考える英語 (英作で英会話上達!)

身の回りの事から、社会情勢まで、幅広い事柄を、自分の知っている簡単な英語で表現していきます。英会話教室をやっております。

英作『新年の抱負9(先延ばしにしない)』答と考え方

2016-03-05 04:00:05 | 英作 解答
『New Year's resolution』


9. 先延ばしにしない

⇒ procrastinate という単語がある。Stop procrastinating. で「ぐずぐす先延ばししない」という意味になる。

procrastinate を知っている人はいいが、こんな難しい言い方をしなくても、少し考えれば簡単な英語で造作なく言える。

いつものように考えて分析する。

『先延ばしにしない』ということは、言い換えれば『後でする』 do it later の逆である。よって

・Don't do it later. (後でしない)


『先延ばしにする』ということは、待ちすぎること(wait)である。よって

・Don't wait too long.


『先延ばしにしない』ということは、逆に言うと『今やること』である。よって

・Do it now!

『先延ばしにしない』という発言の意図は、大事なことを後回しにして、『今』を軽んずることである。よって

・Now or Never! (今しかない)
 

考えれば『先延ばしにしない』ということは、『今』という時間は永遠に続かずに、いつか終わることを示唆している。歳月人を待たず、というのを英語のことわざで、

・Time and tide wait for no man. という。

『先延ばしにしない』ということは、『今を生きる』ことである。英語では、

・Live for today.  である。 


ラテン語で、Carpe Diem (カーペ ディエム)というものがある。

『今を生きる』という意味。出会った頃、妻に教わった。いい言葉だ。

Carpe Diem の英語訳は、Seize the day. という。seize が『つかむ』という意味。日をつかむ、となる。


いずれにしても『今』ということの重要性を説いたものである。

西欧のことわざで『チャンスは前髪でつかめ』という。英語で、

・Take the opportunity (chance, time ) by the forelock. という。

日本では、

・さしあたる 今日のことのみ思えただ 昨日は過ぎつ 明日は来たらず 

・さしあたる そのことのみをただ思え 過去は及ばず 未来知られず (中村天風)

・さしあたる そのことばかり思えただ 帰らぬ昔 知らぬ行く末   (良寛)

・この秋は 雨か嵐か知らねども 今日の勤めの 草をとるかな   (二宮尊徳)

・明日ありと思ふ心のあだ桜、 夜半 ( よわ ) に嵐の吹かぬものかは (親鸞)


全て『今』の大事さと、かけがえのなさを われわれに訴えている。


後回しにしない。大事なことは今やる。

procrastinate, put off, defer, delay, 等の英語を使ってもよい。

しかしその前に『先延ばし』とはどういうことなのかを考えてみる。

難しく自分に縁遠い英語を言うのもよいが、知らないからゆえに、我々は自分の知っている英語で表現するべく、あれこれと考える。

そうすると『先延ばしにしない』ということは『今』を大切に生きることであり、限りある人生を精一杯生きることである、ということに思い至る。

宮本武蔵は 『我、事において後悔せず』と言った。後悔することは過去に生きることであり『今』を台無しにすることだからである。

武士道とは死ぬことと見つけたり。 なぜか。 終わりを思うことで今この瞬間をひたむきに全力で生きるためである。


メメント モリ (Memento Mori)というラテン語がある。memonto は語源的に言うと、rememberと関連があり『覚えておく』、mori は Men is mortal (生者必滅)のmortal と関連があり『死』を意味する。

よって『死を想え』と訳されている。なぜ死を想うか。Carpe Diem (今を生きる)ためである。


こんなことをつらつらと考えてしまう。


辞書に自動翻訳に頼るのもよい。

しかし我々は、答えを知ると、分かった気になり、それ以上探求をしなくなる。

それではあまりにももったいない。知らない。だから考える。

ソクラテスの時代にもし、インターネットがあり、気になることをすぐネットで検索していたら、きっと哲学は生まれなかっただろう。

本当に大事なことは、恐らくネットを検索しても出てこない。


英語で言えない。だから考える。その過程において、きっと我々は英語を超えて、自分、他人、ひいては人生そのものを考えるに至る。

少なくとも私には、そっちのほうが大事に思える。









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