一宮市栄町に七面堂があります。七面堂とは、日蓮宗総本山身延山の西にある七面山に棲まわれて法華経行者を守護してくださる七面天女を祀っているお堂です。
入り口は通りに面していますが、ここから入ることはできません。
民家の庭に回って入ります。
この七面堂は昭和29年に建てられたそうです。一宮は空襲で焼け野原となりましたが、戦後の復興はめざましく、繊維の町として活気にあふれていました。町の有志で七面講が結成され、七面山から七面天女の尊像を頂戴し、七面堂が建立されました。
町が復興し、経済的に潤っていく中でも神仏に感謝報恩を忘れず、自分の心を磨いていこうとする姿勢は、今、忘れられようとしています。
その時の記念写真です。以来67年、写っている方々は、ほとんどがお亡くなりになり、七面講は自然消滅してしまいました。
七面堂は移築され、この写真に写っている最も若い女性(といっても今は80歳を越えていらっしゃいますが)が管理してくださっています。
中に入ると、今でも立派なお堂です。
心を込めて読経いたしました。
管理されている方はご高齢で、いつまでお守りができるかわからないと心配されていました。
七面講を立ち上げた方々のお気持ちを受け継いで、守っていかなくてはと思いました。