○郷里の姉ちゃん 「スレイヤーズ!」神坂一(富士見ファンタジア文庫)
『スレイヤーズ!』は1989年スタートの日本のライトノベルにおけるファンタジー小説のヒット作で、昔からのハイファンタジーとRPGファンタジーをつないでライトノベルに落とし込んだキーとなる作品。その頃、パソコンRPGやテーブルトークRPGの影響を受けて、経験を積んで強くなると高レベルの魔法を使えるようになり強くなる……という流れができていたところに、威力は大きいけれど魔力も消費するし被害も大きくなる上級魔法より、工夫次第でいろいろ使える下級魔法の方が使い勝手が良いよということをはっきり書いて、ゲーム脳に陥りかけた読者に一石を投じた作品でもあります。
その主人公リナ=インバースは「盗賊殺し」の通り名を持ち、魔王の腹心とすら互角に戦え、「ドラゴンもまたいで通る」と怖れられた、魔法にも剣技にも優れたチート主人公の走り。その周辺にもいろいろ個性的なキャラクターが多いのですが、ヒロインを1人を挙げるとすれば郷里の姉ちゃんでしょうか。
本名はたぶんルナ=インバース。でも、語られるときはいつでも「郷里の姉ちゃん」
そもそもリナは郷里の姉ちゃんに「世界を見てこい」と言われて旅に出たという設定。その影響力は大きく、ことある毎に「郷里の姉ちゃんにも、同じことを言われたことがある」とか「郷里の姉ちゃんだったら……」という言葉が出てきます。故郷の喫茶店でウェイトレスをやっているらしいのだけれど、ついに一度も登場せず、もっぱら主人公の回想でのみ語られる存在なのですが、その断片的な言葉や回想からは、細腕でバスタード・ソードをぶん回し、包丁一本でドラゴンを仕留めた、魔族をすりこぎでどつき回したとか理不尽な強さが語られます。そこらのボスキャラなら笑いながらどつき倒せる、主人公以上に強いらしいチートキャラなのです。
でも、本篇には登場しません。その正体は赤の竜神の騎士とも言われますが、ただ「田舎の喫茶店でウェイトレスのバイトをしている」と噂が語られるのみなのです。
『スレイヤーズ』という作品自体、何度もアニメ化されましたが、そのオープニングにも2回ほどシルエット姿で登場。語らない方が面白い、登場しない方がワクワクするという、まさにファンタジー界の「牛の首」と言うべき存在です。
『スレイヤーズ!』は1989年スタートの日本のライトノベルにおけるファンタジー小説のヒット作で、昔からのハイファンタジーとRPGファンタジーをつないでライトノベルに落とし込んだキーとなる作品。その頃、パソコンRPGやテーブルトークRPGの影響を受けて、経験を積んで強くなると高レベルの魔法を使えるようになり強くなる……という流れができていたところに、威力は大きいけれど魔力も消費するし被害も大きくなる上級魔法より、工夫次第でいろいろ使える下級魔法の方が使い勝手が良いよということをはっきり書いて、ゲーム脳に陥りかけた読者に一石を投じた作品でもあります。
その主人公リナ=インバースは「盗賊殺し」の通り名を持ち、魔王の腹心とすら互角に戦え、「ドラゴンもまたいで通る」と怖れられた、魔法にも剣技にも優れたチート主人公の走り。その周辺にもいろいろ個性的なキャラクターが多いのですが、ヒロインを1人を挙げるとすれば郷里の姉ちゃんでしょうか。
本名はたぶんルナ=インバース。でも、語られるときはいつでも「郷里の姉ちゃん」
そもそもリナは郷里の姉ちゃんに「世界を見てこい」と言われて旅に出たという設定。その影響力は大きく、ことある毎に「郷里の姉ちゃんにも、同じことを言われたことがある」とか「郷里の姉ちゃんだったら……」という言葉が出てきます。故郷の喫茶店でウェイトレスをやっているらしいのだけれど、ついに一度も登場せず、もっぱら主人公の回想でのみ語られる存在なのですが、その断片的な言葉や回想からは、細腕でバスタード・ソードをぶん回し、包丁一本でドラゴンを仕留めた、魔族をすりこぎでどつき回したとか理不尽な強さが語られます。そこらのボスキャラなら笑いながらどつき倒せる、主人公以上に強いらしいチートキャラなのです。
でも、本篇には登場しません。その正体は赤の竜神の騎士とも言われますが、ただ「田舎の喫茶店でウェイトレスのバイトをしている」と噂が語られるのみなのです。
『スレイヤーズ』という作品自体、何度もアニメ化されましたが、そのオープニングにも2回ほどシルエット姿で登場。語らない方が面白い、登場しない方がワクワクするという、まさにファンタジー界の「牛の首」と言うべき存在です。