一宮博物館で映画「人生フルーツ」上映会がありました。
「人生フルーツ」は東海テレビが制作したドキュメンタリー映画です。
2016年にテレビ版が放送され、手直しされて劇場映画として上映されました。
高い評価を得ていることは知っていましたが、商業ベースの映画ではなく、上映館や期間が限られ、鑑賞する機会はありませんでした。
今回「映画を楽しむ会」主催の自主上映会があり、鑑賞することができました。
博物館講座室にいっぱいの観客。上映を待ち望んでいた人がたくさんいたんだと感じました。
(上映中の写真を撮ることはできないので、写真は上映前のあいさつの場面です。)
上映のあとは、伏原健之監督のトークショーもあって、とても興味深く聞くことができました。
この映画は、ドキュメンタリーですが、ファンタジーのような映画です。
伏原監督は、ジブリのような映画をドキュメンタリーで作りたかったとおっしゃっていました。
高蔵寺ニュータウンで、自分が設計した風変わりな家に住み、雑木林と畑と果樹園を手入れしながら、生活の道具や食べ物を手作りし、鳥のさえずりと木漏れ日の中、季節のめぐりとともに、地に足をつけて、健康でゆっくりと生きていらっしゃるご夫婦のお話です。
ファンタジーのようですが、本当のお話です。
こんな生き方ができたらいいなあと、だれもが思います。
風が吹けば、枯れ葉が落ちる。
枯れ葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
コツコツ、ゆっくり・・・人生フルーツ
樹木希林さんの「やさしく深い」ナレーションが心に響きました。
ドキュメンタリーですが、何かを強く主張するのではなく、たとえば、人の生き方とか、夫婦のあり方とか、年の取り方とか、人生の終え方とか、都市計画の問題とか、住環境のあり方とか、農業や食品についてとか、効率優先の社会とか、観る人それぞれが、それぞれに、いろいろと感じることができる映画だと思いました。
この映画はDVD化しないと監督さんはおっしゃっていました。
パソコンやテレビの前で一人ふたりで観るのではなく、多くの人が集まる場所で多くの人が同時に共感し合うようなものであってほしいとの願いがあるそうです。
そういう意味では、今回は、上映後に自然と拍手が起こり、照明が点灯しても観客が席を立とうとせず、余韻に浸ったり、思いを共有しようとしているように思えて、とてもすてきな鑑賞会になったと感じました。
監督さんからパンフレットにサインをいただきました。
また次回も、すてきな映画を観たいです。