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腰バネ立禅

2015-01-13 16:52:00 | 格闘技、武道
依然、稽古の中心として立禅を続けているが、身体内部の変化はいまだに続いている。
少し前まで、週に一度は2~3時間の立禅をノルマにして行なっていたが、数ヶ月前からは半禅(技撃椿)も組みたくなったので、2時間立禅を組める時は、その内の1時間は半禅にしている。

ここ最近の変化としては、股関節を下からすくうようにして、腰椎を通常の生理湾曲のある状態から反対側に伸ばした様な状態にして立てるようになってきたのだが、その様にして立つと、腰の辺りに何か強力なスプリングがあるような状態で立っている感じになって、それに全身が呼応するかように全身の関節が軽いバネでつながったような感覚が出てきた。

身体の各所に軽いバネのような感覚があるというのは以前から理解できていたのだが、ここ最近の感じはより強力で、、言わば腰に太いバネができた感じで、私はこれを勝手に「腰バネ」と呼んでいる。

佐藤聖二先生は立禅で養成される能力のひとつに「弾力」がある、と言われていたが、それが、この状態なのかな、と考えている。

この状態を身体で理解できると、パンチや蹴りといった打撃にその能力を反映しやすくなると思われる。

腰のバネと言っても、実際はハムストリングスの伸張反射による股関節のバネをよりシャープに引き出していると考えられるのだが、これによって、動作の中で分離しやすい肋椎以上の上体と骨盤をつなげやすくなる。
動作の中で分離しやすい下半身と上半身が連結して、その結果、パンチにおいては肩関節よりも大きな股関節を動力として使うことができるようなる。
動作の中で力の漏れが生じるのをより抑制できるのではないか、と感じている。
結果としてパンチが硬くなる。
衝撃の介入がより短く的確となるので、重さも去ることながら、打撃自体の硬度に変化が現れてくると思われる。

蹴りにおいては初動段階での蹴り足の振り出しにそのバネが自然介入するので、蹴りに重さのみならずシャープさが加わってくる。

格闘技で用いられている打撃が、反復練習のみによらず修得しやすくなると思われるし、その威力をレベルアップさせてくれると考える。

これまでに習得した打撃技術のひとつひとつにその能力が反映されてくるにも自然とそうなる場合もあれば、点検を繰り返して修正を加える必要もあるだろうが、まずは身体で理解できていないとそのどちらも無理であろう。

もし、若年時にこの状態を理解できていたならば・・・。と考えると、これから将来を期待できる若い人材には、急がば回れ、ではないが、やはり立禅による能力の開発を要求する。

立禅による変化、発見はまだまだ続きそうで、筋肉のしなやかさが衰えてくる年代に入っても、それを補って余りある根源的な力の獲得が期待できそうである。

日常生活においては、イスから立ち上がる際に身体が軽く感じられ、歩いている時に、少し急ぎ足になると、股関節で身体を前に運んでいるようなストライドの広い歩き方に変化して、歩くことそのものが楽で、心地よくなる。

このような変化が太氣拳としての動きそのものにも反映され、攻防のレベルを引き上げてくれるのだから、それが身体で理解できると、自然と立禅が自身の稽古の中心となる。
立禅によってでしか獲得できないものがあると身体で理解しているならば、自然とそうなるだろうし、私の場合は何とかその段階には来れていると実感している。


太氣拳成道会 
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