OUR HOME ISLAND - いおうとう(硫黄島)

戦前に在住していた島民が、戦後の小笠原返還後も故郷に帰ることが許されていない硫黄島についての情報発信をいたします。

走りました。

2008年07月13日 | 硫黄島・小笠原村
硫黄島での1日目、
式典が終わってからの午後の「里帰り」の時のバスでの移動でも、
ランニングをしている自衛隊隊員の方を、見かけました。

硫黄ヶ丘から、元山あたりを見てから、
その日、二度目となる、旧島民墓地平和祈念公園に行って、
徒歩で、宿泊する祈念館に戻ってきたのは、16:00前頃でした。

同行者は、暑さの中の徒歩で、ぐったりでしたので、
伴走を頼めるような様子ではない、どころか、
「こんな日に走るのは正気とも思えない。」と言いました。

車かバイクがないと、そもそも伴走は頼めなかったのですが、
皆さん、その時間は、里帰りから帰ったあとのいろいろな用事での移動や、
祈念館へ宿泊組の私達以外を、おが丸へ乗船させる移動などの時間だった
と思うのですが、
「使わせて欲しい」とお願いできそうな、車両はありませんでした。
あったとしても、同行者二人は、「一刻も早くシャワーを浴びたい。」
だったので、伴走運転はしてくれなかったでしょう。

一人で走る、となると、
慎重にも慎重を期さないといけませんので、
祈念館から、遠く離れることはできません。
擂鉢山往復などという野望は捨てて、近くを走ってみようと、
ウェアに着替えました。


身に着けたもの :

デサントの長袖ランニング用シャツ(速乾素材)
アンダーアーマーのタイツ、ニューバランスの短パン、
一番走りなれているアシックスのシューズ、
ヘッドバンド。
いつもよりの大きめのスポーツタオル。

帽子はかぶりませんでした。
自衛隊員の方でかぶらずに走っている人を見ていましたし、
陽射しと紫外線の強いのは気になりましたが、
帽子を気にすると思い切って走れないからです。

まだ、太陽は高い位置にありました。
(その日は35度ぐらいだったと、後からの、
「エンジョイ!島ライフ」を読ませてもらって知りました。)

「おさピー」様から、「暑さで水分消耗するので」と
ご注意のアドバイスをいただいておりました。

いつものトレーニングで走る時にも、飲んでいるVAAM缶を飲んでスタート。
ランニングの時にたまに飲み忘れてスタートしてしまうことがありますが、
飲まないと、後半ばてます。


いつもの練習では、、10キロとか14キロとかトレーニングで走りますが、
途中での水分補給はしていません。持って走るのが煩わしいのと、
走っている中での給水で、ペースを乱さないか心配だからです。
本当は15分ごととかに給水をするのが良い、と、されています。

3月30日に出場した10キロのロードレースでも
3キロ地点と7キロ地点に給水がありましたが、取りませんでした。
ということで、これまで走りながら「給水」はしたことがありませんでした。

しかし、今回は、普通の暑さではなく日射も非常にきつかったので、
「脱水(気がついた時には遅く、体の熱を外に逃がせなくなってしまいます。
エリートランナーでも大会でスローダウンしてしまったりする選手の多くが、
脱水による熱中症だそうです。)になる危険だけは避けないといけない。
一人で走るのだし。」とアミノバリュー(BCAA4000の方)500mlボトルを持って、走りました。
走り終わるまでには、3、4回に分けて、飲みきりました。

走った時間は
30分でした。
距離は、およそ、6キロぐらいだと思いますので、
1キロ5分の、ゆったりめのペースでした。
無理な、ペースで飛ばそうとするのも、我慢しました。
オーバーペースでは、あの暑さだったら、もたなかっただろうと思います。


「祈念館から離れないようにしよう。」と気をつけました。
「祈念館前の直線を何往復も」とも考えたのですが、
それでは、面白くないですし、
他の人からも、「行ったり来たり何してるんだ?」と
不審に思われそうなのもいやでした。

あまり遠くまで行かずに折り返し と決めて、スタートしました。

最初は、擂鉢山のある南を背中に北に向かいました。
スタートして、すぐに、向かって右に入れる
トレイル (芝生、土などの、走れるオフロードのこと。
「小道」の意味。海外では自然を満喫できるトレイル・ランニングが
盛ん。日本でも、尾根や森の中に整備されたトレイルを走る、
トレランのファンが増えて来ているようです。私は、ロードばかりで、
本格的なトレランはまだ挑戦、経験していません。 )
があるのに気がつきましたので

迷わず入っていきました。ふかふか芝の良い道です。少し登ると
左側に入れましたが、壕の入り口が二個あって、行き止まり。
壕の前で、手を合わせて、戻って登って行きました。

多少、旧な、岩っぽい坂が急になってきました。
登りきったところが開けていて、
砲台でした。
「これが話に聞いていた大阪山砲台か。」と思い、
引き返して下りました。下り途中にの左方向に入れる道があったので、
入っていくと、また、壕の入り口が、二つありました。
止まって、手を合わせて、進みましたが、
アスファルトで固められたやや広い場所があって、そこで、行き止まりでした。
引き換えして、芝の道を下って、元の外周道路にでました。

外周道路をそのまま北に進みました。舗装されて走りやすい、
軽いアップダウンのある道でした。
自衛隊の方とすれ違いました。

「どこで引き返そうか。」と考え始め、
「あの見える、あそこまで。」などと思いながら進んでいくと、
「壁画」という 道標がありました。 そこを右に入ると、
壁画 という場所です。
かなり大きな、分かりやすい、道標でした。
壁画方面には入らずに、直進して、
ゆるい坂を上りきったところで引き返しました。

引き返して、祈念館まで戻ったところで、
20分経過でした。おそらく、4キロちょっと、走っていたと思います。

祈念館を通り過ぎて、
その日に2度行った、平和祈念公園に向かいました。
外周道路は、舗装状態が荒くきれいなアスファルト舗装道路では
ないです。

ゆるい下りになっていて、繋留されている おが丸 の姿が見えました。
道がゆるく左カーブになっていて、曲がると、前方に
擂鉢山が見えました。

最初は擂鉢山山頂往復したい、と思っていたぐらいですから、
およその距離が頭にありましたが、
実際に見えた擂鉢山は、とても遠くに感じられました。
「こんなに、擂鉢山まで、距離があるのか!はるか前方だな。」
と驚きました。

3月に出場した10キロロードレースのコースも
アップダウンにつれて、目標になる建物が見えるコースでしたので、
「まだ、あんな先に見える建物を越した、その先が折り返しか。」と
思いながら走ったのですが、擂鉢山が遠いのは意外でした。

そのあたりで、暑くて、持って行ったスポーツタオルを、
かぶりました。
それより前に、汗でびしょぬれになったヘッドバンドははずしていました。

平和祈念公園で、墓碑に手を合わせて、戻ってきました。
祈念館と平和祈念公園の往復の距離は分かっています。1.8キロです。
ストップウォッチと、祈念館前通過の時に、ラップで止めたので、
その1・8キロにかかった時間を計できましたが、ちょうど、10分でした。

やや上りの道を、ラスト・スパートすることもなく
マイ・ペースで帰ってきました。
祈念館と平和祈念公園の間で、何かの工事作業をなさっていた方がいて、
それを、一木議員が見学なさっていました。

暑さによる消耗は、思っていた以上でしたので、
500ml給水がなかったら、動けなくなっていたと思います。
が、ペースをあげなかったので、やや余力を残しての
祈念館でのフィニッシュ、入念にクーリング・ダウンのストレッチを
しました。


次の日に、皆でバスで回るコースの終わり近くで、例年どおり、
擂鉢山に登りました。
4回目ですが、これまでの、3回は、「ここを走りたい」などと
意識したことがなかったのですが、
今回は、そういう意識で、バスの中で道の様子について考えていました。

「祈念館からの距離があるのに驚いた擂鉢山。
そのラストにこれだけの斜度と長さの登りがあるとは!」
と驚きました。

前にこのブログで、「ゆっくりでも1時間で往復できる。」などと、
楽なコースのような書き方をしてしまいましたが、
「甘かった。この登りの距離の長さでは、最後は
ほとんど、足は止まるし、心肺も限界に達するだろう。
下りも、ブレーキをかけないようにペースをあげて、
かつ、ショックを吸収して故障しないようにうまく走るのは
非常に難しい。」と、思いました。


いつもは、家の前の川沿い遊歩道のロードで、ランニングをすることが
多いのですが、3月のロードレース出場の前には、
坂道を含む別のコースで練習をしていました。

今回、戻ってきてから、
また、その坂のあるコースでのランニング、トレーニングを
中心のメニューに戻しました。
11・5キロの3周コースです。
擂鉢山ほどの斜度と坂の長さではありませんが、
フォームに気をつけて、走っています。

わずか標高169メートルしかない擂鉢山ですが、
南端にそびえていることもあって、目立ちます。
山頂までバスで行ける道を整備して下さっているのですから、
蛇行させていて距離はかなりあります。


今回は、「硫黄島を走りたい。」という、夢はかなえることができました。

自衛隊の方は、多くの人が走っています。
暑さと直射日光(紫外線)がすさまじいですが、
外周道路は、本当に良い、ランニング・ロードです。
今回は、祈念館周辺だけでしたが、空港周辺など気持ち良さそうな道路が
いっぱいです。
また、見学場所へ入るため、遺骨収集作業のためなどに
整えていただいたのでしょうが、ところどころに、
足への負担が少なそうな、フカフカのトレイル(山、森などの間の小道)
があることも分かりました。
トレイルがつながるように整備されれば、
ロードとトレイルが連続する、素晴らしい、ランニング・コースを
作れる島だと思いました。

擂鉢山、
機会があれば、いずれ、走ってみたいです。

ホームページ、ブログなどを検索すると、
過去に「18キロ外周道路ロードレース」が実施されたことが
あったようです。

「待ってろよ!擂鉢山」
と、トレーニングに励みたいと思っています。

写真は、祈念館前の外周道路。南側を見る方向。
左にカーブをすると擂鉢山が目に飛び込んできます。

(2009年5月14日に、一部修正をしました。)
コメント
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