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前十字靱帯再建術

2013-08-28 21:17:00 | 格闘技、武道
8月に入ってすぐに左膝の手術を受けて来た。

症名は前十字靱帯損傷(断裂)と半月板損傷。

3年前の2010年6月のブログで、当年2月に行った組み手の最中に左膝を負傷した記事を書いているが、その後の稽古で、時々、膝の外側に瞬間的な痛みが生じていたが、膝の不安定感や外れる感じはなくなっており、怪我の形跡はほとんど見られなくなっていた。

瞬間的に膝の外側に鋭い痛みが生じることはあったので、半月板の損傷は多少残っていると思われたが、十字靱帯の損傷に関しては、あるとしても部分的なものであろうと考え、現状のままで稽古を継続しても何ら問題なかったので、そのまま保存して組み手を含めた稽古をそのまま続けていた。

それが、今年の2月、洗車中に脚立の上でバランスを崩して落下、左足を地面に着いた瞬間「ボキッ!」という異音と共に激痛が生じてその場にうずくまった。

膝は腫れあがってまともに稽古もできなくなっってしまったが、3週間位で腫れは引き、痛みも無くなった。
通常の稽古もほとんど問題なく出来る様になったが、何らかの動作で膝が「ガクッ」と外れる様になってしまい、その症状が頻繁に現れるようになってしまった。
自身で膝を押し込むと「ボキッ」といって元に戻るのだが、日常生活の何気ない動作、例えば寝ている最中に寝返りをうったりとかしても、同様に症状が現れる様になってしまい、さすがにこれはヤバいと思って病院に行ったら、案の定、前十字靱帯の損傷(断裂)、さらに半月板の損傷と診断された。

3年前の状態では、その後、あらゆる運動がほぼ問題なく出来ていたことを考えると、その段階では前十字靱帯の損傷は部分的なものであったのかも知れない。それが今回の受傷で完全に断裂したものと考えられる。

日常生活を送る上では問題ないのだが、今後も武術を続けていくためには、前十字靱帯と半月板の手術は止むを得ない状況となった。

正直、十字靱帯の断裂を覚悟した時は「もうこれで、組み手をやることもなくなるかも知れんな」と思い、少しホッとしたというか「まぁ俺も46だし、武術そのものを辞めるわけではないし、それも仕方ないか。手術は受けずにこのままで行こうか」等と割とサバサバした気持であった。

しかし、2~3日もすると「こんな不完全すぎる状態で武術を続けていいのか?否、武術そのものを辞めるわけではないけれど、このままでは翼のない鳥と同じではないか?こんなんで武術を続けていく意味があるのか?」なんていう思いが湧き上がってきた。

私自身、自分の武術に何ら満足できているわけではなく、まだまだ途上段階にあるとしか思っていない。
この武術のなんたるかを自身の身体で体現することナシにしまえていいのか?
こんな中途半端な状態のままでリタイアするなど死んでもご免だ。
達成できるかどうかは別として、死ぬまで追求していくことだけは辞めたくない。

前十字靱帯と半月板の手術を受けることを決めて、46歳にしての再起を決意した。

現在、術後、約3週間が過ぎ、左膝はなんとか90度くらい曲げられるようになった。
ずっと左足に負担をかけないように注意しているので、左足は右足の3分の2くらいの太さになっている。

損傷した十字靱帯は切除して、太もも裏側の半腱様筋という箇所の靭帯を採取し、代用組織として移植、再建するので、その代用組織としての靭帯が、本来の前十字靱帯の強度に熟成、再構成されるのに、1年はかかるとのことである。
それまで、少しでも早く復帰することを目指すのではなく、より確実に復帰することを目標に取り組んでいきたい。

太氣拳の場合、稽古の中核が立禅や這い、試力などであるから、今の自分の様な状態になっても最も大切な稽古を続けていくことができる。
むしろ、この様な状況では迷うことなく立禅に取り組めるので、これからの1年でより強化される可能性が高いと確信している。

手術を受けた翌日には病室のベッドに腰掛けて立禅を組んでみた。
立って出来ないのであれば、イスやベッドに座ってでも立禅は組める。
そして、それが補助的な稽古を仕方なく取り組んでいるわけでなく、この武術の体系の最も核たる部分を徹底的に確立、強化している作業であることは間違いない。

太氣拳という武術は内臓の病気にでもなって寝込んでしまわない限りは、ひたすらに続く、続けられる武術である。
本当に生涯、取り組み続けることを余儀なくされる武術である。

くさい言葉かも知れないが、何歳になっても夢を見続けられるのは幸せなことである。
どんな状態でも夢を見続けられる、そんな武術に取り組めているのは幸せなことである。


太氣拳成道会
http://www.joudou.jp/


新初段!

2013-08-02 23:18:00 | 格闘技、武道


7/28(日)に行なわれた昇級昇段審査会にて、新たに初段が誕生!

西岡泰伸 52歳 通称名 ニシオカサン

7年前に入会して以来、熊本から定期的に稽古に参加していたが、熊本支部発足と同時に支部門下生となる。

柔道や空手の武道歴があるとは言え、45歳にして始められた新たな武術の稽古である。
もともとは健康のためといった目的で太氣拳を始められたと記憶しているが、いつの間にか組み手昇段を目指すことになる。

今回の昇段5人組み手は年令的に過酷なものとなることが予想されたが、馬原支部長の指導のもと、連続組み手を想定した内容の稽古を重ねてきたようである。

組み手審査においては一人目でダウンを奪われたものの、後半、それを挽回する内容で見事にこれを完遂!

52歳にして、過酷な体験と言える昇段組み手を見事に乗り切って、熊本支部として初の昇段を達成した。

お仕事は高校の英語教師でありながら、また一人、クレージーなオヤジの誕生である。

これからも武術修行を通じて価値ある人生を歩んでもらいたいと思うところである。

本人コメント
「この度は成道会の皆様の声援に支えられながら、何とか5人組み手を完遂し、初段合格をいただくことができました。誠にありがとうございました。
 7年半前に成道会に入門し、温かい雰囲気の中で城先生や本村先生、諸先輩方のご指導で楽しみながら稽古させていただきました。
しかし、熊本からの参加のため、健康法目的で太気拳を中心に月1回のみの稽古でした。そのため思うように上達しないのが悩みでした。
3年前に馬原先生が熊本支部を開設されてからは稽古回数も増え、太気拳はもちろん打撃の方も随分と鍛えていただきました。
時にくじけそうになりながらも叱咤激励されながら、どんどんのめり込んでいき、いつの間にか真剣に黒帯を目指すようになっていました。
 そして、審査当日。
久しぶりにお会いする福岡の先生方や先輩方からは激励の言葉やアドバイスをいただき、熊本から応援に駆け付けた先生や仲間達を見て心強く思いました。
いよいよ5人組み手となり、これまでの稽古の総決算です。
ところが、途中からほとんど記憶がありません。応援の声だけを心の支えに立ち続けていたという感じです。
何はともあれ、その日は充実感と安堵感でいっぱいでした。
しかし翌朝、体の節々に痛みを感じると「呼吸を整えながら歩法で間合いを取り、チャンスがあったら一気に攻めて、さっと離れるように」と言われていたことが全くできていなかったことが悔やまれ、先生方に申し訳が立たないという気持ちになりました。
それにもかかわらず、合格をいただき心より感謝申し上げます。
これを機に黒帯の名に恥じぬよう、理想の組手を目指して更に稽古に励みたいと思います。
今後ともご指導よろしくお願いいたします。」


太氣拳成道会
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