オ気楽ナ・・・毎日

休日のドライブや旅先で見つけたモノを紹介しています。
主に、山口県内。たいして珍しいものはないかも・・・

幻の国境の島

2013-09-05 21:34:31 | 近代遺産

山口宇部空港の西側、調整池の中には、へんてこりんな人工島があります。

これ。
何なんだろうなぁ・・・と気になって、調べてみました。

実は以前、ここの近く、亀浦の海岸から沖合300mに、『鍋島』という宇部市で唯一の島(無人島)があったのです。
が、山口宇部空港の滑走路伸延工事で、1999年に埋め立てられ、消滅してしまいます。
その『鍋島』を1/2スケールで再現したのが、この人工島なんだそうな。
使われている岩の一部や、上に生えている松も、『鍋島』から移植したんだって。

で、この『鍋島』のコピー、ここだけではなくて・・・

常盤公園内の「常盤神社」。
その境内に・・・・

ほら。


こちらは、1/30スケール。
でも、木が繁りすぎちゃって、何がなんだか、わからんな。
もちろん、ここの木も、『鍋島』から移植したもの。


で、もう一つ。
こちらは、少し西側にある「床波漁港」。

沖の防波堤の内側にある、要塞みたいなのが、新「鍋島」。

『鍋島』にあった、「住吉社」「厳島社」を合祀した祠を、こちらに移してあります。
ここにも、元の島から移植した松が植えてあるぞ。

 

小さな小島が消えたぐらいで、何でこんなに大騒ぎなのか・・・というと。

『鍋島』というのは、昔でいう「周防国」と「長門国」の国境を示す島だったのです。
ある意味、地元の方々にとっては、故郷のシンボル的存在だったのでしょうね。
島が位置した場所の近くに、少しばかりの痕跡があるというので・・・

常盤海岸まで、足をのばしてみました。
ちなみにこの海岸、車で行くことはできませんし、近くに停める場所もありません。
おかげで、かなりの距離、歩くはめに・・・・。

少し昔の地図では、常盤海水浴場なんて表示もありますが、今は遊泳禁止。
空港の滑走路延長で、禁止措置がとられたんでしょうか。
消波ブロックは、護岸のためというより、海水浴をさせない為に置かれているのかも。

空港の滑走路の先端まで来ました。
先端からちょっと先の擁壁に・・・・

あったー。
「周防」と「長門」の境界表示。

さらに、海岸側の防波堤内側の道の突当たりから、野道を山のほうに入っていきますと

国境の碑もあります。

こちらは、『鍋島』の消滅を惜しんで、地元の方々が建てられたもの。
詳しくは、↓を読んでね。

「周防国」と「長門国」は、大内氏の時代より同じ行政区。
国境というのを、あまり意識したことはなかったのですが、こういうのを探すのも、面白いですね。


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