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成道会の立禅・7 前方出力

2023-07-24 16:59:36 | 格闘技、武道

吸引力を発生させることができるようにっている段階で、骨格の舒展(じょてん)能力は格段に強化されており、意念によるわずかな筋肉の収縮活動による支撑(ししょう)能力はごくわずかな意識によって発現させることができるようになっている。

中国語がわからないので正確ではないかもしれないが、舒展とは骨格を広げるという意味で、立禅における主に背面を広げていくような能力だと解釈しているし、支撑とは舒展により広がった骨格でそこにかかる負荷を支える能力だと解釈している。
腕立て伏せをやっている時に腕の曲げ伸ばしをしている時は辛いけれど、腕を伸ばして背中側は肩甲骨を左右に広げてやると一瞬楽に身体を支えられる。
あるいはウェイトトレーニングでベンチプレスをやったことのある人はわかると思うのだけど、バーベルを上げ下げしている時は大変な労力が必要だけど、腕を伸ばした状態でバーベルを支えると、同じ重量でも全然楽にバーベルを支えることができる。
このような支撑能力を発揮するために舒展能力は必要となる。

吸引力はこれらの能力をより簡単に引き出すことができる意念のひとつであると考えられる。

立禅における能力開発において、左右の手掌、左右の足裏、頭のてっぺん(百会)、みぞおちの6箇所に吸引力の感覚を建立させるのが基本であるが、この感覚に慣れてくると全身のどこでも吸引力を用いて骨格を舒展させることが可能となる。

私の場合、肩の付け根、股関節の前側、膝の裏側、肘の内側、脇、足首の前側、顔面、身体全体の前側などに持って来て、全身の構造能力を強化するために活用している。
吸引力は関節の屈曲側(曲がる方向)に適用される意念であり、その要領を理解すると実に便利である。

吸引力の感覚を利用して内勁を強化していくと、次の段階として肘と膝の前方への出力を強化する段階へと移行する。 

この段階で構造能力はかなり強化されているものと考えられるが、これまでの対立する力、つまり争力が上下、左右、前後の6方向へ平均的に発生されている状態を、前方への力を優先的に発生させる状態へと変えていく。
決して上下、左右の支えが弱くなるわけではなく、これらの強靭な力が前方への出力を強力にサポートする状態に意識的に変えていく必要がある。

武術として骨格を使いこなしてくために、相手の力の向かってくる方向は前からであり、自身の力をぶつけていく方向も前側にあるのであるから、それに利する出力を可能とする形に微妙に変えていく必要がある。
そのために、これまで獲得してきた能力をいったん手離して、新たな骨格形態を再構築していく必要がある場合がある。
これまでの能力をいったん手放したとしても必要であればまた拾いにいけるし、再現することも容易なのだが、ともかく、一旦手離してみないと、次の段階にあるものが理解できないこともある。

多いのが、横の支えが強いがために前方への出力が抑制されている場合である。

なので、これをいったん手離してみて、肘を横に支えずに自然と下に下げた状態に近くして、それでいて横を支えるという状態にしてみる。
これまでのしっかりと支えていた状態がなんとも心もとなくなってしまうので実際に手離せない人も多いかもしれないが、これを手離すことができて前方への出力への再構築が始まると、より強靭な出力形態が自身の身体の中にあることが確認できる筈である。

この前方出力は、王薌齋先生が示した図にあるような円環に対して左右真っ直ぐに力が放出されている状態である。

これが理解できたら、この状態を強化して次の段階への要求を受け入れる準備ができているものと考える。

 

太氣拳成道会
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