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ハイブリッド太氣拳

2017-10-17 12:07:00 | 格闘技、武道
ハイブリッドとは、異なった要素を混ぜ合わせたもの、組み合わせたものという意味らしく、元々は「雑種」という意味で、その雑種でも「飼い豚と野生の猪の混種」が語源のようである。
その意味から「混合」という意味でも使われているとのこと。

私は高校生の頃に伝統空手を学び、その後、大道塾で格闘空手を、そして、岩間先生から太氣拳を学び、ここ数年は故・佐藤聖二先生から意拳の要素を学んで、現在に至っている。

私の学んできた格闘技、武術はどれも素晴らしく、振り返ってみても実に充実した時間を過ごせてきたと思う。

現在、太氣拳を名乗らせていただいているが、実際は過去に学んだ様々の混合で、私のは言わばハイブリッド太氣拳と言えるもので、他の方々も同様であろう。
様々な要素を取り入れてそれぞれの武術を創造することはどの武術でも同じだろう。

正統なのか非正統なのか?という価値観もあると思うが、例え、亜流と呼ばれても、自分自身が納得していることが一番で、それは、実際に動けるのか、使えるのか、というシンプルな検証の繰り返しによって、正しいのかそうでないのかという取捨選択も決まるだろう。

意拳の理論内容は、その一端に触れた者としては、既存の方法論等をはるかに超えたもので、私の場合はこれまでの概念、観念を大きく変えさせられた。

40歳を過ぎてからの衝撃である。

自身の身体を通して認識されることを体認と呼ぶが、実に様々な能力を体認することができた。
そして、50歳を過ぎた今現在でも、それらが変化し続け、新たな体認を繰り返している。

通常であれば体力は下降するし、身体も硬くなってきて、稽古にも新鮮さや面白味が感じられなくなって、いつの間にか遠のいていく年代である筈なのに、いまだに稽古が面白く、少年のような気持ちで武術に取り組んでいけるのは、この体認があるからである。

そこには立禅によって引き出される各種能力があって、能力の引き出しに成功すれば、それは、年令には関係なく強化されるようである。

私のつかんでいる能力は構造能力の開発による六面力、争力、矛盾力、螺旋力、三角力、斜面力、弾力等が挙げられる。
これらを整理しておけば、各能力の相関関係なども理解しやすくなり、漠然と稽古に取り組んでいくよりもはるかに効果的、効率的に能力の構築と強化を進めていけると思うし、他の武術、格闘技の動きも取り入れやすくなるものと思われる。

そんなわけで、ますますハイブリッドになって行きそうで、果たしてこれを太氣拳と呼んでいいのか?とも考えるが、大事なのは、見た目の形、外観ではなく、中身であって、形にばかりこだわって最も大切なことを見失うことがなければそれでよいと思う。

立禅を基盤にした稽古体系を自身の中に確立できたら、何でも取り込んでいける。
ハイブリッド太氣拳である。


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