある組み手となった。
太氣拳成道会
http://www.joudou.jp/