付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定」 榎本快晴

2018-03-08 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「興味本位で聞くんじゃけど、どんな話が広まっとるの?」
「戯れに街を焦土とし、餓えれば血肉の川が流れるまで人肉を貪ると」
「そんなことしとらんって。本当に。わしの主食って草とか木よ」

 タケノコが好きなんだよね?

 のんびりと草をはみはみしながら5000年、そのドラゴンは、ちょっと長生きしただけの草食トカゲのような生き物だった。ところが周囲の村人たちは、彼を魔王と双璧を成す大怪物、邪竜レーヴェンディアと誤解していて、とうとう身寄りのない奴隷娘レーコをイケニエに差し出してきた。
 少女に「どうぞ私をお召し上がりください邪竜様」と言われてもただの人畜無害な草食ドラゴンは戸惑うばかりだが、適当にあしらっている内に少女は自分を邪竜の眷属だと認識してしまい、眷属として得られた“邪竜の魔力”を行使して暴れ回るようになっていた。
 邪竜の魔力なんてないのに、レーコは襲い来る魔物の群を瞬時になぎ払い、空を飛び、いつの間にかドラゴンと少女は魔王討伐の旅に出ることになっていた……。

 人の話を聞かない少女が「邪竜様のお力をお借りして」大暴れし、トホホ状態の草食ドラゴンが後始末に追いかけていく道中記。
 机を整理していた妻が「あら、この本……」といいつつ手に取り、そのまま30分ほど部屋の中で立ち読みしちゃうくらい導入部のインパクトが大きい作品です。

【齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定~やだこの生贄、人の話を聞いてくれない~】【榎本快晴】【しゅがお】【角川スニーカー文庫】【村人よ、 いつから邪竜だと錯覚していた……?】【お願い。わしのために争わないで】
コメント
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