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大会結果・第3回新空手道長崎交流試合

2018-08-28 13:16:00 | 格闘技、武道
第3回新空手道長崎交流試合
(主催 NPO法人全日本新空手道連盟 西日本実行委員会)


平成30年8月26日 諫早市中央体育館



「K-3トーナメント軽量級(60kg以下)・1回戦」

×岩永雄成(成道会・打撃3級) 延長判定 〇熊上瑛喜(誠勇館)





主催の新空手道連盟西日本実行委員会委員長であるKSS健生館福岡支部長の組坂幸喜先生、実行委員である興気塾代表の今中省二先生に心から御礼申し上げます。
大会スタッフ、関係者の皆様、有難うございました。


太氣拳成道会
http://www.joudou.jp/

打撃試力

2018-08-09 20:48:00 | 格闘技、武道


私の行なっているオリジナルの訓練方法にパンチの試力がある。

立禅によって構築された構造能力を、動きの中で損なうことがないようにするために、つまり静の状態から動の状態へと移行するために試力という訓練方法が存在する。

意拳では真っ先に立禅から着手することが前提とされている。
立禅で構築強化された静止した強靭な状態を、動いたとしても発揮し続けるため、静から動への橋渡しとしての役割が試力である。
反対に、立禅による取り組みが不十分なままで試力に取り組んだとしても、その効果はほとんど得られないと言える。

静の状態からゆっくりとした動の状態に移行していくことで、体内の様々な状態が立禅と同じ状態であるかどうかを観察、点検、検証しやすい状態になる。

立禅によって構築される様々な能力の中でも、打撃に関して、特に重要となる能力がいくつかあるが、肩が落ちて、肩甲骨が上腕骨を強力に支える状態に変化することが挙げられる。

この状態は、人間の肩に本来備わっている動物の前足としての強靭さを復元させるものであると考える。
動物が動きまわる時、前足で骨格を支え続けるが、その強さは前鋸筋が機能して肩甲骨をしっかりとホールドすることができるからであり、人間の骨格を動物のそれに近付けることで、前足の強靭さを肩に復元させる。

 
             
この能力を獲得出来るだけでもパンチに関しては、その衝撃が打ち抜く対象にシャープに介入する硬い打撃へと変わる。

動物のように、肩はその前側を少し合わせるような形状になり、立ち上がれば熊や猫のように肩が落ちて無くなったようになり、肩の前側を「合わせる力」「合力」とも称せられる。


パンチは、ストレート、フック、アッパーと正面、側面、下から、と目標を打ち抜く方法があるが、それらのパンチに全て、この肩の「合力」が備わるようにするために、パンチの各動作をゆっくりと繰り返すことで、スピーディーに動いてもその能力が抜けないようにしていくことが求められる。

上半身の構造が強化されるだけでもパンチの性質は変わってくるが、人体の中で最も大きい骨格である骨盤が動きの中心となることで、パンチそのものの威力が更新される。
立禅によっていわゆる「吊り腰」の状態が腰椎に形成されることによって、股関節や骨盤の強さが上半身へ損なわれることなく伝えられる。

これも、人間としての脊柱の構造を動物のような状態に復元させるようなものであると考える。
動物が四本足で歩く時、動く時、背骨は湾曲のない、ほぼ真っ直ぐの状態であり、それが実に強靭である。

パンチの試力において、その動力源が腰になるように、骨盤をゆっくりと回転させるが、股関節の含み、畜、が保たれていることや、「吊り腰」によって、骨盤の動力がストレートに肩まで伝わっていることを点検しながら動いていく。
その際、お腹の奥、腰の前側にある大腰筋、腸腰筋、すなわち腸腰筋が機能して、骨盤と腰を強靭に連結して可動させる。


その結果、人体の中で最も大きな骨格である骨盤、背骨の下側に位置する大きな脊柱である腰椎を主要な動力として動きに参加させることが可能となる。

立禅の状態を点とするなならば、試力は点を増やして線を形成していく為の作業である。

素早く動くことだけでは確認しづらい身体内部の状態を、試力で丁寧に構築していくことが可能となる。
外見上の動きだけでは認識することが極めて困難な動きの中身を、大脳の客観的な観察によって点検しながら、小脳に上書きしていくような作業である。

自転車に乗り始めた時に、転んだり、倒れたりしながらも、やがてはスムーズに自転車に乗りこなせるようになるのも、小脳が自転車に乗る時に必要な身体の動かし方、機能を記憶したからである。
立禅によって獲得した能力を実際の動きの中で活用していくために、外見的にはわかりにくい細かな身体内部の使い方を、試力によって小脳に記憶させていくようものである。
有意識から無意識へと移行するための作業とも言える。

他にも、三角力、斜面力、螺旋力、足首の力、等々、試力によって点検するべき内容は実に豊富に存在する。
これらを、ただ単に身体をダイナミックに使うだけでなく、より精密に使いこなしていくために、試力の意義は大きく、私はパンチの訓練のひとつとして生かしている。

動画の動きはストレート、フック、アッパーと試力して、通常の動作に移行、骨盤の回転動力を強化するために左右交互に変換する方法である。
これらと異なる打撃法でも、試力に当てはめて訓練することはもちろん可能である。

立禅による求力、ゆっくりと点検する試力は基本原則を身体で理解できれば、あらゆる動きに応用可能な実に優れた訓練方法である。

動画は本年度の全日本新空手道選手権大会・中量級で優勝した城大眞・弐段の打撃シャドー。





パンチに関して、肩の合力は高い。骨盤動力の形成は50%くらいと思われ、この動きを強化することでさらに強い打撃力を獲得することが期待できるものと考える。



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